SOLID STARプロデュース公演vol.9『ミニチュア!!フリーペーパーのナイス街』公演レポート

当ページには広告が含まれています

2017年3月8日(水)から3月12日(日)まで東京・俳優座劇場にてSOLID STARプロデュース公演vol.9『ミニチュア!!フリーペーパーのナイス街』が上演。本作はSOLID STARによる小さな街を舞台にした爆笑群像劇『ミニチュア!!』の第2弾で、今回はフリーペーパーのタウン誌の記者を通して、ナイスな街のおかしな人々を描く。

出演は、五十嵐麻朝、寺山武志、北園涼、吉岡茉祐、酒井瞳、小林亜実、宮崎理奈、磯原杏華、宮城紘大、森田桐矢、武子直輝、田中 章、西岡大輔、加藤圭貴、釜野真希、免出知之、渡辺ありさ、関洋甫、下山優一、三澤宥奈、
中西宥暉、林舞弥、土井良祐、元松あかね、久松信美、廣川三憲(ナイロン100℃)。

作・演出は、こちらスーパーうさぎ帝国の白柳力が手掛ける。

今年も小さな街にあの祭りの季節がやってきた。小さな街の小さな出版社。ここでは、フリーペーパーの小さなタウン誌を発行している。そこへ、大手出版社の花形政治部から左遷された一人の青年がやってきた。青年はタウン誌の取材のために街を歩く。

街にはおかしな人がいっぱい。メイド喫茶で働くご当地アイドル。元プロ野球選手の街工場従業員。いがみ合う蕎麦屋の亭主とイタ飯屋のシェフ。禁断の恋に落ちる蕎麦屋のせがれとイタ飯屋の一人娘。バッティングセンターの常連女。ひたすら街を駆ける市民ランナー。みんな何かに悩んでいた。

そして、街では祭りの準備が進められ、フィナーレは「福男・福女」を決める大マラソン大会!街の住人は悩み抱えながら走る、走る!福をつかむためにとにかく走る!!

主人公は。五十嵐が演じる左遷されてやる気を失った記者の三鷹。その三鷹を中心に、第2弾として前作のキャラクターたちや街の設定が再び登場し、世界観をよりおもしろいものとしている本作。

続編ではあるが、ゲネプロを終えた五十嵐が「この作品は僕が初めてこの街に来て、初めての人に出会う作品です。お客さんも僕と一緒に街の人たちに出会っていって、とんでもないことに巻き込まれて、楽しんでもらえたらと思っています」と語っていたように、三鷹を通して舞台を観ることで、前作を知らなくても存分に楽しめる作りとなっていた。

夢や希望を失った人々と、おせっかいでありながらどこか憎めない人々が繰り広げる群像劇。そのユニークな登場人物たちの住む街について、タウン誌の先輩記者を演じる吉岡は「役としても、この街が大好きなので、芝居をしていても楽しいです。それを全力でお客さんにぶつけていきたいです」とコメント。

夢が破れ、街に戻ってきた元プロ野球選手を演じる北園は「初日を迎えて、それぞれ不安があると思いますが、自分のやることをやって、コメディなので楽しむだけです。テンポ感とかそれぞれ自分の間で気持ち良く演じられたらと思います」と、そのテンポの良さを感じながら意気込んだ。

前作同様に、祭りのフィナーレでは「福男・福女」を決める大マラソン大会が行われ、全力疾走を披露する役者たち。マラソンシーンで大汗を流し、その全力さを見せつけた五十嵐は「本当に全力でやるだけです。全員ケガなく、全力で突っ走って、千秋楽まで走り抜けます!」と宣言しながら、スキンヘッドの田中章に対して「髪の毛ではない方の“ケガ”なくですよ(笑)」とフォロー。その言葉に、田中も「気を使ってもらって、すいません(笑)」と反応し、会場の笑いを誘っていた。

住人よ、笑え!泣け!悩め!そして、走れ!!テンポの良さに時間を忘れて、笑いながらちょっとホッコリもできる、そんな楽しい作品に仕上がっていた。

◆SOLID STARプロデュース公演vol.9『ミニチュア!!フリーペーパーのナイス街』
3月8日(水)~3月12日(日) 東京・俳優座劇場

(取材・文・撮影/櫻井宏充)

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

演劇、海外ドラマ、映画、音楽などをマルチに扱うエンタメライター。エンタステージ立ち上げからライターとして参加し、小劇場から大劇場のストレートプレイにミュージカル、2.5次元、海外戯曲など幅広いジャンルにおいて演劇作品の魅力を日々お伝えしています!

目次