2016年11月13日(日)に東京・サンシャイン劇場にて、大パルコ人3 ステキロックオペラ『サンバイザー兄弟』が開幕した。大パルコ人とは、宮藤官九郎作・演出を手掛けるオリジナルロックオペラシリーズ。“ステキロックオペラ”と名付けられた第3弾では、音楽を怒髪天の上原子友康が担当している。初日前には、フォトコールと囲み会見が行われ、瑛太、増子直純(怒髪天)、三宅弘城、皆川猿時、清野菜名、少路勇介、よーかいくん、篠原悠伸、上川周作、宮藤官九郎、りょうと主演者全員が登壇した。
宮藤は、このシリーズについて「一般的な“イイ声で歌う”ミュージカルじゃなく、ロックな感じでギャグもあり、というものを目指しています。回を重ねるごとに難しいことにチャレンジしていまして、今回は全員楽器を演奏するというのが課題でした」と説明。また、今回のストーリーは“ブルースブラザーズ”をモチーフにしていると言い、「日本の池袋を舞台に置き換えたら、ブルースブラザーズはヤクザでサンバイザーを付けてるんじゃないかな・・・って思いついたところから作品を作りました。あ、アイデアに根拠はないですよ(笑)」と、イメージを語った。
宮藤から「暑苦しい“兄弟愛”を見せてほしい」と言われているという瑛太は「増子さんから自伝をいただきまして、控え室の増子さんが髪型をセットしている横で読んだりしています。この人、計り知れないな~って毎日感じながら・・・。そういう感じで、兄弟愛はばっちりです(笑)」と自信を見せた。
それに対し、増子は「瑛太くんと飲みに行ったりして相当仲を深めてきたので、もしかしたら二人で週刊誌に撮られるかもね!」と冗談を飛ばしつつ、「チョイ役かと思って安請け合いしたら、瑛太&増子で贈る舞台!なんて発表されて驚きました。稽古しながら役者の方のすごさを感じて、こりゃまいったな・・・と思ってたんですけど、だんだん楽しくなってきて。大人数でバンド組んで、アルバムを作っているみたいでした(笑)」と初日を迎えるまでを振り返った。
清野は「この舞台のためにギターを買いました。グレッチです、めっちゃカッコいいんですよ!最初は、一生懸命弾くことに集中してしまって、なかなか周りが見れていなかったんですけど、だんだんと皆と一体になれる感じがしてきたので、ライブシーン、お客さんにも楽しみにしてもらえたらなって思います」とアピール。
ピアノを演奏するりょうは「2曲ピアノを弾きます。1曲は間違えたら目立ってしまうシーンで弾くんですけど、昨日(初日前日)に初めて間違えずに弾けたんです。なので、本番では大丈夫だと思います(笑)」と明かした。また、怒髪天の大ファンということで「増子さんのボーカルで自分がピアノを演奏できるなんて、すごく幸せな体験をさせていただけるので。大変だったんですが、増子さんのことを思うと乗り越えられました」と喜びを口にした。
また、宮藤と共にバンド「グループ魂」として活動する三宅は「“do it yourself感”たっぷりですので、この作品を観てスカッとしてほしいですね!」とパンク魂を感じさせ、皆川は「今日、うちの奥さん(田村たがめ)に『応援していますよ』と言ってもらってここにきました。がんばります!」と意気込んだ。
会見の途中、少路から「実は、宮藤さんに謝らなければいけないことが・・・」と突然の告白が。「実は今日、今日風呂に入った時に、その時に(役作りのために蓄えた)剃ってはいけないヒゲを剃ってしまいまして・・・」という取り返しのつかない事態に、宮藤は「楽屋で聞いてたら許さないよ、それ(笑)」と苦笑いを浮かべていた。
最後に、瑛太は「登場人物が全員バカなので、こんなおもしろい舞台は観たことないです!これを観ないで何を観るんだ~!!」と気合いたっぷりに咆哮。増子も「後世に残してやりたいですね。これは“バカの皮をかぶった人生論”です。世の中いいことばかりじゃないですから。スカッと笑って、酒飲んでほしいです。ヨロシク!」と増子節を効かせたコメントで締めくくった。
物語の舞台は2033年の池袋、新しい年号は「素敵」。東池袋の歌のうまいヤクザ、サンバイザー兄弟の「兄弟愛」と「父娘愛」、そして西池袋の「ネオカラーギャング」との抗争が、賑やかに、楽しく、力いっぱいバカバカしく描かれる。フォトコールでは、小鰭光(瑛太)と金目鯛次郎(増子)がボーカルを務める「サンシャイン音頭」が出演者全員参加のバンド演奏で繰り広げられた。また金目が娘のぬめり(清野)と対面するシーン、金目のライバルだったボクサーのアップルパイ海老沢(三宅)が金目の釈放を聞き驚くシーン、組長の妻・龍野ウロ子(りょう)がカラオケで歌うシーンなどが披露された。
大パルコ人3 ステキロックオペラ『サンバイザー兄弟』は11月13日(日)から12月4日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて上演。その後、大阪、宮城を巡演する。日程は、以下のとおり。
【東京公演】11月13日(日)~12月4日(日) サンシャイン劇場
【大阪公演】12月8日(木)~12月18日(日) 森ノ宮ピロティホール
【宮城公演】12月21日(水)~12月23日(金・祝) 仙台サンプラザホール