木津つばさ、加藤将、山田ジェームス武 meets ミュージカル『アルスラーン戦記』ビジュアル撮影レポート

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2019年9月に初ミュージカル化を果たす『アルスラーン戦記』。上演発表から、続々と個々のキャラクタービジュアルや、動くGIFが公開されてきた。そんな座組の始動前に、俳優たちが初めてキャラクターと出会う「ビジュアル撮影」。今回は、アルスラーン役の木津つばさ、ダリューン役の加藤将、キーヴ役の山田ジェームス武の撮影現場に密着し、その声を聞いた。

「アルスラーン戦記」は、「別冊少年マガジン」(講談社)にて連載中の荒川弘が手掛ける人気漫画で、原作は「銀河英雄伝説」など数々の長編名作を生み出してきた田中芳樹の小説だ。対立するルシタニア王国の侵略により王都を奪われた架空の王国パルスを、王太子アルスラーンたちが奪還するために戦う軌跡を描く。

壮大な歴史ファンタジー作品を「2.5次元ミュージカル」化するにあたり、衣裳やメイクの“リアリティをどこまで追求するか”も重要になってくる。各キャラクターについて、衣裳もメイクも「原作に忠実であることは大前提として、実在して、目の前に生きていたらこうだろうというイメージを大切に」作り込んだという。特に“国”を描く作品の場合、登場人物の衣裳にはその人の暮らす風土や色が出るもの。パルスは架空の国だが「原作では“古代ペルシャ風”をイメージしている」そうで、細部にはその工夫が見られた。ぜひ、実際に舞台上で動く際も、注目してほしい。

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撮影は、主人公・アルスラーン役の木津からスタートした。アルスラーンは、心優しい若き王太子。カメラに向かう木津の表情も柔らかい。初めて衣裳を身にまとい、「胸が踊った」という木津。撮影には「アルスラーンというキャラクターをこれから演じる上での“覚悟”と“挑戦”をテーマに、このミュージカルを最高のものにしたい」と語った。

撮影中、最も意識したことは「芯を持つこと」。物語の軸になるアルスラーンという存在に、自らを重ね合わせながら、しっかりと物語作りに取り組みたいという思いを強く抱いたという。まっすぐに前を見つめながら、何度も短刀を振り下ろす。なお、撮影ではパルスの将軍キシュワードの飼い鷹・アズライールとの共演も。

撮影を終えた木津は「まずは、無事に千秋楽まで誰一人欠けることなく駆け抜けることを大前提に、挑戦に挑戦を重ねながら、稽古を積み重ねていきたいと思いますので、ミュージカル『アルスラーン戦記』の応援をよろしくお願いします!では最後に!『ヤシャスィーン!』」とメッセージをくれた。

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続いては、ギーヴ役の山田の撮影シーンをレポート。「衣裳もメイクもウィッグも忠実すぎて、ただただテンションが上がってしまいました!」と、仕上がったビジュアルに喜びを顕にしていた山田。シリーズきっての人気キャラクターでもあるギーヴを演じることに対しても「愛されている素敵な役を演じさせていただけることが、とにかく嬉しいです!役に負けないように、しっかりと役作りをしていきたいと思います」と語る。

ギーヴといえば、流浪の楽士。剣や弓だけでなく、楽器、さらには女性の扱いも得意とする、万能キャラクターだ。撮影は、トレードマークとも言える琵琶(ウード)や、剣や弓を携えて行われた。その小道具一つ一つの仕上がりにも、山田は驚きと喜びいっぱい。一方で「ギーヴは何でも出来る子ですが、それが今後の課題になるかなと思っています。楽器を持つ時も、剣を振る時も、弓をひく時も、真剣過ぎず、力を入れすぎず。ギーヴとしても、作品としても素敵なものにするために、気楽さを意識したいなと」。撮影では、まだ美人女神官ファランギースと出会うことはなかったが、二人の関係性がどう描かれるかも楽しみだ。

また、2.5次元ミュージカルにする上で「僕らが生身の人間でしか伝えられないものにすることがすごく大事だと思っています。ミュージカルという、新しい形でこの作品をお届けすることで、また原作に戻って触れる方や初めて作品を読む方に、改めて『アルスラーン戦記』が好きだなと思っていただけるようにしたいですね」と先を見据えた。

