「英国ローレンス・オリヴィエ賞」を3部門受賞するなど、世界的に高い評価を得て大きな話題を呼んだミュージカル『TOP HAT』の日本人キャスト版が、2018年11月5日(月)に開幕した。初日前には囲み会見が行われ、主演を務める坂本昌行(V6)のほか、多部未華子、屋良朝幸、朝海ひかる、益岡徹、浅野和之が登壇し、公演への意気込みを語った。
本作は、往年のハリウッド・ミュージカル映画を代表するフレッド・アステア&ジンジャー・ロジャースが主演した映画を原作に、2011年に英国で生まれた作品。映画の魅力はそのままに、ダンスや音楽、躍動感あふれるステージで、英国では約1年半のロングラン公演となるなど、大ヒットを記録した。
ミュージカルスター・ジェリー役の坂本は、開幕を目前に控え「ドキドキもありますが、演じられる喜びが上回っています」と心境を語る。そして、2015年の英国キャストによるロンドン版を観劇したことを明かし、「おしゃれな作品だと思いました。それに、キャストの皆さん一人ひとりが放つパワー、作品を愛して楽しんでいる思いが伝わってきたので、僕たちも、観にきてくださったお客様に伝えていけたらと思います」と意気込んだ。
一方、ジェリーと恋に落ちるデイル役を演じる多部は、本作がミュージカル初挑戦。「キャスト全員、オーケストラ全員で楽しめたらいいなと思います」と笑顔を見せるも、初めてのミュージカルに「タップはかなり特訓しました。歌も、踊りも。それが、どうお客様の前でお披露目できるか、自分でも未知の世界ですが・・・」と緊張気味の様子。
そんな多部を、坂本は「本当に初めてなのかと思うぐらいの出来です」と賞賛し、「何と言っても線が綺麗なので、(ペアダンスでは)どうやったら美しくなるかなと考えながらリードしています」と太鼓判を押す。坂本の言葉に屋良も「(ダンス初心者には)思えないです。タップダンスは僕も経験ありますが、すぐにできるようにはならないんです。稽古場で見せていただいて、びっくりしました」と多部のダンスを絶賛していた。
さらに本作の見どころについて、坂本は「タップシーン、ペアダンスももちろんですが、衣装も非常に素晴らしい」と話すと、多部も「衣装は私たち以外のアンサンブルの方たちも華やかで豪華。私もこれを着る以上は素敵なパフォーマンスをしたいと思います」と力を込めた。
本作ではさまざまな衣装を着用し、七変化を見せる浅野も「日本人と感性が全然違って、おもしろいですね。デザインも(日本人の考えるものとは)違って、細かいところまで行き届いています」とコメントを寄せた。
また、益岡と朝海は夫婦役で出演。ホレス役の益岡が妻・マッジに殴られ、顔に大きなアザを作って登場するシーンについて、益岡は「僕はすごく愛しているんですけど、マッジがね」とお茶目に笑う。それを受けて朝海は「愛してるますよ」と反論。アザのシーンは「殴るシーンは、残念ながらないんですが、指輪をゴツゴツとつけて殴る(という設定)なので、想像して楽しんでいただけたらいいなと思います(笑)」と呼びかけた。
本作が、約20年ぶりの共演になるという坂本と屋良。当時を覚えていないという坂本だが、「久々に会ったら、ジャニーズJr.という枠から抜けて、一人の役者としてがんばっていて。今回のお稽古でも『どうですか?』って聞いてくれたんですけど、アドバイスすることもない。しっかりと地に足が着いていますね」と屋良を評し、「この作品の中で大爆笑がとれるのは屋良だけ。今回の見どころは、屋良です」とニヤリ。これに対し、屋良は「やめてくださいよ!そういうプレッシャーは・・・(笑)」と慌てた様子を見せ、会場を沸かせた。
ミュージカル『TOP HAT』は、11月25日(日)まで東京・東急シアターオーブにて、12月1日(土)から12月5日(水)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールで上演。
(取材・文・撮影/嶋田真己)