大山真志の主演する舞台『トワイスアップ~沈んだ碧は息ができないそんな場所~』&『Special Live』が、2017年9月28日から10月1日(日)まで、東京・浅草六区ゆめまち劇場にて上演される。舞台は『トワイスアップ』シリーズ3部作の2本目にあたり、7月末に上演された『トワイスアップ~スペースオペラは今はいらない~』の続編となる。
9月某日、本作の稽古を続けるキャスト・スタッフが集う稽古場を取材した。その模様を演出・脚本の山本タクと主演の大山のコメントを交えつつ、レポートする。
稽古場にバラバラと姿を現した大山、高田あゆみ、東美樹、永松文太、前川優希、坂野真理、堀田怜央、赤塚篤紀。最初に本読みをするということで、稽古場にはすでに椅子が準備されていたが、その椅子の隙間に身を沈め、円陣状態で体幹トレーニングをスタートした。なるべく長時間鍛える目的でしりとりをしながらトレーニングを続けるメンバーたちだったが、おもしろい言葉のチョイスに皆の身体がブルブル震えることも・・・。
山本は、前作について「正直、もう少し尺(上演時間)が欲しいと思いました(笑)。ハードボイルドの話ってどんでん返しや裏切りなどが多いでしょ?そういうものをどうやって70分に納めようかなって。ここをもう少し丁寧に書きたいなあ、とか」と振り返った。
『トワイスアップ』は、3部作となっている。山本は、2本目となる本作のテーマに「愛」を掲げたという。「家族愛、初恋、世界平和の愛などいろいろな愛があると思いますが、それによって生き方が変わっていく物語になります。そこで、主人公ベックには“ド恋愛”をやっていただこうかと」と山本。さらに「毎回、サブ主人公を変えていく作り方にしています。前作はグレイグ(赤塚)、今回はジプシー(高田)にスポットを当てて書きました」と明かす。
大山は、3作通じて演じるベックという役どころについて「タクさんの(自分に対する)当て書きって、他の方のとは角度が違っていて、隠している部分を見抜かれてしまった感じなんです。ベックは、まさにその視点から出てきたキャラクター。三枚目に見えるけれど、その裏をひっくり返すと孤独だったり・・・そういう面を表現できたので、演じていて楽しかったです」と語っていた。
本読み開始前、構成・演出を務める八木橋修、山本らと早速意見を交わすキャストたち。赤塚は「あの場面、僕はこうだと思うんだけど、どう?」と周りに意見を求めるなど、前回の稽古でひっかかった点を皆で解決しようと模索していた。
いざ、本読みがスタートとすると、身振りあり、手振りあり、話す相手の方を向いて、いつでも立ち上がりそうな勢いで読み合わせが進んでいく。大山は、本番さながらに顔を真っ赤にし、大声で吠える様も見せていた。
すると、ジプシー役の高田に異変が!何かがツボに入ってしまったようで、必死に笑いをこらえながら台本を読んでいるのだ。周りはそれに気づいていないふりを通し、努めて冷静に自分の台詞を続けていったが・・・いつの間にか皆、高田に負けないくらい笑いをこらえている状態に。そんな和気あいあいとした良い雰囲気の中、本読みは進められていった。
今回のサブ主人公を担う高田について、大山は「普通にしゃべっている状態のままで芝居をしている珍しい人」と言う。「フラットな状態で芝居をするあゆみちゃんとは非常に芝居をやりやすいですね。たまに、とんでもない解釈で台詞を言ったりするときもあるけど(笑)。俺はその素直さも素敵だと思います」と信頼を寄せていた。
本読みの最後に、八木橋は「人間、そう簡単に言葉なんて出てこないもの。だから、自分の中で台詞を分析して、その台詞を書いた作家の意図を読み取ってほしい」と伝える。その言葉に、皆、真剣にうなずいている姿が印象的だった。
立ち稽古は、バーでけだるそうに酒をあおる便利屋・ベック(大山)とベックの体調や生活を案じるグレイグ(赤塚)の場面が披露された。「ここから先はまさにこれから作るんです」と八木橋。本番が待ち遠しいことだ。
舞台『トワイスアップ~沈んだ碧は息ができないそんな場所~』&『大山真志Special Live』は、9月28日(木)から10月1日(日)まで東京・浅草六区ゆめまち劇場にて上演される。
【オフィシャルHP】
http://www.spacecraft.co.jp/sc_stage/
【チケット】
ローソンチケット(Lコード:32862)
http://l-tike.com/order/?gLcode=32862
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)