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乃木坂46の3期生全員が出演する『見殺し姫』が、2017年10月6日(金)に東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて開幕した。脚本と演出は、独特な作風とダイナミックな演出で評判の高い劇団カムカムミニキーナの主宰、松村武。最年少13歳のメンバーを含む3期生の脇を、藤木孝とかとうかず子らが固め、完全オリジナルの演劇を作り上げる。
【あらすじ】
舞台は平安末期。都の外れには、誰も立ち入ることが許されない塀に囲まれた屋敷に12人の若き姫たちが暮らしていた。彼女たちは都に集められた各地の豪族の人質であるが、幼い頃からその環境で育った本人たちは、その事情を分かっていない。
この屋敷には時折“おとど”と呼ばれる女主人が訪ねてくる。彼女は時の権力者であり、姫たちを人質として都に幽閉している張本人である。しかし彼女たちは、そんなおとどの正体を知らず、彼女を実の母親のように懐いている。
ある日、おとどは病に倒れ、徐々にその死が近付いていること、そしてそれを好機と喜ぶ反乱者たちの存在を知る。おとどの焦りに気付き始めた姫たちは、初めて互いに結束し、おとどのための親衛隊「赤兎」を結成する。彼女たちは、おとどの世に不満を持つ者、反乱を企てるものをあぶり出し、見せしめとして残酷なやり方で制裁していくが、おとどの身体はだんだんと病に侵され、反対勢力の勢いは増すばかり。『赤兎』の彼女たちも、その哀しき世の波に次々と飲まれていくのだった・・・。
3期生メンバーの伊藤理々杏、岩本蓮加、梅澤美波、大園桃子、久保史緒里、阪口珠美、佐藤楓、中村麗乃、向井葉月、山下美月、吉田綾乃クリスティー、与田祐希より自身の役どころや、見どころについてのコメントが届いたので紹介しよう。
◆伊藤理々杏(浮洲役)
浮洲は、皆の前に立って引っ張っていくような存在です。私自身も、小学校の時は生徒会長をしていたので、今回の役を全力でがんばって、将来的には3期生も乃木坂も引っ張っていけるような存在になれたらと思っています。
◆岩本蓮加(讃良役)
私が演じる讃良は、笑い上戸で笑いの沸点が低い姫なのですが、私も笑いのツボが浅くてすぐに笑ってしまうところがあり、そこが役と合っていると思います。途中で(讃良の性格が)変わるシーンがあるので、そこを見て欲しいです。
◆梅澤美波(朱雀役)
朱雀は、ほかの11人よりも一つ上からものを見ている大人な人物です。きつく物を言う時もあるのですが、実は心優しかったり、女性らしい部分があり、いろいろな面が見られる役です。朱雀が出てくるところは重要な場面でもあるので、注目して観てください。
◆大園桃子(那由他役)
虫が大好きな役です。顔合わせの時に(脚本・演出の松村に)そんなことは一言も言ってないのですが・・・(笑)。人前で話すことはまだ慣れていませんが、だんだんと歌うことには慣れてきました。よろしくお願いいたします。
◆久保史緒里(汐寝役)
汐寝は常に日記を書いているのですが、私自身もプライベートで色々なものを書くことが好きで、今回この役ができてすごく嬉しいです。彼女はあまり感情を前に出さないのですが、唯一爆発するシーンがあるので、そこを観ていただきたいです。
◆阪口珠美(握砂役)
絵を描くシーンが多くて、そこだけは私とは真逆な立ち振る舞いをする握砂ですが、絵が上手な彼女を一生懸命やらせていただきます。
◆佐藤楓(柊役)
柊は、人の物をくすねたりするのですが、私は前からいたずら好きなので役に合っていると思います。普段は棒読みだねと言われることが多いのですが、お芝居をしたら棒読みじゃないんだよってことを伝えたいです(笑)。
◆中村麗乃(蒼馬役)
他の姫と比べて弱いイメージを持つ蒼馬ですが、実は超能力が使えるんです。その力がこの物語でどう出るかに注目してください。
◆向井葉月(多岐都役)
多岐都は、ほかの姫と違って男勝りで、行動や衣裳も男らしいところがあります。声が大きいところとか、自分の意見を言うところが私と似ているので、役でも大きな声を出してがんばります。
◆山下美月(沙霧役)
今回は、それぞれの性格にあった役を松村さんからいただいているのですが、私の役は一言で言うと”覗き魔”なんです。何で私が覗き魔なんだろうな、と考えた時に「目だ!」と思いました。よく目が大きいと言われるので、やっとこの舞台で自分の目力を活かす機会ができました。
◆吉田綾乃クリスティー(雅役)
生まれつき病を持っていて、何をするにも誰かの手を借りたりと、弱い部分もある雅ですが、気持ちは強くて、こうと決めたら自分から進んでいく子です。私も一度決めたことはちゃんとやりたいと思うし、自分の意見を曲げるようなタイプではないので、似ていて演じやすさを感じています。
◆与田祐希(久遠役)
声が大きくてリーダーシップと行動力がある久遠。最初は、本来の自分とはあまり結びつかないと思ったのですが、芯を持った役なので、皆を引っ張っていくつもりでがんばります。
公演では普段あまり着ない和服を衣装として身にまとっていた彼女たちだが、稽古では実際に打掛を羽織ったり、丈の長いスカートを履いてコツを掴みつつ練習を重ねていたという。また、役によって衣装の色や形が違い、色鮮やかな衣装を着れることに、皆で喜び合ったそうだ。
最後には3期を代表して梅澤が「今年の2月に3期生初公演『3人のプリンシパル』をやらせていただきましたが、その時はオーディション形式で、舞台に立てる子と立てない子がいて、今回とは違いがありました。今回は、12人全員が舞台に立てることを嬉しく思いますし、経験も増えているので、成長した3期生を観ていただきたいです。まだまだ3期生はできる、ということを皆さんに観ていただけたらと思います」と締めくくった。
3期生が乃木坂46に加入して、約1年が経つ。彼女たちは、舞台上からこの1年で培ったあらゆるものを放出している。特に『3人のプリンシパル』でも快進撃を見せた久保と山下は、それぞれ違う角度から本作を引っ張る難しい役どころを与えられていたが、それを見事に昇華した上で、まだまだ可能性を感じさせる。音楽というフィールドだけでなく、演劇というフィールドでも挑戦を続ける彼女たち。12人がこれから辿る道の広がりに期待したい。
乃木坂46 3期生公演『見殺し姫』は、東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて10月15日(日)まで上演。
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(取材・文・撮影/エンタステージ編集部、一部写真/オフィシャル提供)