2016年11月23日(水・祝)に東京・駅前劇場(下北沢)にて劇団鹿殺し15周年記念第三弾 伝説リバイバル『image-KILL THE KING-』が開幕した。演出家・菜月チョビと作家・丸尾丸一郎によって2000年に旗揚げされた同劇団が、ここまでの集大成として満を持して小劇場にカムバック。圧倒的密度の劇的空間を繰り広げる!
本作は、2003年に初演され、劇団史上No.1の衝撃度と呼び声高い作品で、地球人の滅亡と更生を目的とした宇宙人、反旗を翻し果敢に戦いを挑む人造人間など、近年の作品群とは一線を画す“妄想系カルト劇”となっており、劇団鹿殺しのアバンギャルドな一面が際立っている。
出演は、菜月チョビ、丸尾丸一郎、オレノグラフィティ、橘輝、鷺沼恵美子、浅野康之、近藤茶、峰ゆとり、有田杏子、椙山さと美、メガマスミ、木村さそりという劇団員に加え、唯一のゲストに小沢道成(虚構の劇団)を迎えている。
ついに幕が開けた心境について、オレノグラフィティと小沢からコメントが届いた。
◆オレノグラフィティ
今回、演出の菜月チョビが稽古場で最も強く発した言葉は
「華を見せて!圧倒的な存在感を!」だったように思います。
10年前上京してすぐの頃、荒削りで理想だけを持っていた僕は、
フレディーマーキュリーのメジャー感を目指して、ただがむしゃらに走っていました。
しかし10年間で劇団も少しクレバーになり、ただがむしゃらに走ってる「だけ」ではいけないと気づかされました。
その15周年目の、最後の公演『image -KILL THE KING-』。
僕は「ただがむしゃらに走ってはいけないのだ」ということを念頭に置きながら、
かつてないぐらい「がむしゃらに走って」います。
15周年最後、魂を燃やし尽くす打ち上げ花火を、絶対に見逃さないでください。
◆小沢道成(虚構の劇団)
初日の幕があいて、まず驚きました。
僕は音楽も好きでライブに行ったりもするのですが、その感覚に近いというか、演劇ではなかなか実現できないような劇場の雰囲気になるのです。
まさに、ライブ感。
「何故、劇団鹿殺しはいつも観たくなるのか」その理由が分かった気がします。
演劇における高揚感・幸福感を、ぜひ劇場まで確かめにきてください。
15周年を迎えた劇団鹿殺しは、7月に共演された怒パンク時代劇『名なしの侍』を東京・サンシャイン劇場で上演し、劇団史上最高となる観客動員数1万人を達成するなど、近年活動の幅を広げている。もう、こんな近距離で鹿殺しを観られる機会はないかもしれない。どうぞ、お見逃しなく。
劇団鹿殺し15周年記念第三弾 伝説リバイバル『image-KILL THE KING-』は、11月23日(水・祝)から12月4日(日)まで東京・駅前劇場にて、12月8日(木)から12月11日(日)まで大阪・ABCホールにて上演。
(写真/和田咲子)
(取材・文/エンタステージ編集部)