(C)Yasuko Kageyama
ソフィア・コッポラ演出のオペラ『La Traviata』(原題)が、邦題『ソフィア・コッポラの椿姫』として、2017年10月6日(金)より、TOHOシネマズ日本橋にて2週間限定で公開、その他全国で順次公開されることとなった。さらに、2018年9月、このオペラそのものが日本で上演されることも明らかとなった。
(C)Yasuko Kageyama
ソフィアは『ゴッドファーザー』シリーズほか、数々の名作を監督したフランシス・フォード・コッポラの娘として生まれ、長じてからは『ヴァージン・スーサイズ』(1999年)で監督デビュー、『ロスト・イン・トランスレーション』(2003年)など注目作を次々と発表してきた。映像の世界で活躍してきたソフィアが今回初めて手掛けたのは「オペラ」。イタリア・ローマ歌劇場で2016年5月24日(火)から行われた公演で、指揮はミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団のアソシエイト・コンダクターを務めたヤデル・ビニャミーニ。ヴィオレッタ役はここ数年注目されてきているフランチェスカ・ドット、アルフレード役は、来日公演も増えてきているアントニオ・ポーリが演じた。
さらに、ソフィアと似た生い立ちを持つもう一人の演出家の作品が、時を同じくして日本上演されることも決まった。
写真提供:NBS/ローマ歌劇
NBS/(C)Silvia Lelli
彼女の名はキアラ・ムーティ。キアラの父は20代の頃から注目され、1986年から約20年ミラノ・スカラ座で芸術監督を務めるなど、現代を代表する指揮者として知られるリッカルド・ムーティだ。キアラが手掛けた演目は、イタリアの作曲家ジャコモ・プッチーニが35歳のときに発表した『マノン・レスコー』。父親のDNAの片鱗が見えるようなキアラの演出は、オリジナルに忠実な美しい舞台設定で、作品のもつ美しさや悲劇性が観る者に素直に伝わるものとなっている。
2公演が行われたローマ歌劇場は、ミラノ・スカラ座とともに、オペラの国イタリアのオペラ史に数々の歴史を記してきた場所。その歴史の重みを損ねることなく、現代の感性にもマッチするオペラを今も作り出すローマ歌劇場の姿勢は、世界のオペラ界でも注目されている。
親の名に負けず劣らず、類まれな才能を持った演出家ソフィアとキアラにご注目を。
ソフィア演出の映画『ソフィア・コッポラの椿姫』は、10月6日(金)TOHOシネマズ日本橋にて2週間限定公開ほか、全国順次公開される。そして、オペラ『椿姫』とキアラ演出のオペラ『マノン・レスコー』ローマ歌劇場日本公演は、2018年9月に催される。