2020年1月に東京・駅前劇場にて、EPOCH MAN(エポックマン)新春ひとり芝居『鶴かもしれない2020』が上演される。そのメインビジュアルと共に、今作品の作・演出・美術・出演を担う小沢道成からのコメントも到着。
EPOCH MANは、鴻上尚史が主宰する虚構の劇団所属の俳優、小沢が作・演出を手がける個人演劇ユニット。本作は、鶴のお伽話を現代の東京に置き換えた物語で、3台のラジカセと10着の着物を使って、小沢が一人、舞台に立つ。初演は2014年、2016年に再演されており、今回で3度目の上演となる。
【あらすじ】
東京の繁華街の真ん中で泣き崩れたひとりの女。
通りかかった心優しい若者が「大丈夫ですか」と声をかける。
ある日、若者のもとに感謝を伝えにその女がやってくる。
女は、「あなたの為ならなんでもします」と若者に告げる。
二つの物語が交差する時、“鶴かもしれない女”の機を織る音が鳴り響く――。
小沢が仕掛けるのは“演劇を遊ぶ心”。本作は、ラジカセから聞こえる声との対話により進行していく。少しでもタイミングを間違えれば会話が成立しなくなるというリスキーさを逆手に、緊張感を増すことで笑いも生まれるという、一人芝居では珍しい手法の演出を取り入れている。さらに、舞台美術も刷新するという。
以下、小沢のコメント全文を紹介。
◆小沢道成
この『鶴かもしれない』という作品は、ラジカセ3台と10着の着物を使って2014年に小さなギャラリーで(実験的に)公演を行いました。
対話の相手がノンストップで進んでいくラジカセなもので、そんな状況で物語も感情も途切れずに演劇として成立するのか試してみたのですが、舞台上もそして観客席も経験したことのない緊張感と高揚感が充満していて、これはいつか劇場でもやりたいと思っていました。2016年にOFF・OFFシアターでの公演が実現し、劇場用に舞台美術を加え、より耳でも目でも楽しめるものを目指したのですが、その時に隣の駅前劇場ならこんな美術や演出も面白いなと密かに思っていたのです。
しかし、なんと言っても一人芝居を上演するには観客席の数といい劇場の広さといい想像するだけで、ぞっとしてしまう程の不安と恐怖も同時に湧いていました。
そして4年後です。なんともキリのいい数字である2020年、舞台美術も衣裳も新たに構想し、あの時に感じたぞっとした想いを抱きつつも、あの時では思いつかなかった、やりたくても出来なかったある演出を実現してみようと思います。
誰もが知っている鶴のお伽話を、2020年、この現代の東京を舞台に繰り広げます。
駅前劇場版新演出での一人舞台、新しい年の幕開け、自分の可能性を信じてがんばってみます。
EPOCH MAN『鶴かもしれない2020』は、2020年1月9日(木)から1月13日(月・祝)まで東京・駅前劇場にて上演される。チケットは、11月23日(土)10:00より一般発売開始。
なお、公式サイトにて11月2日(土)10:00から11月9日(土)23:59までネット先行発売も実施。
また小沢は、8月7日(水)から8月12日(月・祝)まで、柿喰う客の田中穂先と共に新作二人芝居『夢ぞろぞろ』を東京・シアター711(下北沢)に出演。こちらも合わせてチェックを。
【公式サイト】http://epochman.com/
【公式Twitter】@MichinariOzawa