「月刊アフタヌーン」(講談社)で連載中のひぐちアサによる野球漫画「おおきく振りかぶって」が舞台化されることが決定した。脚本・演出は、演劇集団キャラメルボックスの成井豊が手掛ける。上演決定にあたり、成井よりコメントが届いた。
◆成井豊(キャラメルボックス)
今まで様々な野球漫画を読んできましたが、この「おおきく振りかぶって」はまったく新しいタイプだと思いました。
一言で言えば、「弱者の物語」。なんだかんだ言っても、野球マンガの主人公は大抵の場合、飛び抜けた精神力と身体能力の持ち主で、その強さゆえに勝利を重ねていく。
が、『おおきく振りかぶって』の主人公のピッチャー三橋は球速が遅く、気が小さい。
どこからどう見ても、弱者です。
が、その弱者が誠実に戦いに臨み、周囲の認識を覆していく。
特別な才能を持たない者にとって、これほど勇気の出る物語はありません。
考えてみると、僕が今まで書いてきた脚本の多くが、やはり「弱者の物語」だった。
だから、「おおきく振りかぶって」は僕の琴線に触れたのです。
だから、「おおきく振りかぶって」を自分の手で舞台化したい、と思ったのです。
「おおきく振りかぶって」は、2003年の連載開始以来、コミック累計発行部数1,000万部を超える人気作品。従来のスポーツマンガにはない登場人物の繊細な心理描写や、日常の細やかな描写が高く評価され、2006年には第10回手塚治虫文化賞新生賞、2007年には第31回講談社漫画賞一般部門受賞。同年にはTVアニメとしても放送され、現在も高い人気を誇っている。
舞台『おおきく振りかぶって』は、2018年2月に東京・サンシャイン劇場にて上演予定。
【公式HP】http://oofuri-stage.com
(C)ひぐちアサ/講談社