2017年4月15日(土)より千葉県館山市の南総文化ホールを皮切りに、スペクタクル時代劇『里見八犬伝』が全国12都市で上演される。滝沢馬琴の作り上げた壮大な歴史ドラマを、鈴木哲也が既存の物語設定をもと書き下ろし。深作健太が演出を手掛け、ドラマティックなアクションエンターテインメントに仕上げた。初日前日には、公開抜き稽古が行われ、深作と主演の山崎賢人が取材に応じた。
本作は2012年、2014年にも上演されているが、その2014年版で山崎は初舞台を踏み、同時に初主演を務めた。まず、初日に向け山崎は「2年半ぶりの『里見八犬伝』です。新しいキャストが加わったことで新しい化学反応が起こり、どんどん良い方向に向かっています。『里見八犬伝』ゆかりの地であるこの館山で、前回の2014年は大千秋楽を迎えることができて、今回は初日をこの館山で始められることには意味があると思います。全力でお客様に届けたいです」と意気込んだ。
さらに「前回とは違う信乃を演じたい」と加えた山崎は「改めて台本を読んでみて、前回理解しきれていなかっところもやっと理解できて、もっとこうしたいと思えるようになってきました。より、信乃という役を掘り下げられた気がしています」と、同じ役を演じるからこその自身の変化を感じている様子だった。
深作も「2年半ぶりの再演で、何よりも成長した山崎くんと一緒にやれるのが嬉しいです」と喜び、「2017年度版としてブラッシュアップした作品に仕上がったと思います。僕としては、決定版のつもりで演出しました」と自信たっぷり。
前作でも、殺陣のシーンが話題となったが、今回はさらに難易度の高い殺陣がつけられているそうで、深作は「今回、殺陣がうまい役者さんが揃いましたし、賢人くんもとても上達したので、アクション監督の諸鍛冶さんも手をゆるめず・・・。どんどんアクションが難しくなっていっています(笑)」と明かす。また「八人八様のドラマが、殺陣の中に盛り込まれています。最大の見せ場となる30分の大立ち回りは、なかなか珍しいのでは」と語った。
山崎も「今回、特に好きなシーンは、荘助と浜路が死んだ後の、信乃の怒りの立ち回り。前回とかなり変わったので、ぜひ観ていただきたいです。そして、今回は舞台美術の移動も激しくて、動くセットからキャストが出てきたりします。インパクトがあるので、見どころの一つです」とアピール。
最後に改めて、山崎は「前回も今回も、経験豊富な先輩方がたくさんいらっしゃるので支えられながら、そして、自分自身としてもしっかりと信乃を演じることで、皆さんを引っ張っていきたいです。舞台『里見八犬伝』、全力で皆様に伝えられるようにがんばりますので、ぜひ、楽しみにしていてください。よろしくお願いします!」と呼びかけていた。
今回の八犬士は、山崎のほか、青木玄徳、玉城裕規、和田雅成、西銘駿、松島庄汰、荒井敦史、丸山敦史という顔ぶれが演じる。さらに、青野楓、栗山航、松田賢二、比嘉愛未といった面々も加わり、迫力のアクションと胸を打つドラマで、さらにグレードアップした『里見八犬伝』の世界へ観客を誘う。
『里見八犬伝』は4月15日(土)・4月16日(日)に原作(『南総里見八犬伝』)の故郷である千葉・南総文化ホールにて上演。東京公演は4月18日(火)から4月24日(月)まで文京シビックホールにて行われる。その後、大阪・高松・高知・長崎・福岡・金沢・広島・愛知・青森・仙台の全国計12ヶ所を巡演。日程は以下のとおり。
◆公演スケジュール
【館山公演】4月15日(土)・4月16日(日) 南総文化ホール
【東京公演】4月18日(火)~4月24日(月) 文京シビックホール
【大阪公演】4月29日(土)・4月30日(日) 梅田芸術劇場 メインホール
【高松公演】5月3日(水・祝) レクザムホール
【高知公演】5月5日(金・祝) 高知県立県民文化ホール
【長崎公演】5月7日(日) 長崎ブリックホール
【福岡公演】5月10日(水) 福岡サンパレス
【金沢公演】5月13日(土) 本多の森ホール
【広島公演】5月16日(火) 広島文化学園HBGホール
【愛知公演】5月20日(土)・5月21日(日) 刈谷市総合文化センター
【青森公演】5月24日(水) リンクステーションホール青森
【仙台公演】5月27日(土) 東京エレクトロンホール宮城
※山崎賢人の「崎」は「大」の部分が「立」が正式表記
(撮影/阿部章仁)