野口かおる×山岸門人『セイムタイム・ネクストイヤー』舞台写真到着

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野口かおるによる演劇ユニット、カオルノグチ現代演技第二技『セイムタイム ・ネクストイヤー』が2020年2月5日(水)に東京・駅前劇場にて開幕した。

本作は「奥様は魔女」などで知られるアメリカの劇作家バーナード・スレイドが1975年に発表した代表作を、俳優としての活躍のみならず密かにロックバンド「氣志團」の伝説的マネージャーとしても知られる明星真由美が演出に挑むもの。共演は、近年ストレートプレイだけでなくミュージカルに映像にと演技の幅を広げる山岸門人。

以下、初日を迎えた3人からのコメントとオフィシャルレポートをお届けする。

『セイムタイム・ネクストイヤー』舞台写真

◆野口かおる
わたしたちのドリスとジョージの25年の人生が、下北沢駅前劇場内特設コテージでとうとう始まりました。演劇的シズル感たっぷりに、皆様の前にお目にかかれたらと思います。二人の逢瀬を覗きながら、時空を旅したその先に何が訪れるのでしょう?秘密の時間、演劇の魔法、人生の摩訶不思議。このめくるめく男女の物語は、皆様に観ていただいて完成します。皆様、どうぞ劇場へ、ドキドキしにお越しください!

◆山岸門人
今までに感じた事のない気持ちで臨めた初日でした。これが二人芝居、セイムタイム・ネクストイヤーの魔力なんでしょうか。野口かおるさんは駅前劇場を帝国劇場だと仰ってますが、僕にとっては、役者としての始まりの劇場だと思っていて、場当たりの時に駅前劇場の小屋付きさんに「おかえりなさい。」と言われた時、だいぶ涙腺にきました。2月10日まで駆け抜けます!下北沢駅前劇場でお待ちしております。

◆明星真由美(演出)
開演前、3回トイレ行った経験も初めて。
でも、何より、初めて出会えた、美しい光景。
みっちり1ヶ月稽古した内容を超えて、俳優二人が観客の皆様と新たに舞台を作っていく感動の景色。ある演出家が言っていた「俳優の上達は100の稽古より1回の本番だ」てのを思い出す。まさに!でも100稽古したから1が語れるのだしね。後7ステージ。まだまだ稽古・・・したいなぁ。

『セイムタイム・ネクストイヤー』舞台写真

まず駅前劇場に足を踏み入れると、二方向からの客席が中央の舞台を囲む。壁のないシンプルなセットにベッドやソファ、レコードプレイヤーなどの調度品がならび、西海岸のホテルの一室を思わせる。

幕が上がると、ベッドにはシーツにくるまった裸の男女。男(山岸門人)はジョージ。女(野口かおる)はドリス。

『セイムタイム・ネクストイヤー』舞台写真

おたがい毎年同じ時期、同じ週末にそれぞれに理由があり、遠方からこのホテルに泊まりに来るというジョージとドリス。昨晩はひょんなことから意気投合し、そのまま「ワンナイト」の情事に及んだのだった。お互い配偶者がいると明かす二人だが、あまりに気が合い、惹かれ合う二人はある約束をする。これからも毎年一回、ここで会うこと。その後、年を重ねるごとに二人の間にさまざまな危機的状況が訪れるが・・・。

ミュージカル『フィフティシェイズ!』で、爆発するようなエロティックコメディを演じていたのが記憶に新しい野口。冒頭の「うぶ」で世間を知らない、若くて可憐なドリスの演技にまず驚かされる。芝居が進むにつれてその年齢が次々に変化し、声も演技もどんどん落ち着いた、大人のそれに変わっていく。抑制された演技をしてもなお目を惹く、人間力に溢れたドリスだ。

相手役の山岸はそんな野口をしっかりと受け止めた演技。ドリスとジョージの実際のやりとりさながらに、野口との「対決」の流れをクレバーに支えながらも、感情を爆発させるようなシーンでは確実に観客の心を動かしていく。

『セイムタイム・ネクストイヤー』舞台写真

小原敏博の衣装とNorikata Nodaによるメイクとウィッグで、ドリスとジョージの服装やヘアスタイルが次々に変わっていくのも見どころだ。特に、当時のアメリカ人女性の服装を反映した野口の七変化が目にも鮮やかで楽しい。それぞれのシーンで、登場人物の状況やパーソナリティを、身なりからも表現している。

「人生で演出は二回目」という明星真由美の演出が登場人物の心の動きを実に繊細に表現。このメンバーから観客が想像するものを良い意味で裏切る、「上質な大人の物語」が駅前劇場で展開されていた。

カオルノグチ現代演技第二技『セイムタイム ・ネクストイヤー』は2月5日(水)から2月10日(月)まで東京・駅前劇場にて上演。

(取材・文・写真/オフィシャル提供)

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