2018年3月24日（土）に東京・日本青年館ホールにて、ミュージカル『刀剣乱舞』～結びの響、始まりの音～が開幕した。本作は、名だたる刀剣が戦士の姿となった“刀剣男士”を収集・育成するゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」を原案としたミュージカルシリーズの5作目。初日前には、公開ゲネプロと囲み会見が行われ、出演する鳥越裕貴、有澤樟太郎、田村心、阪本奨悟、伊万里有、丘山晴己、そして、演出を手がけた茅野イサムが登壇した。
今回の新作では、第2弾の「幕末天狼傳」で共に戦った大和守安定、和泉守兼定、堀川国広、長曽祢虎徹の4振りに加え、陸奥守吉行と巴形薙刀が加わり、新たな戦いに向かう。
囲み会見で、大和守安定役を演じる鳥越は「今までいろんな歴史上の人物と刀剣男士たちによって『刀剣乱舞』の世界観を掘り下げてきましたが、今回は、より深く深く掘り下げた作品になっております。『刀剣乱舞』の見方が変わるのではないかと思っています。楽しみにしていてください」と挨拶。
和泉守兼定役の有澤は「稽古で大事に作り上げてきたものを見ていただけるということで、楽しみで嬉しい気持ちでいっぱいです」と初日を迎える心境を明かし、「色気やかっこよさ、不器用さ、泥くささと、男の魅力がたっぷり詰まった作品になっているので、そこにも注目してもらいたいです」と見どころを語った。
また、本作から堀川国広役を務める阪本は「夢のような舞台に参加できていることに、まだまだ実感が湧いてきていませんが、しっかり気を引き締め、素敵な作品になるよう全力を尽くしたいと思います」、陸奥守吉行役で刀ミュ初出演となる田村は「憧れの作品だったので、出演できることが夢のようでとても嬉しく思います。明るく元気にがんばっていきたいと思います」とコメント。
同じく初参加の巴形薙刀役の丘山は「この作品にとても興味があったので、出演できてvery happyです！このためにアメリカから帰ってきたんじゃないかというぐらい（笑）。気合いも入っています。皆さんに楽しんでもらえるようがんばりますので、よろしくお願いいたします」と意気込んだ。
そして、長曽祢虎徹役の伊万里は「前回の『幕末天狼傳』では、長曽祢虎徹や大和守安定が主の死を経験し、いろんな思いを抱えてがんばっていきました。新しい刀剣男士との関係や立ち位置が、ファンの方々は気になっていると思いますが、ミュージカル『刀剣乱舞』史上、類を見ない“革命“が起きていると思うので、楽しみにしていただけたら」とシリーズの革新的な取り組みをにおわせた。
さらに、トライアル公演からシリーズ通して演出を務める茅野は「ここまで踏み込んじゃうの？と驚いていただけると思います」と自信をのぞかせる。さらに、「結びの響、始まりの音」というタイトルに触れ、「この作品を持って、“一つの結び“を迎え、これから先に繋がっていく“始まりの作品“になっていくだろうと、作りながら実感を持ちました」と熱い想いをのぞかせた。
（以下、かんたんなあらすじを掲載しています）
某年某月某日、審神者（さにわ）から新たな出陣の命が下る。出陣先は、時代の終わりが目前に迫った大政奉還後。近藤勇、沖田総司らが壮絶な死を遂げた後、土方歳三はどう生きるべきか、どう死ぬべきかを考えながらも、新撰組の生き残り隊士たちを束ね、新政府軍との戦いを続けていた。そこに出陣した大和守安定、和泉守兼定、陸奥守吉行、堀川国広、長曽祢虎徹、巴形薙刀の前に、時間遡行軍が現れる。敵の狙いは―。
シリーズ4作目の「つわものどもがゆめのあと」では、“刀剣男士の存在”という大きなテーマに挑み、反響を集めたことが印象深かったが、本作では、さらに本シリーズの根底に関わるような衝撃的な解釈が提示される。
鳥越、有澤、伊万里が初めて刀剣男士として出演した「幕末天狼傳」は、気づけはもう1年半も前のこと。物語が深まっていくのと同じように、自らの血肉を分け合ってキャラクターを掘り下げているのが感じられた。一回りもふた回りも成長した姿を見せ、悩み苦しみ、「モノ」から「人」の姿を得た刀剣男士の心情を丁寧に演じ、物語に厚みを生む。
これが約8年ぶりの舞台出演となる坂本も、抜群の存在感を示した。久しぶりであることをまったく感じさせず、本作からの参加であることも忘れるほど。中でも、有澤と共に、かつての主を見守る姿は必見だ。
また、新刀剣男士を演じる田村と丘山のポテンシャルの高さにも注目。田村は豪快さと掴みどころのなさを同居させる陸奥守吉行を、丘山はほかの刀剣男士とは違う背景を持つ巴形薙刀を、それぞれの登場する意味をしっかりと体現。さらに、歌やダンス、殺陣でも魅了した。
さらに「幕末天狼傳」に続き、高木トモユキが見せる土方像が熱い。新撰組の鬼の副長と呼ばれた男の生き様を、島田魁（辰巳智秋）、中島登（新原武）と共に「刀ミュ」の世界に刻み込む。そして、榎本武揚を演じる藤田玲の存在が、新しい風を吹かせていた。
モノが語るモノガタリとして、新しい挑戦を続ける刀ミュ。今また、一つ時代が動く気配を感じた。ご観劇の際は、ぜひハンカチやタオルを忘れずに。
ミュージカル『刀剣乱舞』～結びの響、始まりの音～は、3月24日（土）から4月1日（日）まで東京・日本青年館ホールにて上演。その後、大阪公演、東京凱旋公演を行う。日程の詳細は、以下のとおり。
【東京公演】3月24日（土）～4月1日（日） 日本青年館ホール
【大阪公演】4月8日（日）～4月15日（日)） 梅田芸術劇場 メインホール
【東京凱旋公演】4月20日（金）～5月6日（日） TOKYO DOME CITY HALL
大千秋楽となる5月6日（日）18：30公演では、全国の映画館にてライブ・ビューイングが行われる。映画館だけでしか見られない特典映像の上映も。合わせて、同公演ではLIVE配信も決定している。こちらの詳細は、後日発表とのこと。
なお、本作のBlu-ray&DVDの発売も決定。劇場および公式通販サイトにて予約受付中。詳細は、以下のとおり。
◆ミュージカル『刀剣乱舞』～結びの響、始まりの音～Blu-ray＆DVD
【発売時期】2018年予定
【価格】Blu-ray：8,500円＋税、DVD：7,500＋税
【仕様】本編＋特典映像
※会場予約特典・通販予約特典あり
(C)ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会
（取材・文・撮影／嶋田真己、エンタステージ編集部）
