1981年ベルリン芸術祭でのデビュー以来、世界47カ国で5,600回を超える公演を行ってきた太鼓芸能集団・鼓童が、今年で創立35周年を迎える。それを記念し、2016年8月18日(木)から8月20日(土)に東京・サントリーホールにて3日間の特別コンサートが開催されることとなった。第一夜は新日本フィルハーモニー交響楽団との共演となる「出逢い」、第二夜は坂東玉三郎演出の鼓童新作公演「螺旋」、第三夜はダンスユニットDAZZLE、BLUE TOKYOと共演の「飛翔」を各日違った内容で上演される。
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5月30日(月)には、グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミールにて、坂東と鼓童メンバーが登壇しての記者懇親会を行われた。以下、登壇者のコメントを紹介。
◆坂東玉三郎(芸術監督)
鼓童とは2001年から一緒のお仕事をさせて頂いておりますが、25周年の時には「アマテラス」という大きな公演に出演させて頂き、2012年からは芸術監督として今まで深いお付き合いをさせて頂いてきましたので、今回35周年の公演を出来ることが嬉しいです。8月の公演では、第一夜「出逢い」はオーケストラとの共演でこれまでの集大成のようなものとなり、第二夜「螺旋」は鼓童のみで古典的なものと未来的なものがぐるぐる回って進んで行くイメージの演目、第三夜「飛翔」は演奏家としてダンサーとどう向き合うのかなど、これまで連綿と創り上げて来たものがこの3日間に詰まっています。また、各公演で鼓童メンバーや私が作曲している演目もありますので、それぞれがどんな曲を作ったのか楽しみに見て頂ければと思います。
◆船橋裕一郎(鼓童代表)素晴しい芸術監督のもとで35周年を迎えられるのが嬉しいです。玉三郎さんからは生き様すべて、普段の食事や振る舞いなどの行動すべてが舞台に繋がっているという覚悟やこだわり、突き詰め方など、演奏者としての心構えを教えて頂きました。8月の公演は、鼓童のこれまでとこれからが凝縮された内容で、太鼓、鼓童の可能性を十分にお見せ出来る3日間になると思います。太鼓の音色を無限に広げている最中ですので、より多くの皆様にご覧頂けたらと思います。
◆石塚充(鼓童)
以前は、いかに力強い音を出せるかにこだわっていたのですが、玉三郎さんからは音色の違いが分かるくらいに、大きな太鼓でも「小さい音や優しい音、弱い音を大事にしなさい」と教えて頂きました。8月の公演は35周年の集大成ではありますが、これからの鼓童を担って行く20代〜30代のメンバーが中心となっており、ここからスタートという意味も込めた公演でもあります。長年やってきた曲にも新しい解釈・切り口などを加え、新曲も上演しますので、これからの鼓童、太鼓の可能性を感じて頂けると思います。
◆坂本雅幸(鼓童)
玉三郎さんの言葉で芸に対する指針になる2つの言葉がありまして、「自信過剰とうぬぼれは芸の妨げになる」と「舞台上では大きく、正しく、エレガントに」という言葉が、演奏者としての私の道しるべとなっています。8月の公演の第一夜「出逢い」は、これまでも演奏してきた石井眞木さん作曲の「モノプリズム」、冨田勲さん作曲の「宇宙の歌」に加え、世界初演となる猿谷紀郎さん作曲で拍子が複雑で挑戦しがいのある「紺碧の彼方」や、伊左治直さんとともに佐渡で音を出しながら作った動きのある、視覚的にも考えられた「浮島神楽」など、4曲すべて印象が違う曲となっているので楽しんで頂ければと思います。
◆住吉佑太(鼓童)
私は2012年に玉三郎さんが芸術監督になられた年に正メンバーになりまして、研修生の時から様々な価値観や技術を教えて頂き、当たり前のように考えていた固定概念に対して改めて考えるきっかけを頂きました。8月の公演でも作曲をさせて頂いたのですが、作曲する際に太鼓打ちでは思いつかないようなアイディアを頂きながら、固定概念に捕らわれない曲づくりが出来たと思いますので楽しんで頂ければと思います。
サントリーホール30周年記念参加公演『鼓童創立35周年記念コンサート』は、8月18日(木)から8月20日(土)まで東京・サントリーホールにて上演される。詳細は下記のとおり。
【公演詳細】
8月18日(木) 第一夜 ~出逢い~
出演:鼓童、新日本フィルハーモニー交響楽団
指揮:下野竜也
東洋と西洋の文化の出会いと融合!伊左治直、猿谷紀郎作曲によるオーケストラとの新曲を、それぞれ世界初演。
8月19日(金) 第二夜 ~螺旋~
演出:坂東玉三郎 出演:鼓童
芸術監督・坂東玉三郎のもとで、進化を続ける太鼓芸能集団 鼓童の、舞台創造を展観できるコンサート。
8月20日(土) 第三夜 ~飛翔~
演出:坂東玉三郎 出演:鼓童
ゲスト:BLUE TOKYO、DAZZLE
第一部は、坂東玉三郎作曲の楽曲による鼓童の演奏会、第二部は、坂東玉三郎構成による、男子新体操とストリートダンスをそれぞれルーツに持つダンスグループとのコラボレーション。
撮影:岡本隆史