劇作家の別役実氏が、2020年3月3日(火)に、肺炎のため亡くなったことが分かった。享年82。
別役氏は、1937年4月6日生まれ。旧満州(中国東北部)出身。早稲田大学入学後、劇団「自由舞台」に入団。1966年には演出家の鈴木忠志らと早稲田小劇場を結成した。
被爆する男の孤独と不安を描いた『象』(1962年)で注目されたほか、『マッチ売りの少女』『赤い鳥の居る風景』で第13回岸田国士戯曲賞、70歳で発表した『やってきたゴドー』で2007年の紀伊国屋演劇賞個人賞と鶴屋南北戯曲賞をなど、長年に渡り多数の賞を受賞。、カフカやベケットに影響を受けたその作風は、日本における不条理演劇を確立した。
2012年よりパーキンソン症候群を患い、入退院を繰り返していたが、今年1月に体調が悪化。2018年10月に上演された『ああ、それなのに、それなのに』が最後の作品となった。
演劇界に多大な功績を残された別役氏のご冥福を、心よりお祈りいたします。