京都を拠点に活動する劇団ヨーロッパ企画が、第36回公演『出てこようとしてるトロンプルイユ』を2017年9月末の滋賀でのプレビュー公演を皮切りに、全国で上演する。「トロンプルイユ」とは、だまし絵のこと。作・演出を手掛ける上田誠は、本作について「今回はだまし絵をめぐるだまし絵コメディです」と語っている。
上田は、ヨーロッパ企画の第35回公演として上演した来てけつかるべき新世界』で、第61回岸田國士戯曲賞を受賞。本作は、その受賞以来のヨーロッパ企画本公演となる。以下、上田からのコメント全文を紹介する。
◆上田誠(作・演出)
画家とかアートとかってちょっとすごいよな、って興味はずっとありまして、でも下手に近づくと地獄の釜が開くぞ、っていう畏れもあったので、書店の「アート」の棚の前を行ったり来たりしながら様子を伺ってたんですが、そんな僕に気さくに話しかけてくれた背表紙に書いてあったのが「だまし絵」でした。嬉しくなって本を手に取って開いてみたら、絵があろうことか俺に向かって飛び出してきていたという。地獄の釜は結局開きました。
今回はだまし絵をめぐるだまし絵コメディです。
トロンプルイユってだまし絵のことです。
撮影:有本真紀
本作には、石田剛太、酒井善史、角田貴志、諏訪雅、土佐和成、中川晴樹、永野宗典、西村直子、本多力のヨーロッパ企画の劇団員のほか、金丸慎太郎、川面千晶(ハイバイ)、木下出、菅原永二が出演する。
川面はヨーロッパ企画作品初出演となる。金丸は『ビルのゲーツ』(2014年)、『来てけつかるべき新世界』(2016年)に続き3度目、木下はイエティ『コテンパン・ラリー2』以来、菅原は『建てましにつぐ建てましポルカ』(2013年)以来2度目の参加。
また、本作の音楽を担当するのは、元「たま」のベース・滝本晃司。滝本とは、2009年に『曲がれ!スプーン』のリニューアル再演をする際、上田が書き下ろし楽曲の提供を依頼したことにより共同作業が実現した。滝本による楽曲提供は、『建てましにつぐ建てましポルカ』(2013年)に続き3作目となる。
ヨーロッパ企画 第36回公演公演『出てこようとしてるトロンプルイユ』は、9月30日(土)に滋賀・栗東芸術文化会館さきら 中ホールで行うプレビュー公演を皮切りに、全国計12ヶ所で上演される。日程の詳細は、以下のとおり。
【栗東プレビュー公演】9月30日(土) 栗東芸術文化会館さきら 中ホール
【京都公演】10月6日(金)~10月9日(月) 京都府立文化芸術会館
【高知公演】10月14日(土) 高知県立県民文化ホール グリーンホール
【東京公演】10月20日(金)~10月29日(日) 本多劇場
【大阪公演】11月1日(水)~11月8日(水) ABCホール
【愛媛公演】11月11日(土) 松山市民会館 中ホール
【横浜公演】11月16日(木)~11月19日(日) KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
【名古屋公演】11月23日(木) 愛知県産業労働センター ウインクあいち
【広島公演】11月28日(火) JMSアステールプラザ 中ホール
【福岡公演】11月30日(木)・12月1日(金) 西鉄ホール
【四日市公演】12月3日(日) 四日市市文化会館 第2ホール