2020年4月から東京・大阪でHey! Say! JUMP 薮宏太主演で上演されるミュージカル『ジョセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート』(以下『ジョセフ』)。その製作発表会見が1月16日(木)に都内にて行われ、薮のほか、すみれ、シルビア・グラブ、小西遼生、小浦一優(芋洗坂係長)、元木湧(少年忍者/ジャニーズJr.)、村井國夫が登壇した。
本作は、『キャッツ』や『オペラ座の怪人』を生み出した作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバーと『エビータ』『ライオンキング』などの作詞を手掛けたティム・ライスが、まだ学生時代だった頃に初めてタッグを組んで生み出した作品。1982年のトニー賞にノミネートもされた。
旧約聖書「創世記」の「ジョセフの物語」をベースに、波乱に満ちたジョセフの人生が全編楽曲で綴られ、ロックやバラード、シャンソン、カントリー、ロカビリーと、多彩なジャンルの楽曲が演奏される。演出は『ミス・サイゴン』(2014年)演出補、『ゴースト』(2018年)演出などを務めたダレン・ヤップ、上演台本・訳詞は高橋亜子が担当。
主人公ジョセフ役の薮は「アンドリュー・ロイド=ウェバーさんとティム・ライスさんの初めての共同作品、その歴史ある作品の日本版初上演で、ジョセフ役を演じさせていただけることを光栄に思っております」と挨拶し、「日生劇場はジャニーズJr.時代から立たせていただいている舞台で、思い入れの強い劇場です。ジョセフの持つ思いやり、人に夢を与えるたり人の痛みが分かる気持ちを、この作品を通じて伝えたいです」と意気込んだ。
物語の進行を歌で導くナレーター役をWキャストで演じるすみれは「久しぶりのミュージカル出演になりますが、私にとってミュージカルは特別なお仕事です。小さい頃からミュージカルが大好きだったので、ステージに立たせていただくのが楽しみです」と期待。
そのすみれとWキャストとなるシルビアは「ミュージカルを長年やっていても、なかなかロイド=ウェバーの作品に出られることがなく、今回が初めての出演で、それが楽しみの一つでもあります」と喜びを露わにすると、「この作品は子どもから大人まで楽しめる作品です。家族愛や夢を追いかける気持ちなどを、エンターテインメント性を高くしてお届けできると思っています」と見どころを挙げた。
エジプトに辿りついたジョセフが仕える、ファラオ役の小西は「“ファラオ”を演じます小西遼生です」と役名を強調すると、「これをずっと言いたかったんです(笑)」とニッコリ。続けて「王を演じるということは、とてもワクワクしますね。日本人でありながらファラオを演じられるなんて役者ってなんておもしろいんだろうと思います」と述べ、「音楽がとても魅力的な作品ですが、色彩豊かな舞台になる予感がしています。その作品にさらに色を加えられるようなカリスマ性を持つ、人がひれ伏すような王たる王を目指します(笑)」と王を演じることが待ち遠しい様子。
ポティファー役とパン職人役の二役を演じる小浦は「楽しい歌とダンスですごく盛り上がれて、皆さんがパワーや夢を持って帰ることができる作品になると思っています。私のシーンが少しでも癒やしのコーナーになれば」とコメントすると、藪たちからは「もう癒やされた(笑)」と言葉をかけられ、会場も和やかなムードに包まれた。
本格的なミュージカルに初出演となるベンジャミン役の元木は、緊張した面持ちながらも「これから自分がどうなるのか、緊張と期待、自分へのワクワク度が高まって、すごく楽しみにしています。いろいろと先輩方から学べたらと思っています」と語った。
ジョセフの父・ジェイコブ役の村井は、旧約聖書を題材としていることに絡めて「私は浄土真宗でありますので、旧約聖書はよく分かりませんが(笑)」と開口一番笑いを取り、「私は12人の子持ちの役ですから、精力を持ってやっていきたいです(笑)」と終始笑い溢れる挨拶を行った。
