2時間サスペンスへのオマージュたっぷり!東根作寿英らが贈る極上コメディ『Boss&Police』開幕

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2019年1月9日(水)に東京・CBGKシブゲキ!!にて舞台『Boss&Police ~ガケデカ後藤誠一郎~』が開幕した。初日前には公開ゲネプロと囲み会見が行われ、主演の東根作寿英が登壇した。

東根作は2018年に芸歴30周年を迎えたベテラン俳優。これまで出演したドラマは175本以上となり、その活動のメインの場所をテレビドラマにおいてきた。中でも、いわゆる「2時間サスペンス」には数多く出演。これまで、殺し、殺され、疑い、疑われた経験は数知れない。

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本作は、その東根作の俳優生活30周年記念した公演で、東根作同様、これまで数々のサスペンスドラマで殺し、殺され・・・の経験をもつ俳優と、彼らに翻弄される若者たちで綴る極上のサスペンスコメディ。脚本を福島カツシゲ、演出を大歳倫弘(ヨーロッパ企画)が務めている。

初日を迎え、東根作は「舞台自体の経験がある方ではなく、主演というのはなおさらなのですが、今は、責任の重さを心地良く楽しんでいる状況です。これが舞台作りなんだなと実感しています」と挨拶。

役者生活30年を振り返り、「一つ言えるのは30年やってこられたことへの感謝です。いろんな人に支えていただきました」と感謝を述べ、「お客様に向けて楽しいもの提供しようという気持ちと共に、感謝の思いを舞台上から発信できないかと考えながら、今日までやってきました」と本作へかける思いを語った。

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物語は、東根作が演じるダメな刑事“ダメデカ”の後藤誠一郎が、闇組織のボスである大久保龍之介を逮捕したことで始まる。ダメデカに逮捕されるという大失態にメンツが丸つぶれの大久保は、後藤に「壮絶な逮捕劇を繰り広げた敏腕刑事」になってもらうしかなかった。闇組織のボスと平凡なポリス、後輩の頭の固いマジメポリスも加わり、後藤は敏腕の階段ならぬ、敏腕の崖を上り詰めて“ガケデカ”となっていくのだが・・・。

本作の見どころについて、東根作は「犯罪者が師匠になってダメ刑事が成長していくというちょっと不条理な師弟愛」と挙げ、「僕は2時間サスペンスドラマを主戦場にやってきたので、おのずと刑事役が多くなってきました。今回も刑事役なので、立ち振る舞いとか、台詞回しは2時間ドラマの現場でやってきた部分もあります。今回の内容も、2時間サスペンスのオマージュになっています。2時間サスペンスで育った僕とのリンクも楽しんでください」とアピールした。

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出演は東根作のほかに、闇組織のボス・大久保を演じるモロ師岡、後藤の相棒刑事役に松岡広大、さらに警察役から容疑者など複数の役を兼ねる松島庄汰、溝口琢矢、小林博と、若手からベテランまで幅広い芸達者な役者が名を連ねている。

その座組について、東根作は「まず、僕の30周年の記念舞台に集まってくれたことに感謝しています。すごく和気あいあいとやっていまして、モロさんを中心にそのアットホームな感じの座組です」とコメント。松岡、松島、溝口ら3人の若手に対しては「舞台の経験は僕よりたくさんある子たちなので、頼りっぱなしです(笑)。いろいろと教えてもらいました」と笑顔を見せた。

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2時間サスペンスドラマ好きな闇組織のボスにより、平凡なダメデカが“2時間でガケデカ”へと変貌するストーリー。モロの怪演ぶりと、それに振り回される東根作、そしてガケデカへと成長した後藤の“2時間”な捜査に混乱する松尾ら。「2時間サスペンス」へのオマージュたっぷりのストーリーとギャグに思わず「あるある」とうなずきながら楽しませてくれる。

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また本公演では、1994年から1998年まで東根作の出演情報や近況報告を綴っていた「んーっとね新聞」が復刻され、劇場で配布される。そこには所属事務所アミューズで同期の福山雅治からの応援メッセージも寄せられており、東根作は「いろいろと相談に乗ってくれて、遠い背中ですけど、彼の背中を見てがんばってきました。彼のコメントが、涙が出るくらい嬉しかった」と胸の内を明かした。

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大晦日の稽古終わりにプロデューサー二人から発破を掛けられたという東根作は「初めての恐ろしい大晦日と年明けを迎えました(笑)」とはにかむ。映画『マスカレードホテル』の公開も控えている今年の抱負として「30周年イヤーも終わるので、普通の年になるかと・・・」と笑いを誘いながらも、「出会いから、いろんな人の力を借りて、一歩でも二歩でも前に進める1年にしようと思います」と意気込んだ。

「2時間サスペンス」なコメディとサスペンスが見事に融合し、東根作の人柄の良さがにじみ出た優しい笑顔と立ち振る舞いに、観ている側も自然と笑顔にさせられる舞台だ。

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舞台『Boss&Police ~ガケデカ後藤誠一郎~』は1月9日(水)から1月13日(日)まで東京・CBGKシブゲキ!!にて上演。

(取材・文・撮影/櫻井宏充)

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この記事を書いた人

演劇、海外ドラマ、映画、音楽などをマルチに扱うエンタメライター。エンタステージ立ち上げからライターとして参加し、小劇場から大劇場のストレートプレイにミュージカル、2.5次元、海外戯曲など幅広いジャンルにおいて演劇作品の魅力を日々お伝えしています!

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