2017年2月に東京・EX THEATER ROPPONGIにて上演された六本木歌舞伎第2弾の模様が、5月27日(土)、WOWOWにて放送される。今回の演目は『座頭市』。脚本のリリー・フランキーが新解釈で描き、演出を担当する映画監督の三池崇史が色付けしていく。三池は2007年にも舞台版『座頭市』の演出を手掛けた経験を持つ。
主演の市川海老蔵は、盲目の侠客・市を演じるにあたり、「十八代目中村勘三郎さんが勝新太郎さんと座頭市についてお話されていたことを教えてくださり、その印象が強烈なのでいつか自分でも演じてみたいと思っていました」と語る。また、女優の寺島しのぶが本作で歌舞伎に初出演。海老蔵と寺島は幼なじみながら共演するのは1995年の新派公演『鹿鳴館』以来で、実に22年ぶりの強力タッグが実現した。
本作、六本木歌舞伎第2弾『座頭市』は、8月に名古屋公演・大阪公演の開催が決まっている。今回の放送で興味を持った人も、実際の舞台を観劇することができるチャンスなので、ぜひチェックしてみてほしい。
◆六本木歌舞伎『座頭市』
5月27日(土)夜7:30 WOWOWライブ
脚本:リリー・フランキー
演出:三池崇史
出演:市川海老蔵、寺島しのぶ、市川右團次、市川九團次、大谷廣松、片岡市蔵、市川右之助 ほか
◆ストーリー
舞台は繁栄と混沌が同居し人々の心が荒れすさむ江戸時代の六本木温泉宿場町。この地に流れ着いた盲目の座頭・市(市川海老蔵)は、諸国を旅する按摩に見えて、実は凶状持ちの侠客だった。彼は、女中見習いに励むおすず(寺島しのぶ)のひたむきさや、市に心を寄せる江戸随一の花魁・薄霧太夫(寺島しのぶ・2役)の心のぬくもりに触れ、つかの間の安らぎを感じる。
そんな中、市は街を牛耳る六樽組の開く賭場でいかさまを見抜き、組員たちの怒りを買ってしまう。市の身を案じた薄霧はともに町を抜け出そうとするが、時すでに遅く駆け付けた組員たちに取り囲まれる。そこに姿を現わしたのは、剣の達人として知られる六樽組の用心棒・風賀清志郎(市川右團次)だった。狂気が漂う清志郎を前に、薄霧の運命は市の剣に委ねられる。
(撮影/Kazumi Kurigami)