2017年7月に川崎公演、8月に大阪公演を行う「七味の一味」。劇団「柿喰う客」の副代表であり、看板女優の七味まゆ味が主宰するこの演劇ユニットの、旗揚げまでを追いかける。第2回の密着レポートでは、フライヤー撮影から、イベント企画、2回目のプレ稽古の様子など、盛りだくさんでお届けする。まず、フライヤー撮影の救世主として登場したのは・・・?
「今日、フライヤーの撮影をします!」と七味から連絡が入り、制作チームは慌てて支度に取り掛かる。そこに登場したのは、なんとMONOの土田英生!普段は主に脚本や演出を手掛けている土田だが、今回はカメラマンとして、「七味の一味」からの依頼を引き受けてくれた。意外な人に、意外なお願いをする「七味の一味」・・・次は一体、誰の力を借りるのか?!
まず、七味の個人写真の撮影が始まるが、意外にも写真撮影が苦手な七味は、カメラを見るとついつい意識してしまうのか、表情が硬くなりがち。「本当はこういうのが撮りたいねんけどなぁ・・・」と、言いながら自分のイメージに、今一歩及ばない様子。しかし、旧知の仲である土田と他愛もない会話をしていると、次第に自然な表情が見えてくるようになった。
「おっ、今の表情、いいじゃん!」と、カメラを意識してない瞬間を捉えると、さっきまでとはまったく異なる、ナチュラルな七味の表情が写真の中に浮かぶ。撮ったものを「これがいいんじゃない?」と土田&制作部が勧めていくが、どれをフライヤーに使うか、今一つ決めきれない七味。今回、フライヤーには使用されなかったものの、七味が迷いに迷った写真の一部を限定公開!
土田から「自分がいいと思う写真と、他人がいいと思う写真は違うんだよ」という言葉をかけられると、七味は「じゃあ、今回は皆がいいと思うのにしようかなっ!」と納得。しかしその後、フライヤーの仮のデザインが出来上がってきた時も「やっぱりこっちが・・・うーん、でもこっちも・・・!」と写真の選択に迷い続け、再びキャストやスタッフに意見を聞くも、口々にまったく同じ写真を勧められる七味であった。
また撮影日の後、七味と制作部は下北沢にある演劇ショップ「観劇三昧」を訪れた。「舞台作品だけでなく、さまざまな形でいろんな人を巻き込みたい!」と語る七味に対し、「おもしろそう!ぜひ!」とノリノリでアイディアを広げてくれる「観劇三昧」。悪巧み・・・ではなく、楽しい企画の相談に花を咲かせたところで、なんと「観劇三昧」の一日店長を七味が務めることが決定!その名も「観劇一味(かんげきいちみ)」。
この企画は、チケット発売となる6月3日(土)に開催され、七味や「家族百景」のキャストたちが、臨時店員として店頭で訪れる人々を迎える。当日の詳細については、七味の一味公式ブログ(https://ameblo.jp/shichimi-info/)をチェック!様々な企画を通して、「七味の一味」に加わるチャンス。果たして、この企画の結果はいかに・・・?!
そして、第2回目のプレ稽古の様子は、まず大阪キャストからお届け。大阪キャストのオーディションは、事前に3日間連続でワークショップを開催したこともあり、すでにすっかり意気投合している。冒頭では、振り付けを担当するsayakaによるウォーミングアップや、体を動かすシアターゲーム、軽い筋トレなどが行われた。
大阪キャストは、すでに配役が確定していることもあり、それに沿いながら台本を読んでいく。ページが進むにつれ、段々と七味から「こういうテンションではどうか?」「今度はこうでやってみよう!」といった演出が加えられていく。
また、大阪公演では「関西弁での上演」を行うため、台本を読みながらそれぞれのイントネーションを統一していく必要も。もちろん、「関西弁」と言ってもそれぞれの地方で異なる。そのため、主軸には「北の方の大阪弁」が据えられたようだ。
七味の頭の中には、すでにたくさんのイメージが浮かんでいるのか、台詞以外にも色々と実験的にキャストを動かす。さらには「思い切ってこのシーンはカットしちゃおう!」などと、台本もどんどんと進化を遂げていった。
一方、その翌々週に行われた川崎の稽古は、「配役を決定するため」のプレ稽古。川崎公演は配役を入れ換えるスペシャルステージも上演されるため、どっちのステージで誰に何役をやってもらうのか。七味は、頭をひねりながら「次はこっちの役をやってみて、次はこっち」と指示をしていく。
さらに進んでいくシーンでは、大阪のプレ稽古で変更になった箇所が川崎キャストにも伝えられ、寄りブラッシュアップしていく作業が進む。大阪で作ったものを、川崎の稽古に持って行き、川崎キャストに当てはめては修正し、大阪に戻し・・・と、2都市を行き来しながら、少しずつ作品の形が見えてくる。
今回の公演ではオーディションで選んだキャストを七味が演出する『家族百景』と七味の一人芝居の2本立てで上演される。『家族百景』について、七味は「メリハリを大事にしたい。全体的にはテンポよく、目まぐるしい舞台にしていけたら」と語っていた。また、一人芝居のタイトルが『かかづらふ』に決定し、あらすじも公開。いよいよ公演に向け、まっしぐらだ。
「七味の一味」第1回公演『家族百景/七味まゆ味一人芝居『かかづらふ』 は、7月14日(金)から7月17日(月・祝)まで神奈川・ラゾーナ川崎プラザソルにて、8月4日(金)から8月7日(月)まで大阪・in→dependent theatre 2ndにて上演される。
今後も、「七味の一味」の動向をお見逃しなく!
(取材・撮影/小野明日香)