2019年4月6日(土)に東京・Bunkamura オーチャードホールにて、PARCO presents HOFESH SHECHTOR’S『ポリティカル・マザー ザ・コレオグラファーズ・カット』が開幕した。本作は、2016年トニー賞最優秀振付賞にもノミネートされたホフェッシュ・シェクター率いるダンスカンパニーの日本初公演(2010年に初期版である『ポリティカル・マザー』の公演が埼玉と山口で行われている)。
世界ツアーを行う中、各国のアーティストたちとコラボレーションを成功させてきた本作。日本では、主人公役にKAT-TUNの上田竜也、ミュージシャンとして元BLANKEY JET CITYの中村達也(ドラム)、HEA、LOSALIOSなど自身のバンドのほか、数々の著名ミュージシャンのサポートとしても活躍するTOKIE(ベース)が参加。なお、開催国からの参加アーティストが主役を務めるのはこれが初となる。
初日前は、2場面を抜粋したフォトコールと囲み会見が行われ、振付・音楽を手掛けたホフェッシュ・シェクター、上田、中村、TOKIEが登壇し、初日を迎える心境を語った。以下、各自のコメントを紹介。
◆ホフェッシュ・シェクター(振付・音楽)
作品テーマについて語るのはあまり好まないのですが、この作品はエネルギーに満ちていて、背景としては政治的なことがあり、たくさんの抑圧された人々がヘビーメタルやその他の音楽、政治家にリーダーを求めたり、もしくは完全に政治に押しつぶされてしまったりといったことがあります。それらを演劇的に感じてくれたらと思います。
今回参加してくれた日本人アーティストの3名は、会ってすぐ大好きになりました。上田さんはトータルで素晴らしいパフォーマーだと思いますし、エネルギッシュで破壊的なところも素晴らしく演じてくれています。中村さんも力強く素晴らしいグルーブの音を出してくれますし、TOKIEさんのグルーブも素晴らしく、こうした優れたアーティストの皆さんがこの作品に時間を割いてくれたことを大変感謝しています。
◆上田竜也
(オファーを受けて)率直に自分を必要としてくれたことが嬉しかったですし、要望でもなんでも、期待されたことを実現したいと思いました。シェクターさんからは自由にやってほしいと言われていました。好きに暴れてくれ、と。僕は人々を先導するような役回りで、いろいろなキャラクターを演じるのですが、唯一政治家(?)らしいキャラクターの時は胸を張って、直立して、などと指導は受けましたね(笑)。観客の皆さんがいらしてから、感じてもらえないことには作品が成立しませんので、黙って観ているというよりも、作品のエネルギーを感じて、動きたくなれば動いてもらえるような伝わり方をしてほしいし、そのつもりで劇場に足を運んでもらえたら、それに応えるようがんばりたいと思います。
◆中村達也
今はとにかく緊張しています(笑)。作品資料として初めに映像を見せてもらって、音楽だったりダンスだったりビートだったりを強調していて、言葉は何語だか分からないですし、でも、こうしたダンスとか音楽とか、絵を描いたりもそうですけれど、それらは言語以前に人間の体の中から出てきたものだと思っていて、今回のオファーがあった時には、なんだかそれらに呼ばれた気がしました。
◆TOKIE
このパワフルで壮大な作品に呼ばれて、本当に嬉しかったです。ここしばらくの間リハーサルを繰り返して、自分なりにいろいろ考えてきたので、あとは純粋に、本番を思い切って楽しもうと思っています。
PARCO presents HOFESH SHECHTER’S『ポリティカル・マザー ザ・コレオグラファーズ・カット』は、4月11日(木)まで東京・Bunkamura オーチャードホールにて上演。上演時間は約75分を予定。
(写真/オフィシャル提供)