2016年12月9日（金）から東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて開幕するLive Performance Stage「チア男子!!」。原作は「桐島、部活やめるってよ」（集英社）など人気作を手掛ける朝井リョウによる青春スポーツ小説で、漫画化やTVアニメ化もされるなど、多方面から注目を集めている作品だ。その初日を間近に控えた某日、稽古場を取材。稽古前に行われた囲み会見の模様を交えながらお届けする。
演出は、「進戯団 夢命クラシックス」主宰で、舞台版『心霊探偵八雲 いつわりの樹』（再演）などを手掛けた伊藤マサミ。そして、ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンにて、青学8代目・菊丸英二役の本田礼生と、青学8代目・越前リョーマ役の古田一紀がW主演を務める。この他、アーティストとして活躍し「ROCK MUSICAL BLEACH」～もうひとつの地上～で主演の黒崎一護役に抜擢された高野 洸をはじめ、平田雄也、皇希、才川コージ、福澤 侑ら、個性豊かな面々が出演している。
（以下、写真に舞台セットの様子などを含みます）
まずキャスト一同で円陣を組み、「Let’s go BREAKERS！」の掛け声で全員が稽古モードに突入。続いて、伊藤から「新しいキャラクターが出る度にテンションが上がっていくと思いますが、周りのキャラクターも同じなので、その気持ちを忘れずに。ライブも重ねれば重ねるほど、テンションが上がっていくようにいきましょう。どんどん上げていって、ラストのチアでMAXを目指せるようにしてください」との指示で稽古が開始。
その言葉には、伊藤が「チアだけでなく、ダンスも歌も、最後のチアまでの布石として、盛り上げていきます。言ってしまえば“何でも男子”みたいな（笑）。“何でも男子”のゴールとして、これはチア男子”なんだと目が離せないようにしました」と囲み会見で語った考えが込められている。
“何でも男子”と例えられていたように、物語の中には個性的なキャラクターたちの内面を描く芝居あり、歌あり、ダンスありと、チア以外の要素も盛りだくさん。ダンスについても、各出演者たちの身体能力を活かしたアクロバットやダンスバトルなどバリエーションがあった。伊藤が「“チア男子”というテーマパークをイメージしています。チアはチアとして、そしてチアが始まるまでいろんなものを観て楽しんでいただきたいと思っています」と明かしたとおり、その多種多様な内容に釘づけになる。
そしてメインとなるチア部分については、本田が「見どころは全部です。歌にダンスにお芝居に、そしてチア。僕が一番意識しているのは、初めて早稲田大学チアリーディングチームSHOCKERSさんのチアを見た時の『チアってスゴいな･･･！』と思った感動をしっかり伝えること。それには、チアの部分をしっかりしないと伝わらないと思っています」と作品への思いを明かしたように、通し稽古の段階でありながら、迫力あるチアに心を揺さぶられ、本番への期待が募った。
また、今回の舞台化では、“観客一人一人が応援に「参加する」感覚が持てる客席参加型ステージ”をコンセプトとするライブパフォーマンスステージと銘打たれている。本田は「僕はこんな舞台は観たことがないです。舞台上でコール＆レスポンスがありますが、今回、後ろに映像が出て、お客さんがどのタイミングでコールをすればいいか簡単に分かるギミックが用意されています。そのお話を聞いた時に、ライブパフォーマンスステージへのイメージが広がって、本当にお客さんに参加していただくことで成り立つ舞台なんだと感じました」と目を輝かせた。本田が熱く語る姿からも、その仕組みで観客と出演者が一体となって盛り上がるステージが想像できる。
本田は「まずは、この世界を体感してください。本当に、こんなステージは観たことがないですから。観ていただければ、絶対伝わるものがあると思います！」とアピールし、伊藤は「今まで皆さんが観たことない世界に絶対連れて行きますので、ぜひ、日頃の疲れをすっ飛ばしに来て、思いっきり楽しんでください」と自信を覗かせた、このライブパフォーマンスステージ。ぜひ、客席の出演者として劇場に足を運びたい。そう思わされる稽古風景であった。
Live Performance Stage「チア男子!!」は、12月9日（金）から12月18日（日）まで東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて上演される。
【公演期間】 2016年12月9日(金)～18日(日) 【劇場】 AiiA 2.5 Theater Tokyo
【原作】 朝井リョウ「チア男子!!」(集英社文庫)
【脚本】 伊藤マサミ (bpm／進戯団 夢命クラシックス)／入江おろぱ
【演出】 伊藤マサミ (bpm／進戯団 夢命クラシックス)
【キャスト】
本田礼生 古田一紀／平田雄也 皇希 才川コージ 福澤 侑／高野 洸 ほか
(C)朝井リョウ／集英社 (C)LPS「チア男子!!」製作委員会2016
（取材・文・撮影／櫻井宏充）
