2016年6月1日(水)より東京・全労済ホール/スペース・ゼロにてミュージカル『魔界王子 devils and realist』が開幕した。月刊「コミックZERO-SUM」(原作:高殿円、漫画:雪広うたこ、一迅社)にて連載中の漫画を原作に2013年にはアニメ化、今回が初舞台化となる。初日開幕前にはフォトセッションが行われ、主人公・ウイリアム役の石渡真修、ダンタリオン役の鮎川太陽をはじめとする出演者全員が登壇。意気込みなどが語られた。
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物語の舞台は、19世紀英国のパブリックスクール・ストラドフォード校。名門貴族トワイニング家の跡継ぎであるウイリアム(石渡)は優等生だったが、後見人であった叔父の事業失敗により突然財産のすべてを失ってしまう。使用人のケヴィン(法月)とともに屋敷中金目のものがないかと探し回っていると、地下室の隠し扉に辿り着く。扉を破ると・・・突然一人の男が現れた。
その男、魔界からやってきたというダンタリオン(鮎川)。彼はウイリアムにこういった。「ようやく見つけたぞ・・・、ソロモンの魂を持つものよ!」
皇帝が長き眠りにつく間、魔界を支える代理王が必要となる魔界。代理王を決める権利があるのは7人の王と、皇帝が決めた“選定公”だけ。ダンタリオンたち代理王候補は、ずっとウイリアムのことを探していたという・・・。
本作が初の2.5次元作品への出演となる黒山羊姿の執事バフォメット役・KENは「まさか、ヤギになると思ってなかったです(笑)。驚いていますが、精一杯演じたいと思います」と初体験を楽しんでいる様子。学生総代を務めるエリート学生カミオ役・米原幸佑は、「新しいコンテンツを作り上げる様を間近で観ながら、スパイスになれるようにやってきました」と振り返った。
見どころについては、「2.5次元の作品がたくさんある中で“ザ・ミュージカル”と呼んでいい舞台になっています!」とウイリアムの家令ケヴィン役・法月康平。そして、視覚的な面についても、魔界の侯爵バアルベリト役・遠藤誠は「クロス(布)を使った演出は、他のカンパニーでは観られないものになっているなと思います」と自信を見せる。
作品にはたくさん“悪魔”が出てくる中、ひとり神を信じる役どころとなるクロスビー牧師役・松本祐一は「別の方向からストーリーを支えていければいいなと思います」と自身のキャラクターを見つめ、オネエ系悪魔ジル・ド・レイ役の碕理人は、「原作にはあまり描かれていないオリジナルなんですけど、カミオとの絡みを見てほしいですね」とアピール。
今回のカンパニーは皆とても仲の良いそうで、ウイリアムの友人でオカルトが大好きなアイザック役・小西成弥が「悪魔が出てきますので、わくわくします。すごくわくわく、非常にわくわく!」と“わくわく”を連呼すると、石渡から「(コメントが)カタカナばっかりになっちゃうじゃん!」とツッコミが。それに対し、小西が「違うよ、ひらがなで“わくわく”だよ(笑)」が反論する様子からはその一端が感じられた。
ダンタリオンと対立する悪魔シトリー役・河原田巧也は「魔界へようこそ!というよりも、僕たちが皆さんを魔界へお迎えする作品だと思うので、立体感を出して、皆様を包み込むようにお届けしたいと思っています」と作品の雰囲気になぞらえてコメント。
最後に、悪魔の代理王候補ダンタリオン役・鮎川が「セットも照明も衣装も原作に忠実に、僕らも役に一生懸命取り組んできました。最後、お客様が入って完成です。一緒に作り上げてくださいとお伝えしたいです」語り、主人公ウイリアム役・石渡も「本当に楽しめる作品になっていると思うので、全員で千秋楽まで上を目指してがんばりたいと思っていますので、応援よろしくお願いいたします!」と呼びかけた。
ファンタジー作品のため細かな設定があるが、それを歌に乗せて説明してくれるため、原作を知らない人にもすっと入り込めるように作られている。そして、なんといっても想像以上にミュージカル!キャラクターを際立たせる音楽や歌詞、振付が印象に残り、耳でも目でも楽しめる仕上がりになっている。また映像演出などは使わず、あえてアナログな手法にこだわった演出も見どころだ。
この世に科学で証明できない謎はない!というリアリスト・ウイリアムは、非科学的な出来事の数々をどう受け止め、物語はどのような結末を迎えるのか―。
ミュージカル『魔界王子 devils and realist』は、2016年6月1日(水)から6月5日(日)まで東京・全労済ホール/スペース・ゼロにて上演。なお、6月2日(木)の14時公演と19時公演のニコ生配信される。さらに、公演のDVD&CDの発売も決定した。発売は、DVD(7,000円+税)、CD(3,000円+税)ともに10月26日(水)予定。会場またはCLIE TOWN(通販サイト)にて特典付予約も受付中。詳細は、公式ホームページにてご確認を。
(C)2016高殿円、雪広うたこ・一迅社/ストラドフォード校歌劇部