2019年11月15日(金)にハッピーなミュージカル・コメディ『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』が開幕する。11月14日(木)に初日前日会見が東京・東急シアターオーブで行われ、主演を務める森公美子、朝夏まなとが登壇。意気込みや再々演となる今回の楽しみ方などを語った。
本作は、『天使にラブソングを・・・』のタイトルで日本でも大ヒットした映画のミュージカル版。映画で主演を務めたウーピー・ゴールドバーグがミュージカル版を製作したプロデューサーを務めており、2009年にロンドン・パレイディアム劇場で開幕し、2010年にはドイツ・ハンブルグ、2011年にブロードウェイに上陸。トニー賞5部門のノミネートを受けるなどの快挙を達成し、2014年に日本版が帝国劇場で初上演された。2016年にも帝国劇場で再演され、今回は森と共に朝夏が主人公を演じるなど、新たなキャストと東急シアターオーブという新しい地で再々演を迎えた。
2014年の日本版初演から、とある殺人事件を目撃し身を隠すためにカトリック修道院に行くことになった破天荒な黒人クラブ歌手であるデロリスを演じている森。3回目ということで余裕があるかと思いきや、「私、全部ゼロになるんですよね・・・再々演なのにも関わらず思い出せないところもあって(笑)」とまさかの告白。
その理由について「ラグビーワールドカップがあったもので、そっちの応援の方に行っちゃいまして。ここでいうのはちょっと恥ずかしいんですけど、パブリックビューイングに行って声を出し過ぎてしまった時はマネジャーから禁止令が出て・・・(笑)」とこれまた驚きの事実を明かしつつ、「ワールドカップは成功したので、ぜひ『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』も渋谷の地に根付いて成功したいなと思います!」と意気込んでいた。
一方、森と同じくデロリス役を務める朝夏は本作への参加は今回が初めて。朝夏は「私は少し遅れて稽古に参加させていただいたんですけど、初演のキャストの皆さまの出来上がり具合にびっくりして『(自分は)大丈夫だろうか』と不安でいっぱいでした。でも、森さんがタイミングとか全て教えてくださって、そこから『よし、がんばろう』という気持ちになれました」とカンパニーのあたたかさを実感した様子。
そして「皆さん本当に口を揃えて、『いい作品だよ』『楽しいよ』って仰っていて、早くそこに行きたいという気持ちでいたんですけど、ようやくそれが少しずつ実感できるようになってきました。『やっていて楽しいな』『すごいパワーを感じる』というふうになってきたので、徐々に仕上がってきているのかなって」と言うと、森からは「完璧ですよ! 昨日もね完璧だったので、『まぁちゃんパーフェクト!』って」という力強いコメントが。朝夏は「お優しい・・・」とその言葉を噛み締めていた。
“『天使にラブソングを』と言えば森”というイメージが強いが、森は「ありがたいことにウーピー・ゴールドバーグさんの吹替とかもやらせていただいたのでこうやってご縁を頂いているのかなって。昨年のミュージカル『ゴースト』もウーピーさんの役をやらせていただいて、ありがたいと思っております」と語りつつ、「でもやはり手足の長い本当に綺麗な方がおやりになるというのが・・・『本当に同じ踊り?』というくらい仕上がりが違います!」と朝夏のデロリスの仕上がりを絶賛。
さらに、「やっぱり宝塚のスターさんは違いますね、本当に素晴らしい! キメ方も。私はキメる時に動いちゃうので中々決まらないんですけど(笑)。もうね『まぁ様! かっこいい・・・!』って言っちゃいたくなるくらい。一番ファンです、私が!」と力強く主張し、朝夏は「すごいハードル上げるじゃないですか!(笑)」と焦った様子を見せた。
森からの太鼓判をもらっていた朝夏だが、稽古を振り返り「リズムの取り方というか、ゴスペルを本格的にやっていたわけではないので、アラン・メンケンさんの素晴らしい楽曲の音の感じ方が難しかったです」と初めての挑戦に戸惑っていたようだ。そんなアラン・メンケンの楽曲について森は「アフタービートを感じるとか、モータウン系な音楽、宗教曲のような音も入ってきたり、『アラン・メンケンさんって本当にすごいんだな』ってやればやるほど感じました。“歌の力”と言うのを上手に引き出すんですよね」としみじみ語り、朝夏も深く頷いて共感していた。
キュートなピンクに光るペンライトを持っていた2人。そのことについて話を振られると、森が「良いところで振っていただきました!」と朝夏に向き直り、朝夏も「来ましたね!」とペンライトを振りあっていた。そして、森は「これはね、カーテンコールで使うんです。客席も盛り上がりますので、ぜひみなさん・・・お求め頂かないといけないんですけど(笑)。一緒に振っていただければ!」と明かし、朝夏も「みんなで一緒に歌っているところがあるので!」とアピール。
さらに森は「これが楽しいんですよ! 以前、帝国劇場などでやらせていただいたときに2階席がぐぁんぐぁん揺れるくらい皆さんが踊ってくださって、ちょっと心配するくらい会場が揺れたということがありまして。オーブ様はとても立派な構造になっていますので、『いくら踊っても大丈夫!』ということでぜひ思いっきり、私クラスの方も踊っていただきたいと思います(笑)」と呼びかけた。
そして最後に、朝夏が「いよいよ開幕します。私自身もこの作品が大好きです! 素晴らしいキャストの皆さまと一緒に盛り上がりたいと思います。この作品はお客様が入って完成だと思いますので、皆さんぜひぜひシアターオーブにいらしてください!」とコメント。森が「皆さん、『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』を見に来て、どんどん心の栄養を頂いてください! 絶対損することはございません! 沢山あたたかいもの、いいものを持って帰ることができると思うので、ぜひいらしてください!」とアピールし、会見を締めくくった。
ミュージカル『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』は下記の日程で上演。第1幕75分、休憩25分、第2幕80分の計3時間を予定。
【東京公演】2019年11月15日(金)~12月8日(日) 東急シアターオーブ
【富山公演】2019年12月14日(土)~12月15日(日) オーバード・ホール
【静岡公演】2019年12月21日(土)~12月22日(日) 静岡市清水文化会館(マリナート)
【大阪公演】2020年1月2日(木)~1月6日(月) 梅田芸術劇場メインホール
【名古屋公演】2020年1月9日(木)~1月10日(金) 愛知県芸術劇場 大ホール
【福岡公演】2020年1月23日(木)~1月27日(月) 博多座
【長野公演】2020年2月1日(土)~2月2日(日) まつもと市民芸術館
【出演】
森公美子、朝夏まなと、
石井一孝、大澄賢也、今拓哉、春風ひとみ、未来優希、屋比久知奈、泉見洋平、KENTARO、林翔太(ジャニーズJr.)、小野武彦、鳳蘭ほか
【公式サイト】https://www.tohostage.com/sister_act/
(舞台写真提供/東宝演劇部)
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 3号)