全編楽曲で綴られる本作について、まず薮は「全編が歌ということで読む台詞が一つもないので、いかに様々なジャンルの音楽の中で、説得力のある歌を歌わなければいけないかというのが挑戦です。耳なじみの良い曲も多いので、お客様の心にスッと届くような楽曲が多くあります。あとは、僕自身が歌の意味をちゃんと理解した上で、いかにお客様にその楽曲の素晴らしさを伝えられるか。ストーリーの意味を歌に込められるよう、精進していきます」と気を引き締めた。
すみれは「心に響いて、でもすごく楽しくてハッピーで楽しいミュージカルです。現代に合う感じに訳詞を変えていると聞いているので、そこも楽しみですし、すごくノリノリになれると思います」と魅力を挙げた。
シルビアは「この作品が作られた当時、オペラじゃなくて、ポップスの要素を入れた歌で綴るミュージカルというものの先駆けだったと思うので、すごく興味深い作品です。いろんなジャンルを盛り込んでいてエンターテインメント性に長けている作品で、1回聴いただけで、口ずさんで帰れる楽曲が多いのですごく楽しめると思います」。
小西は「軽快で楽しい曲が多い印象です。例えば僕がファラオで歌う曲なんかには、まんまプレスリーじゃん!というような曲がありまして(笑)。遊び心があるミュージカルです。それが日本語になった時にはどうなるのか今からワクワクしています」と胸の内を明かした。
小浦は「楽しい音楽でジャンルがいろいろ違い、ダンスもすごく派手になったりするのではと思っています。曲が変わるたびにジャンルも変わるので、ミュージカル自体の世界観がどんどん変わっていくという、ものすごくバラエティーに富んだいろんなミュージカルを観たように思える作品です」とアピール。
元木は「全編ミュージカルの歌で綴る作品と聞いて、自分に表現できるのかすごく不安なんですけど、でもこれから一生懸命練習して、先輩たちに追いついて頑張りたいと思います」と改めて意気込んだ。
村井は「私の武器は台詞ですので、全編歌というのは不安なんですが・・・(笑)」と冗談を飛ばしながらも、「今回、ロックンロール、シャンソンなどのいろんなジャンルの歌がありまして、皆さんがとても素敵な歌を披露してくれることで音楽が広く楽しめる作品になると思っています」と語った。
会見では、演出のヤップから「日本版『ジョセフ』の演出をすることになり、とても興奮していますし、また光栄に感じています。このミュージカルは私のお気に入りの作品の一つです。12歳の頃、通っていた小学校の公演でジュダを演じましたが、最高でした!我々の2020年版『ジョセフ』は、壮大で愉快なだけでなく、人情溢れるものになり、家族愛や夢を信じることの大切さという強いメッセージを持った作品となることでしょう」というコメントも紹介された。
薮は、ヤップから「お客様がハッピーになり、心の中に家族や友達を思いやる気持ちが芽生えてほしい作品。素晴らしく歴史のある作品だけど、それを気負わずに宏太なりのジョセフをオリジナルとしてがんばってほしい」と言われたそうで、その言葉に「気持ちが楽になりました」と明かした。
最後に、ロンドンで本作を観劇したという薮は「職業柄、客席にどういう人が来ているのかと見渡すことが多いんですけど、眺めていたら年齢層が本当に幅広くて、多くの方から愛されている作品だなと感じました。また、楽曲にはこんなに人の心を動かす力があるんだ、という印象を受けました」と振り返りながら、「作品を生で観たことによって、自分がこの歌を歌うんだなというやる気が、改めてみなぎって来ました」と作品に向かう気持ちを新たにしたようだった。
ミュージカル『ジョセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート』は、以下の日程で上演される。チケットは、1月26日(日)より一般発売開始。
【東京公演】4月7日(火)~4月29日(水・祝) 日生劇場
【大阪公演】5月14日(木)~5月18日(月) オリックス劇場
【公式サイト】https://www.josephthemusical.jp/
【公式Twitter】@josephmusicalJP
(取材・文・撮影/櫻井宏充)