2016年8月3日(水)より東京・博品館劇場にて上演される舞台『七夕ジャンクション~昭和篇~「探偵遊戯と優しいウソ」』。本作は、2015年7月に上演された舞台『七夕ジャンクション』シリーズの2作目。江戸を舞台とした前作から、タイトルのとおり昭和へと時代を移して物語が展開する。公演初日を間近に控えた7月下旬、本番へ向け通し稽古が行われる稽古場を取材した。
稽古前の出演者たちは数人ずつグループとなり、各々のシーンの確認や演技についてのディスカッションを行っていた。意外にも本番直前の張り詰めた空気はなく、笑い声の多いリラックスした現場に見えた。
蔦屋平九郎(米原幸佑)が営む「蔦屋探偵事務所」から物語は始まる。そこへやってきた少女・めぐ(田上真里奈)の依頼を発端に、山城麻司(谷口賢志)や斎賀雅俊(加藤真央)など、かつての「探偵倶楽部」のメンバーが集まり、やがて大きな悪と立ち向かうことに・・・。
本作は、めぐの依頼を解決するために奔走する現代と、彼らが高校時代に結成した「探偵倶楽部」での出来事を中心とした回想という二つのパートで構成されている。コメディタッチの回想パートとシリアスな雰囲気で進む現代パートは対照的で、その間を繋ぐ核心の部分を頭の中で探るうち、いつしか物語の中へと引き込まれてしまっていた。
ストーリーの具体的な内容に触れることは避けるが、あるシーンが非常に印象的だった。「探偵倶楽部」にある事件が起きたあと、蔦屋と山城が向かい合ってやりとりを交わす場面なのだが、ここで米原と谷口が見せた迫真の芝居からは、衣装やメイクのない状態にも関わらず、二人のキャラクターがはっきりと見えた気がした。さらに磨きのかかった本番では、きっと多くの観客が胸を熱くさせられることだろう。
また、忘れてはならないのが、権藤健三役・石坂勇と柏木栞役・秋本奈緒美のベテラン二人。W主演の二人をはじめ若手キャストが多い中、彼らが醸し出す“大人の雰囲気”は本作の魅力をさらに味わい深いものにしていた。
そして、過去の出来事が明かされることで現代のストーリーも動き出すという、二つのパートの進行を絶妙にリンクさせた脚本も見事だ。練りこまれたストーリーに加え、随所に散りばめられた笑い、そしてキャラクターの心情を表現した歌とダンス・・・これら幾多の要素が混ざり合い、爽快なエンターテインメント作品に仕上がっている。
「クールな探偵モノ」と「ド直球な青春モノ」、二つの要素が混ざり合った夏にピッタリなこの舞台を、ぜひ劇場で楽しんでもらいたい。
最後に、稽古後の米原と谷口からメッセージを貰うことができたので紹介しよう。
◆米原幸佑
本作『七夕ジャンクション~昭和篇~ 「探偵遊戯と優しいウソ」』は、『七夕ジャンクション』の続編になりますが、ガラッと話が変わり、今作はミステリーになっております。
前作をご覧になったお客様にはリンクする部分も感じていただきつつ、今作ならではの蔦屋と山城の新たな関係も描かれますので、ぜひぜひ、何度でも謎解きをしに劇場へ遊びに来てください!歌もいっぱいだぞ~!
◆谷口賢志
現在、稽古も佳境に入り、作品を創っている最中でございます!今回はミステリーということで前回とは違った作風になっているのですが、一番の大きな違いは、敵同士だった僕と米原幸佑が今回は味方として、物語の中でずっと一緒にいるところ。その辺りも楽しみにしていてください!
そして、見どころの歌やダンス・・・非常にエンターテインメント性に優れた作品となっております。劇場で待ってまーす!
舞台『七夕ジャンクション~昭和篇~「探偵遊戯と優しいウソ」』は、8月3日(水)から8月7日(日)まで東京・銀座 博品館劇場にて上演される。