2022年9月から12月にかけて、東京都豊島区池袋周辺エリアで開催される「東京芸術祭 2022」。事前に主要3演目が発表されていたが、その中の一つである佐々木蔵之介主演の『守銭奴 ザ・マネー・クレイジー』よりビジュアルが公開された。
「東京芸術祭」は、東京の芸術文化を通して世界とつながることを目指し、2016年から毎年秋に開催されている都市型総合芸術祭。7年目を迎える今年はディレクターを務める宮城聰のもと「ひらく」「きわめる」「つながる」の3つのキーワードを掲げ、ワンコインで観劇できる野外劇として小野寺修二演出の『嵐が丘』、ルーマニアの演出家シルヴィウ・プルカレーテによる四代目鶴屋南北「桜姫東文章」を原作とする『スカーレット・プリンセス』のジャパンプレミア、そして同じくプルカレーテ演出で佐々木が主演を務める『守銭奴 ザ・マネー・クレイジー』の上演が発表されていた。
『守銭奴 ザ・マネー・クレイジー』は、フランス三大劇作家の一人、モリエールの作品。極度の倹約家である主人公アルパゴンの、あらゆることに金を出し渋る過剰なまでの吝嗇ぶりと強欲さを笑劇的な滑稽さで描く性格喜劇(強欲,臆病,大ボラ吹きなど人間の特定の性格から起る事件を描いた喜劇)。
“ルーマニアの蜷川”と言われるプルカレーテと佐々木は、2017年の『リチャード三世』でもクリエーションを共にしており、その手腕に惚れ込んだ佐々木は「またぜひ次回作を!」と熱望していた。今回、約5年ぶりに念願かなって再タッグを組む。
決定にあたり、佐々木は「プルさんの稽古は、想像をやすやすと超えてくるので、楽しくてとても刺激的です。毎日稽古が終わった後、役者同士でおさらいをしても、翌日には、ゴロっと変わってまたビックりする(笑)。そんな稽古場は、演劇人として刺激的で至福の時間でした。今回も経験したことのない感覚、何が飛び出るかわからない演出が楽しみで、待ち遠しいです。『守銭奴』では、ドケチで欲深い、誰も幸せにしない・・・、とにかくダメなおやじの役を演じます。プルさんは人間の良いも悪いも、残酷で悲惨なものも、美しく儚く魅せる名手です。ご期待ください!」とコメントを寄せた。
そして、『スカーレット・プリンセス』は2018年にルーマニアのシビウ国際演劇祭でワールドプレミア上演された作品。不道徳かつ退廃的な美しさと奇想天外な愛憎ロマンを描いた四代目鶴屋南北の「桜姫東文章」を、プルカレーテが大胆にスペクタクル化し、すぐさまベルギーのブリュッセルに招かれるなど、ヨーロッパでも大きな話題を呼んだ。2020年に日本でも公演が予定されていたが、新型コロナウイルス感染症の影響により中止に。今回、満を持して来日を果たす。
なお、『守銭奴 ザ・マネー・クレイジー』『スカーレット・プリンセス』共に、音楽はヴァシル・シリー、美術はドラゴッシュ・ブハジャールというプルカレーテ組最強チームによるクリエーションで上演される。こちらにも注目だ。
なお、「東京芸術祭 2022」の全演目ラインアップは、本日8月1日(月)に公開予定とのこと。公式サイトにてご確認を。
「東京芸術祭2022」
『スカーレット・プリンセス The Scarlet Princess』
2022年10月8日(土)~10月11日(火) 東京芸術劇場 プレイハウス
【上演台本・演出】シルヴィウ・プルカレーテ
【原作】鶴屋南北「桜姫東文章」
【出演】
ルーマニア国立ラドゥ・スタンカ劇場カンパニー
『守銭奴 ザ・マネー・クレイジー』
2022年11月23日(水・祝)~12月11日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
※宮城・大阪・高知公演あり
【作】モリエール
【翻訳】秋山伸子
【演出】シルヴィウ・プルカレーテ
【出演】
佐々木蔵之介 加治将樹 竹内將人 大西礼芳 天野はな 茂手木桜子 菊池銀河
長谷川朝晴 阿南健治 手塚とおる 壤晴彦