2018年10月3日(水)に東京・東急シアターオーブにて、マシュー・ボーンの『シンデレラ』が開幕した。本作は、イギリスの振付家・演出家マシュー・ボーンが、「シンデレラ」の物語を、セルゲイ・プロコフィエフの楽曲に着想を得て、現代的でリアルに仕上げたバレエ作品。マシューが率いるダンスカンパニー「ニュー・アドベンチャーズ」の作品の中でも根強い人気を誇る傑作であり、初来日公演となる。
マシューは、プロコフィエフの名曲「シンデレラ」が第二次世界大戦中に作曲されたことから、物語の舞台を戦時下のロンドンに設定。シンデレラは自らの意思で行動する強い女性に、王子は戦争で傷を負いPTSDに苦しむ空軍パイロットに置き換えられている。
【あらすじ】
舞台は第二次世界大戦下のロンドン。シンデレラは継母やいじわるな姉妹・兄弟たち、車椅子の父親と暮らしている。継母からいじめられ、地味で冴えないシンデレラは、ある日ケガを負ったパイロットと出会う。二人は一瞬で別れるが、妄想の世界の中で彼女の理想的な恋人となる。
そこへエンジェルがやってきて彼女に寄り添い、ことある毎に彼女の助けとなる。継母と家族たちが着飾って出かけるのはお城のパーティではなく、ダンスホール。当時ウェストエンドに実在した「カフェ・ド・パリ」という有名なホールが舞台となっている。かぼちゃの馬車ならぬモーターバイクで、エンジェルがシンデレラをダンスパーティへと連れていく。
ダンスホールで再会を果たしたシンデレラとパイロット。官能的で幸せな時間もつかの間、12時の鐘が響く中、空襲が二人を襲いシンデレラは元の姿に戻って爆弾に倒れてしまう。シンデレラは病院に運ばれ、二人は再び離れ離れに。
シンデレラが残して行った片方の靴を手に、パイロットのシンデレラを探す旅がはじまる―。
開幕にあたり、マシュー・ボーンよりコメントが届いている。
◆マシュー・ボーン
予期せぬことが起きるのにご期待ください!
お馴染みのおとぎ話を新しい視点から、壮麗な作品としてお届けすることを保証します。新たな発見があるはず。観ながら笑ったり泣いたりするでしょう。なぜなら、私の作品は誰もが知っている言語で描かれているからです。その言語とは「ダンス」。世界共通語であり、誰にでも分かります。
また、2019年7月にスワン役を全員男性が演じるマシューのヒット作『白鳥の湖〜スワン・レイク~』が東京・Bunkamuraオーチャードホールで上演されることが決定した。耽美かつエネルギッシュな男性スワンたちが舞い踊る現代的な演出で、イギリスで最も栄誉あるオリヴィエ賞において、ニュー・ダンス・プロダクション部門最優秀賞を受賞。日本でもこれまでに4度の公演が行われてきたが、今回は新演出での上演となる。
マシュー・ボーンの『シンデレラ』は、10月14日(日)まで東京・東急シアターオーブにて上演。