元宝塚男役トップスター貴城けいが、2017年2月月12日(日)にホテル椿山荘東京 ジュピターにて、芸能生活25周年、宝塚退団10周年を記念したディナーショーを開催した。貴城は、1992年3月、78期生として宝塚歌劇団に入団、『この恋は雲の涯まで』で初舞台を踏む。翌年雪組に配属、2006年5月に宙組へ組替え後トップスターに昇格。2007年2月に宝塚を退団した後は、女優として様々な作品に出演してきた。
ディナーショーは、『維新回天・龍馬伝!』から「風雲に生きる」で幕を開けた。貴城は紫色の着物姿で、宝塚退団サヨナラ公演時と同じく桜の花を抱えて客席を歩きながら登場。観客からは拍手と歓声が沸いた。
貴城は「ようこそお越しいただきました、貴城けいです。芸能生活25周年ということですが、あっという間のような、長いような長いような長いような・・・要は長いという結論です(笑)。初舞台と時は、こんなに長く続けさせていただけるとは思っていませんでした。これもひとえに皆様のおかげです。ありがとうございます。」と感謝の挨拶。
続いては、宝塚時代の楽曲をメドレーで披露。そして貴城には内緒で、瀬奈じゅん、大空ゆうひ(大空祐飛より改名)から、音声でのお祝いのメッセージが届いており、その内容に貴城は「すごく褒めてくれてる(笑)。ありがとうございます」とコメント。
そして、この日はゲストに本間憲一、下村青を迎え、それぞれ楽曲を披露。今回の振付も担当した本間とは共演作『愛と青春の宝塚』から「踊ってあなたらしく/別れ」を、下村とは共演作『Victor victoria』から「君と僕」を共に歌い上げた。
3人でのトークでは、貴城の良いところをゲストから上げてもらうことに。下村は「稽古場で初めてお会いした時、とても腰の低い人だなと思いました。知れば知るほど、温かい人。あと、お稽古着がいつも素敵(笑)」、本間からは「一見やる気なさそうに見えるけど、心にとても熱いものがある人」と評されると、貴城は「よく言われるの!15年くらいそういう感じ。でも直さなくていいかな(笑)」と笑い、楽し気にトークが弾んでいた。
その後、ミュージカルナンバーのメドレーでは、約30秒で白色のパンツスーツからセクシーな黒色のドレスに早替えし再登場。鮮やかなその姿に、客席からは再び大きな拍手が沸き起こった。そして、貴城が客席に降りて、ファンの手を取り一緒にダンスを踊るなど、会場全体で盛り上がった。
その後、「Someone Like You」、シャンソン「我が麗しき恋物語」などを熱唱。ラストの新曲「Fragilite」の披露前に貴城は「ディナーショーのタイトルにもなっている『Fragilite』は、フランス語で“弱さ”という意味です。宝塚時代は男役で『こうでなきゃ、こうしなきゃ』とずっと思ってきたけれど、ここらで一回緩めてみようかなと。ネガティブな意味ではなく、弱さも受け入れつつ、強くありたいと思っています」と思いを語っていた。
今年の目標は『人に優しく自分にも優しく』と語った貴城。芸能生活25周年&宝塚退団10周年という節目を迎えた貴城は、多くのファンに見守られながら次のステージへと進む。
(撮影/宮川舞子)