2020年9月から10月にかけて、『十二人の怒(いか)れる男』の上演が決定した。法廷劇の傑作と名高い本作には、12人の陪審員が登場する。演じるのは、ベンガル、永山絢斗、堀文明、堤真一、山崎一、青山達三、石丸幹二、吉見一豊、少路勇介、三上市朗、梶原善、溝端淳平(陪審員番号順)。
本作は、シアターコクーンが海外の才能と出会い新たな視点で挑む演劇シリーズ「DISCOVER WORLD THEATRE」の第9弾として上演。演出には、日本初演出となる英国の実力派リンゼイ・ポズナーを迎える。
本作は、1957年ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作であり、アカデミー賞作品賞、監督賞、脚色にノミネートされた“法廷もの”の最高傑作。
もともとは1954年に放送されたアメリカのテレビドラマだった本作。これに、アメリカの俳優であり映画プロデューサーであるヘンリー・フォンダが惚れ込み、脚本のレジナルド・ローズと共同で製作し映画化した。その後も世界各国で影響を与え続けている作品であり、日本でも、筒井康隆作『12人の浮かれる男』や、三谷幸喜作『12人の優しい日本人』をはじめ、インスパイアされた作品が数多く生まれている。
シアターコクーンでは、2009年11月に当時の芸術監督・蜷川幸雄演出で上演し、ちょうどその年の5月から日本でも“裁判員制度”が始まり、ストーリーを身近に感じることが出来るタイムリーな作品として話題を呼んだ。
舞台は陪審員室。父親殺しの罪で裁判にかけられた17歳の少年は、有罪が確定すると死刑が待っている。12人の陪審員の男たちの審議は、12人中11人が有罪。ただ一人、陪審員8番が無罪を主張する。人の命を左右することに疑問を持った8番の主張から、白熱の議論が展開していく。
今回、この鋭い知覚を持ち思慮深い陪審員8番を演じるのは堤。
そして、率直で礼儀正しいが仲間意識を好む陪審員長(陪審員1番)にベンガル。型にはまった思考を持つ控えめな陪審員2番に堀。騒々しく興奮しやすく息子との関係に問題を抱える陪審員3番に山崎。雄弁な自信家、冷静沈着で論理的に意見を主張する陪審員4番に石丸。厳しい労働階級の環境で育ち自分の考えに自信を持てない陪審員5番に少路。人情に厚い塗装業者で公平性の持ち主だが自分の鋭い意見はない陪審員6番に梶原。
シニカルな冗談好きで野球の試合に間に合うことばかり考えている陪審員7番に永山。謙虚で公平な分別を持つ一番の年長者陪審員9番に青山。自己中心的で威張り屋、人種差別な側面を持つ陪審員10番に吉見。教養がある知的な紳士だが気難しさを持つ陪審員11番に三上。見た目は良いが調子のよい広告マン、裁判にもあまり真剣に取り組む気がない陪審員12番に溝端が扮する。
なお、本公演では通常の客席ではなくセンターステージを設置。さらに、公演期間を前期と後期に分け、前期では新型コロナウイルス感染症対策を講じ左右1席ずつ座席を空けて配席する。後期については、後日発表。
COCOON PRODUCTION2020 DISCOVER WORLD THEATRE vol.9 『十二人の怒れる男』は、9月11日(金)から10月4日(日)まで東京・Bunkamuraシアターコクーンにて上演される。
<前期>9月11日(金)~9月22日(火・祝)
チケット発売日:8月9日(日)
<後期>9月24日(木)~10月4日(日)
チケット発売日:後日発表
【あらすじ】
蒸し暑い夏の午後、一人の少年が父親殺しの罪で裁判にかけられる。
無作為に選ばれた12人の陪審員たちが、有罪か無罪かの重大な評決をしなければならず、
しかも全員一致の評決でないと判決はくだらない。
法廷に提出された証拠や証言は被告である少年に圧倒的に不利なものであり、陪審員の大半は少年の有罪を確信していた。
予備投票が行われる。
有罪11票、無罪1票。
ただ一人無罪票を投じた陪審員8番が発言する。
「もし、我々が間違えていたら・・・」
陪審員室の空気は一変し、男たちの討論は次第に白熱したものになっていく・・・。
【公式サイト】https://www.bunkamura.co.jp/