2019年3月2日(土)に東京・東京グローブ座にて、KAT-TUNの中丸雄一によるセルフプロデュース公演『中丸君の楽しい時間3』が開幕した。2月19日(火)から2月23日(土)にかけて行われた大阪公演を踏まえた東京公演初日前には公開ゲネプロと囲み会見が行われ、中丸から演出へのこだわりや見どころなどが語られた。
2008年の第1弾、2017年の第2弾に続いて、約1年半ぶりとなるソロアクトライブ。第1弾を経てから第2弾が上演されるまで長い年月を挟んだが、中丸は「今回は短いスパンで実現できたことが嬉しいです」と安堵の表情を浮かべる。2の公演中から「ぼんやりと次の構想は浮かんでいた」のだという。
一番の見どころを問われると「影絵」のコーナーを挙げ、「ジャニーズのショーは最新のテクノロジーをうまく使って魅せるものだと思っているので。アイデア出しまではスムーズに進んだんですが、実際にやってみるとうまくできず・・・細かいところを調整しながら作っていくのが大変でした」と苦労を明かした。
今回、テレビのバラエティ番組の企画がきっかけとなった「B-1グランプリ」のコーナーでは“ブラホック外し”の自己記録にも挑戦。中丸は「やりたいことを詰め込んだ舞台ですが、これについては僕の意思ではないです(笑)」とやんわり否定しつつ、「ブラだと考えると緊張感が出てしまうから、これはただの金具だと。くの字型の金具をただ外すだけの作業だと思いながら、2本の指で布を浮かせて外すという2ステップを繰り返しています(笑)」とコツを語って笑いを誘った。
構成・演出をすべて中丸自身が手掛ける約90分間のステージは、得意のヒューマンビートボックスからスタート。映像とエレクトロミュージックが融合したオープニングの演出から、中丸らしさが存分に発揮されていた。
「目覚めの時間 ~中丸雄一のリアルな朝あるある~」では、思わずあるある!と頷きたくなる日常ネタから、クスリと笑えるジャニーズネタまでを挟みつつ、中丸の朝の過ごし方を再現。ぎっちり詰まった一日のスケジュールを中丸が次々にこなしていくという流れだ。
会見でも話題になった「B-1グランプリ」もこのスケジュールに組み込まれており、中丸は公演のたび自己新記録に挑む。ルールは、1分間でいくつのブラホックがいくつ外せるか。軽快な指さばきで着実にブラホックを外していく姿はなかなかシュールであるが、中丸の表情は真剣そのもの。
また、中丸イチオシの「影絵」はプロジェクションマッピングを駆使したパフォーマンスで、一言で表すならば“スタイリッシュ”。映像、光、音楽のどれか一つでも欠けると成り立たず、綿密に計算され尽くした演出に中丸の動きがぴたりと重なる瞬間は圧巻。ゲネプロ後、中丸は、「メディア的にはB-1グランプリに注目が集まってしまうと思いますが(笑)。影絵のコーナーの方ががんばって作りました!」とアピールしていたが、その言葉の通り隅々まで魅入ってしまうエンターテイメントショーに仕上がっている。
ほかにも自身が出演している情報番組を彷彿とさせるコントや、KAT-TUNの曲を遊び心たっぷりにアレンジした楽曲遊び、大喜利アテレコなどの7つのコーナーに“今やりたいこと”を凝縮。観客との質疑応答やプレゼント抽選会もあり、ファンとの距離感を意識した企画が用意されているところにも中丸の優しさを感じることができた。
ヒューマンビートボックスや音楽、ダンス、ユーモアなど、多才な中丸の魅力がぎゅっと詰まった“楽しい時間”を存分に堪能してほしい。
『中丸君の楽しい時間3』は、3月24日(日)まで東京・東京グローブ座にて上演。
【公式HP】https://www.tanoshii-jikan.com/
(取材・文・撮影/堀江有希)