豪華出演陣による“池鉄ワールド”全開のロマンチックファンタジー!ミュージカル『TARO URASHIMA』ゲネプロレポート

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木村了主演のミュージカル『TARO URASHIMA』が2016年8月11日(木・祝)に東京・明治座にて幕を開けた。また、開幕前日の8月10日(水)には同劇場にて公開ゲネプロと囲み取材が行われた。今回は、ミュージカル『TARO URASHIMA』の見どころを、キャストのコメントも交えてレポート。

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本作の見どころは、お伽話「浦島太郎」を新たなエンターテインメント大作に昇華させた池田鉄洋(脚本)の新解釈と抱腹絶倒のギャグの応酬だろう。本作の製作決定にあたり、池田は以下のようなコメントを寄せていた。

「『浦島太郎でミュージカルを』そう聞いて、私はあらためて浦島太郎の物語を読んでみました。謎だらけでした。なんで漁師なのに亀を助けるの?なんで乙姫は玉手箱なんて『老人になる罠』をプレゼントするの?その謎にきっと、とんでもない面白さが隠れているのだろうと、私はワクワクしながら脚本を書いているのです」

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何をやっても上手くいかない浦島太郎(木村了)と超ネガティブ思考の乙姫(上原多香子)の恋愛模様を主軸に、竜宮城での覇権争いや、地上と海の国同士のいさかいなど、新たに肉付けされた要素によって「浦島太郎」はお伽話ではなく“池鉄ワールド”全開のロマンチックファンタジーに仕上がっていた。

また、浦島太郎役の木村が池田の脚本をコミカルなテンポで牽引。ゆるさとハイテンションを使い分け、「何をやってもうまくいかないけど超ポジティブ」という役どころを絶妙なバランス感覚をもって成立させていた。

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囲み取材で木村は、「座組のムードメーカーは誰だったのか」と尋ねられ「みんながムードメーカーで、まとまりに欠けるチームでした(笑)」と答えていたが、とよた真帆や斉藤暁、和泉元彌、坂元健児など脇を固める個性豊かな豪華出演陣にも注目である。

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更なる見どころとしては、随所に散りばめられるミュージカルシーンの骨太な楽曲だろう。囲み取材で乙姫役の上原多香子は「音を外しているかもしれない」と役同様にネガティブな発言をして報道陣を笑わせていたが、卑屈なソロナンバー「生まれてサーセン」をキュートに歌い上げる姿はとても可愛らしい。また、第一幕の最後に全キャストが現れて歌うロマンチックなナンバー「半分こしよう」では、これまでのコミカルなストーリーとは対照的な壮大な楽曲で観客の心を掴む。

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竜宮城でクーデターを企てる深海王子こと原田優一は、エンタステージのインタビューで、本作の演出を務める板垣恭一について「王道が大好きな邪道な人」と語っていたが、まさに熱いドラマと遊び心が交差するエンターテインメント大作であった。

なお、本編に続く第二部『浦島太郎トリビュート・コンサート~鯛やヒラメの舞踊りSHOW~』では、入れ替わり立ち替わりで劇中歌やコント、即興劇が披露され、最後まで観客を飽きさせない遊び心全開の豪華なショーとなっていた。ミュージカル『TARO URASHIMA』は、8月15日(月)まで東京・明治座にて上演。

(取材・文・撮影/大宮ガスト)

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