劇団「柿喰う客」の看板女優、七味まゆ味が新たに立ち上げた演劇ユニット「七味の一味」。2017年夏に迫る“旗揚げ公演ができるまで”を追いかける密着企画の第3弾では、5月中旬に完成した本公演のチラシとポスタービジュアルと共にお届けする。
ドドン！と大きく写る七味の写真と「七味の一味、はじめました。」のキャッチコピー。「見るとなんだかお酒が飲みたくなる」「カレーが食べたくなる」など、さまざまな感想をいただいたメインビジュアルは、とにかくインパクト抜群！一度目にしたら忘れられない?!そんな印象に残る本チラシを抱えて、七味の一味は、西へ東へあちこちの侵略を続けていく。
川崎・大阪でキャストが変わり、さらには『家族百景』と七味の一人芝居『かかづらふ』の2本上演となる本公演。そんな大所帯の「一味」の情報は1枚に収まりきるのか？という心配も当初あったものの、心強いデザイナーのおかげでたいへん綺麗にまとまっている。完成したものを見て「凄い人の数だ･･･」と圧倒されっぱなしの制作部、キャスト一同。改めて、たくさんの人が関わっていることが分かるこのチラシにも、ぜひご注目いただきたい。
続いては、舞台を裏から支えてくれるボランティアスタッフチームと行った「川崎スタッフ会」の模様をお届け。「舞台上に立つ人間だけが、舞台を作っているわけではない」という信念を元に、裏方には裏方として「七味の一味」であって欲しい！と熱弁する制作部。当日はどういった動きをするのか？チラシの折り込みはどうするのか？など真面目な話あり、雑談ありで、スタッフチームも結束力を強めていった。もちろん、大阪スタッフチームもとてつもない結束力と行動力により、あちこちでチラシ配布や宣伝協力を募り、アイデア出しを行っている。関わる全員が「七味の一味」となる今回の公演。主宰の七味をはじめ、制作部一同、全員の力に感謝しながら進んでいく。
そして、6月3日（土）には、観劇三昧とのコラボイベント「観劇一味」が開催された。チケット発売開始時刻の12：00前には、同じく観劇三昧の日本橋店に大阪キャストを集め、下北沢と日本橋でチケット発売開始のカウントダウン中継を行うなど、大盛り上がりの中イベントはスタート！下北沢店には、終日ひっきりなしにお客様が「フォトプロップスを持ってあなたも“七味の一味”に！」企画に参加し、沢山の人が「一味」に加わっていった。
さらに、観劇三昧の店頭だけにとどまらず、七味は下北沢の街を練り歩き、あちこちをジャック！そして、来店したお客様の購入した商品にサインでジャック！
終始楽しい空気や笑い声に包まれる店内･･･いや、下北沢であった。「七味の一味」について語るトークショーでは、珍しく（?!）真面目な顔をして淡々と語る七味店長の「珍味トーク」も繰り広げられ、イベントは大盛況の内に幕を閉じた。
また、この日の関西チームは「関西ジャック」と称して、大阪、京都、兵庫など、さまざまな場所をジャックしに向かった。事前にアポイントを取っていた劇場や学校、店舗に加え、その日急遽「チラシ折り込みいけます！」と言われた場所に、チラシを持って突撃し続ける「一味」たち。この一日で、関東・関西ともに相当な量のチラシが配布されていった。今回の企画は、それぞれ七味の一味公式Twitterにてまとめられているので、合わせてご覧いただくと「七味の一味」の行動力がより一層お分かりいただけるだろう。
6月頭には、川崎公演の会場となる「ラゾーナ川崎プラザソル」の下見も行われ、美術担当と七味で「どこまでをお芝居する場所にしよう？どこからを客席にしよう？」「お客さまが見やすい角度は？」「より効果的に芝居を見せるには？」など、さまざまな意見が交わされた。実際に使用する劇場を見学したことで、稽古場だけでは浮かばなかった新しいアイデアも飛び出す。そこには、さらに作品の色付けが進んでいく七味と、それを見守るスタッフチームの姿があった。
劇場の下見を経て、いよいよ6月中旬からは川崎公演の本格的な稽古がスタートする。その間に大阪に移動し大阪公演の稽古も行うので、てんやわんやだ。しかし、さまざまなイベントを経てどんどん結束力の強くなる「七味の一味」のパワーで、ハードスケジュールもお構いなし！「よりよい作品を、より多くの人に」そんな気持ちを胸に、一味たちは今日も公演に向けてまっしぐら。チケットも発売され、ますます加速していく「七味の一味」の第一回公演が楽しみだ。
「七味の一味」第1回公演『家族百景』／七味まゆ味一人芝居『かかづらふ』 は、7月14日（金）から7月17日（月・祝）まで神奈川・ラゾーナ川崎プラザソルにて、8月4日（金）から8月7日（月）まで大阪・in→dependent theatre 2ndにて上演される。
（取材・撮影／小野明日香）
