武道館にミュージカル俳優大集合!司会の三浦春馬らと大熱唱した「AAA」レポート

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2016年12月1日(木)にミュージシャン・俳優など豪華キャストが武道館に集結するライブ「AAA(アクト・アゲインスト・エイズ)」が、今年も開催された。「ミュージカルコーナー」では、中川晃教、柚希礼音、柿澤勇人、平間壮一、松下洸平、三浦春馬、小池徹平らが熱唱したほか、ミュージカル『プリシラ』から山崎育三郎、古屋敬多らのキャストも参戦した。

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AAAは、俳優・岸谷五朗の呼びかけで1993年から始まったエイズ患者のためのチャリティイベント。毎年「世界エイズデー」である12月1日に開催され、今年で23年目を迎える。今回のLIVEには総勢23組56人が集結し全34曲を熱唱、武道館には観客約9000人が詰めかけた。

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オープニングは、暗闇に響くロック調の「オペラ座の怪人」。そこに突如、司会の三浦がピンスポットを浴びて颯爽と登場し、レベッカの「フレンズ」を熱唱した。しかし「うまく歌えない~!」と途中で断念。次いで登場した同じく司会の岸谷と寺脇康文も、それぞれ尾崎豊の「シェリー」とクリスタルキングの「大都会」を歌おうとするも、その難しさに次々と倒れていく。

「やっぱり俳優が歌いこなすのは無理なのか・・・」という時、今回のAAAサブタイトルにもある『魂の俳優大熱唱!助けてミュージシャン!』の言葉どおり、岸谷香、武田と哲也(Skoop On SomebodyボーカルTAKEとゴスペラーズの村上てつやによるユニット)、サンプラザ中野くんらが登場し、さすがの歌唱力で熱唱。音楽が武道館を包み込む。

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そして、ミュージシャンの活躍に触発されて奮起した司会の三浦・岸谷・寺脇が「ミュージシャンばかりに頼っていられない!」と舞台袖に声をかける。まず現れたのは平間。Mr. Children「innocent world」を熱唱すると、客席からは多くの声援が飛び交い、彼の人気の高さがうかがえた。

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そして、女優でありながらLIVE公演で武道館を埋め尽くした柚希が登場すると、会場から大声援が飛び交う。柚希のダンスチューン「Maybe If…」を植原卓也、水田航生を従え披露すると、それまでにないほどのサイリウムの光の波が、客席に揺れた。

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幕間には、3人の司会がコントなどで場を盛り上げる。ステージ奥の生バンドたちが何度も「大都会」のイントロを演奏しはじめ、「それは無理だって~!」というやりとりもあった。しかし開幕から1時間を過ぎた頃、ついに「大都会」を熱唱する声が響く。暗闇に歌声を響かせながら登場した中川が、伸びやかな高音で「ああ、果てしない・・・」と朗々と歌い上げた。ステージ両脇の大スクリーンにも、満を持してとばかりに、アリーナ中央をぶち抜いたカメラワークで中川が映し出された。

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ここから、俳優でもあり歌手でもある“ミュージカル俳優”のオンパレードに突入する。俳優が企画するこの武道館LIVEだからこそ「僕たち俳優がこの武道館にかける言葉がある。“ようこそ、ミュージカルの世界へ”」・・・その声と共に、次々とミュージカルのダイジェスト映像が流れ、ミュージカル俳優たちがそのナンバーを披露した。2016年7月に日本人キャストにて上演したミュージカル『ジャージー・ボーイズ』からは、中川晃教が「君の瞳に恋してる」「Sherry』「Bye,Bye,Baby」を歌い、岸谷、寺脇、三浦もコーラスとダンスで参加した。

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AAAのシンボルマークになっているのは、エイズで死去した画家キース・へリングのイラスト。彼の人生を描いたミュージカル『ラディアント・ベイビー』からは、柿澤と平間と松下が「STAY」を歌った。「ここにいたい、誰もいかせたくない」の歌詞が、エイズで苦しむ人を救いたいという、まさにこのLIVEの願いそのもので、涙がこみ上げる。

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『ロミオ&ジュリエット』では、かつてロミオを演じたことのある柚希と柿澤、マーキューシオを演じた平間と水田による「世界の王」が披露され、また、『キンキーブーツ』からは、小池とドラァグクイーン役を演じた三浦が登場し「Everybody Say Yeah」を熱唱した。

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また、12月8日(木)の開幕に先駆け、出演者として登場した山崎や古多らミュージカル『プリシラ』のキャストは、ドラァグクイーン3人のドタバタ珍道中を描いた本作のテーマナンバーを披露。山崎は真っ赤な口紅としなやかな身のこなしで、ドラァグクイーンに扮した15名と共に豪華絢爛なショウを見せた。

最後には、再度ミュージシャンが集結。AAA常連のポルノグラフィティやウルトラマンティガほか、高橋みなみ、大黒摩季らが会場を盛り上げ、最後にはオールキャストでAAA恒例のエンディングソング「一人じゃないから」を合唱した。

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LIVE中には、三浦が実際にラオスで撮影した映像や写真が流れ、現地の子どもたちやAAAのエイズ支援活動の様子を報告した。イベント収益金は全額チャリティとなり、昨年のチケット収入で1203万2858円、過去24年間23ステージの総額1億3431万7551円が寄付されたことが報告された。

ミュージシャンのコンサートとはひと味違い、演出家が手がけたステージは物語性がある。演劇と音楽、その二つが合わさったミュージカル、そして、それらすべてを包み込むエンターテインメントは、世界は変えられなくても少しでも病気で苦しんでいる人を救う手助けとなる。そんな“エンタメ”の力を実感できるステージだった。

(取材・文/河野桃子)

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