ニューヨーク・タイムズ「年間ベストブック10冊」(2005年)や、世界幻想文学大賞(2006年)に選ばれた村上春樹の傑作長編小説を蜷川幸雄が演出し注目を集めた舞台『海辺のカフカ』。このほど、2012年に初演された同作の東京公演が決定した。
舞台『海辺のカフカ』はフランスからの熱烈なオファーを受け、日仏友好160年を記念し開催される日本文化の祭典「ジャポニスム2018」を締めくくる演目として2019年2月フランス・国立コリーヌ劇場で上演される。それに伴い、5月には約5年ぶりとなる東京での凱旋公演が行われることとなった。
出演者には前回も出演していた古畑新之、柿澤勇人、高橋努、鳥山昌克、木場勝己といった顔ぶれに加え、新たに寺島しのぶ、岡本健一、木南晴夏らが加わった。上演に先駆け、寺島、岡本からコメントが届いている。
◆寺島しのぶ(佐伯/少女役)
文化に対する目が肥えていらっしゃるフランスの方々に日本文化がどう受け入れられるか楽しみです。渾身の力を込めた舞台でフランスのお客様をあっと言わせたいです。
◆岡本健一(大島役)
登場人物が年齢や性別、人種を超えた、ただの生き物として様々な時空間を脳内から果てしなく広がる宇宙まで、善と悪、生と死、我々現代人に起こり得る不可解な出来事を残酷で衝撃的な、大きな愛の曖昧な境界線の狭間を描くこの作品を、幸運にも選ばれた私は舞台という生の世界を、精神と肉体を極限まで使ってお届けします!
舞台『海辺のカフカ』はフランス・国立コリーヌ劇場にて2019年2月15日(金)から2月23日(土)まで、2019年5月に東京・TBS赤坂ACTシアターにて上演される。
【あらすじ】
主人公の「僕」は、自分の分身ともいえるカラスに導かれて「世界で最もタフな15歳になる」ことを決意し、15歳の誕生日に父親と共に過ごした家を出る。そして四国で身を寄せた甲村図書館で、司書を務める大島や幼い頃に自分を置いて家を出た母と思われる女性(佐伯)に巡り合い、父親にかけられた“呪い”に向き合うことになる。一方、東京に住む、猫と会話のできる不思議な老人ナカタさんは、近所の迷い猫の捜索を引き受けたことがきっかけで、星野が運転する長距離トラックに乗って四国に向かうことになる。それぞれの物語は、いつしか次第にシンクロし・・・。