2020年10月から11月にかけて、東京・新潟・松本・兵庫・札幌・宮城にて、野田秀樹潤色、シルヴィウ・プルカレーテ演出による『真夏の夜の夢』の上演が決定した。
野田とプルカレーテはこれまで、互いの母国である日本とルーマニアで上演のたびに親交を深めてきた。野田が芸術監督を務める東京芸術劇場では、『ルル』(2013年)、『ガリバー旅行記』『オイディプス』(2015年)と3作のプルカレーテ作品を招聘。2017年には、プルカレーテが初めて佐々木蔵之介ら日本人俳優を演出して『リチャード三世』を上演した。
本作は、シェイクスピアの喜劇『真夏の夜の夢』を野田がダイナミックに翻案した作品で、1992年に初演。舞台を日本に置き換えただけでなく、まったくの別作品であるゲーテの『ファウスト』に登場するキャラクターである悪魔・メフィストフェレスを乱入させたり、原作ではあまり表現されていない嫉妬や憎悪といった負の感情の表現で終末論を感じさせたりしながら、野田の真骨頂である言葉遊びと重層的な物語を、切なく美しい喜劇へと集束していく。
出演は、シェイクスピアの原作ではヘレナにあたる娘「そぼろ」役に鈴木杏、ハーミアにあたる割烹料理屋の娘「ときたまご」役は北乃きい、デミトリアスにあたる「ときたまご」の許嫁・板前の「デミ」役に加治将樹、ライサンダーにあたる「ときたまご」と愛し合う青年・板前の「ライ」役は矢崎広。
さらに、今井朋彦、加藤諒、⻑⾕川朝晴、⼭中崇、河内⼤和、⼟屋佑壱、浜⽥学、茂⼿⽊桜⼦、⼋⽊光太郎、吉⽥朋弘、阿南健治、朝倉伸二、⼿塚とおる、壤晴彦が出演。今井、手塚、壤は2017年の『リチャード三世』に続いてのプルカレーテ作品出演となる。
【あらすじ】
創業130年の割烹料理屋「ハナキン」。その娘・ときたまご(ハーミア)には許婚がいた。板前のデミ(デミトーリアス)である。デミはときたまごを愛していたが、彼女は板前のライ(ライサンダー)に恋心を寄せていた。ときたまごとライは<富士の麓>の「知られざる森」(アーデンの森)へ駆け落ちする。それを追いかけるのはデミと、彼に恋をしている娘・そぼろ(ヘレナ)。森では妖精のオーベロンとタイテーニアが可愛い拾い子をめぐって喧嘩をしている。オーベロンは媚薬を使ってタイテーニアに悪戯をしようと企み、妖精のパックに命令する。ついでにそぼろに冷たくするデミにも媚薬を使おうと思いつく。しかし悪魔メフィストフェレスが現れ、パックの役目を盗みとる。そこに「ハナキン」に出入りしている業者の面々が結婚式の余興の稽古にやって来て、事態はてんやわんやに・・・。
東京芸術劇場30周年記念公演『真夏の夜の夢』は、以下の日程で上演される。
【東京公演】10月15日(木)~11月1日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
【新潟公演】11月8日(日) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場
【松本公演】11月15日(日) まつもと市民芸術館 主ホール
【兵庫公演】11月20日(金)~11月22日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
【札幌公演】11月27日(金) 札幌市教育文化会館 大ホール
【宮城公演】12月5日(土) えずこホール(仙南芸術文化センター)大ホール
【公式サイト】https://midsummer-nights-dream.com
【公式Twiter】@MidsummNights