2017年6月16日(金)に東京・サンシャイン劇場にて、ミュージカル「忍たま乱太郎」第8弾 再演~がんばれ五年生!技あり、術あり、初忍務!!~が開幕した。初日前には公開ゲネプロと囲み会見が行われ、代表して忍術学園五年生を演じる山木透、佐藤智広、吉田翔吾、久下恭平、栗原大河、六年生を演じる海老澤健次、二平壮悟が登壇し、意気込みを語った。
本作は、今年1月に東京・東京ドームシティ シアターGロッソにて上演され満員御礼となった“忍ミュ”シリーズ第8弾の再演で、忍術学園五年生が初めての忍務を通して、成長していく姿を描く。再演にあたり、追加されたシーンや、アナザーストーリーでは五年生の新曲が追加された。さらに、シリーズ初となる大阪公演も行われる。
物語は、ドクタケ水軍に兵庫水軍若衆が乗った小早舟が襲撃されるシーンから始まる。傷ついた兵庫水軍と学園に戻った久々知兵助(山木)、尾浜勘右衛門(佐藤)、不破雷蔵(吉田)、鉢屋三郎(久下)、竹谷八左ヱ門(栗原)ら忍術学園五年生たちに、学園長は重要な任務を命ずる。
初忍務に喜び勇む五年生たちだが、忍務を果たせず六年生や一年生にまで力不足とあなどられ、落ち込むばかり。しかし、そこから奮起し力を合わせ、自分たちのやり方でドクタケ水軍討伐に立ち向かうことに。頼りなる六年生コンビ潮江文次郎(海老澤)、立花仙蔵(二平)にも支えられ、パワーアップした殺陣とアクション、両者入り乱れてのド派手な闘いが繰り広げられる。
会見で見どころや意気込みを聞かれると、尾浜勘右衛門役の佐藤は「勘右衛門くんは16年の時を経て(久しぶりに)登場したキャラクターです。どんな役目を担っているかを注目して観ていただけると嬉しいです。今回、ステージセットが2段になり、芝居部分がより強調されると思うので、しっかり芝居をすることを目標にしていました」と元気にアピール。武器となる万刀鎖の扱いもさらに上達させていた。
変装の名人・鉢屋三郎役の久下は「見どころは全シーンです。今日に至るまで、作品を信じ、仲間を信じでやってきました。会場が変わったことで、自分の得意な武器をいかに魅力的に魅せられるか、ギリギリまで粘ろうと思っています。最高の物をお届けしたいです」と意気込む。ライトが当たっていないところでも、不破との息の合ったコンビネーションは必見だ。
潮江文次郎役の海老澤は「追加されたシーンやストーリーも変化したところがあり、それがプラスされたことによって、初演とは違った感じ方ができると思います。ギャグや曲のアレンジもパワーアップしているので、そこも注目してください」とコメントし、さらに五年生に成長を感じていたそうで「再演の稽古をはじめてから、五年生同士がそれぞれ自分の考えを発言するようになり、話す機会が増えたように見えました。5人でがんばって行こうという気合いが感じられたので、その成長が舞台にも反映されているのでは」と太鼓判を押した。稽古場では皆の兄貴分だったという存在感そのままに、本編でも仙蔵と共に五年生たちを力強く支えていた。
この再演で初参加となった立花仙蔵役の二平はクール&美しさでファンを魅了。「初演を観てとても圧倒されましたが、それに負けないパワーでやっていきます。そのパワーが伝われば」と語り、さらに「芝居、歌、殺陣、アクション、すべて食らいついていこうという気持ちでいます。相方のエビさん(海老澤)がとても優しくて、でも甘えずに一緒に『い組』を作って行こうという気持ちで臨んでいます」と挨拶。また、新メンバーが入ると何度もごはんに連れていく海老澤流の親交で他のキャストたちと絆を深めたという。
快活さが魅力的の竹谷八左ヱ門役の栗原は「今回は武器を課題に練習していました。『みじん』という武器を使っていて、初演では投げて取る見せ方をしていましたが、今回はどうやるか。より良い見せ方ができるようにがんばります。初演よりちょっとだけしっかりした強気な五年生に注目してほしいです」と胸を張った。その言葉どおり、長身を生かし誰よりも認められたいと思う五年生を熱演。
鉢屋と双子のような存在、不破雷蔵役の吉田は「個人的にはアクロバットをしているので、ぜひ観ていただきたいです。ドクタケ肆の石井さん(石井靖見)に習ってチャレンジしました!初演を超える作品にすることを目標にがんばってきました。変わった部分もたくさんありますので楽しみにしてください」と明かす。広くなったスペースで魅せるダイナミックなアクロバットは見逃せない。
久々知兵助役の山木は「5人の関係性はこの作品に欠かせないもので、海老澤さんに関係性が見えてきたと言われてすごく嬉しかった。ステージセットが変わり、演出が変わり、一人一人のキャラクターへのアプローチの仕方など、初演から変わった部分がたくさんあります。我々も新鮮な気持ちで挑んでいます!新しい作品と思って観にいらしてください」と力強く答え、武芸の達人らしくパワーアップした姿を披露していた。
なお、再演に伴い本編終了後にはアフターイベントとしてアナザーストーリーが上演される。5人の絆が深まったことにより物語に厚みが増した本作。新たな作品として楽しめる内容となっている。
ミュージカル「忍たま乱太郎」第8弾 再演~がんばれ五年生!技あり、術あり、初忍務!!~は、7月2日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて、7月21日(金)から23日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。
(C)尼子騒兵衛 / NHK・NEP (C)ミュージカル「忍たま乱太郎」製作委員会
(取材・文・撮影/谷中理音)