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最後は、ダリューン役の加藤。普段、ニコニコと人懐っこい表情を見せてくれる加藤だが、カメラの前に立つ姿には圧があった。パルス国の万騎長として、アルスラーンに忠誠を誓い、その支えとなっていく。長い槍を構え、振り下ろし、強い眼差しを向ける加藤からは、また新境地を開く気配がした。

役に決まった時は「ダリューンは、戦場で敵味方関係なく恐れられるほどすごい人なので、演じるプレッシャーもあるんですが、だからこそやりがいがあるなと思っているんです。どうやったら、ダリューンに近づいていけるか。プレッシャーですが、楽しみです。がんばっていきたいと思っております」と、撮影とは打って変わったほがらかな笑顔で意気込む加藤。

剣を扱うアクションは経験を重ねてきたが、槍を持つのは初めて。撮影に臨むに当たり、出演していた舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These』の現場で先輩にどうすればいいか、いろいろ教わってきたそうで「斬る方ばかりを意識しがちですが、左手が重要だと教えていただいたんですよ。槍を持つのはこれが初めてだったんですが、ちゃんと左手を意識できたと・・・先輩のおかげです!でも、すごく腕がプルプルしたので、ダリューンに近づけるように本番までにもっと筋肉をつけたいですね」。

アルスラーンとダリューンの関係性は、作品の軸となる。アルスラーン役の木津は、舞台『刀剣乱舞』慈伝 日日の葉よ散るらむに続いての共演。「アルスラーンは、みんなが当たり前だと思っていることも当たり前にしない、優しい殿下です。ダリューンがアルスラーンのことを大切に思っている関係性も素晴らしいと思います。つばさは、前作の稽古中、1時間くらいで僕のことを理解してくれたみたいなので(笑)。親近感がわきますし、改めて一緒に作品づくりができて嬉しいです」と語った。

漫画やアニメを通して気になるのはナルサスだそうで、「かっこいいナルサスを、秀ちゃん(斉藤秀翼)がどう演じるのか楽しみなんですよ。秀ちゃん自身、役者としても素敵な方なので、早く演じている姿を見たいです」と心躍らせる。

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また、加藤は「漫画やアニメになっていても、原作に小説がある場合は絶対に読むタイプ」だそう。「小説には、匂いとか、瞳の色とか、想像以上のことが文字として書いてあるんですよ。田中芳樹先生の作品は、『銀河英雄伝説』もやらせていただいたんですが、本当にすごいんです!台詞よりも情景説明が多いぐらい、いろいろなことが書かれているんです」と力説。

「普段、そこまで本を読むタイプではないので最初は大変だと思っていたんですけど、読んでいるうちにどんどん楽しくなって。例えると、小説は攻略本なんじゃないかなと。そこに書いてあることが、きっとお芝居の正解。それが頭に入っていると役の土台が自分の中にできるので、どんな表現方法でも演じられると思うんです。小説の中に描かれているダリューン像をしっかりと頭に入れた上で、こういう表現もあるんだって思ってもらえる表現を考えて、しっかり準備をして稽古に入っていきたいと思います!」と力強く意気込んだ。

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ダリューンというキャラクターには「本を読んでいて、ダリューンかっこいいなと思う人、多いと思うんですよ。ダリューンを演じられると1,000人が言われたら、きっと957人くらいがやりたいと思うんです、僕の感性では!」と愛着を見せ、「そういう人たちにも認めてもらえるようなダリューンを魂込めて演じたいですし、つばさが演じる殿下をしっかり支えていきたいと思います。劇場でお待ちしています!」と呼びかけていた。

作品に向けた意気込みを聞かせてくれた3人。彼らが舞台で動き出す日が、待ち遠しい。

ミュージカル『アルスラーン戦記』は、以下の日程で上演される。

【大阪公演】9月5日(木)~9月8日(日) COOL JAPAN PARK OSAKA
【東京公演】9月11日(水)~9月16日(月・祝) シアター1010

【公式HP】https://arslan-stage.jp
【公式Twitter】@arslan_stage

(C)荒川弘・田中芳樹・講談社/エイベックスピクチャーズ

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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