究極にシンプルで多様な妄想の世界!ムッシュ・モウソワール第二回来日公演『レッド・ジャケット』開幕

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2016年5月11日(水)に、東京・草月ホールにてムッシュ・モウソワール第二回来日公演『レッド・ジャケット』が開幕した。ムッシュ・モウソワールとは、脚本・演出家の西田シャトナー伯が生み出した“妄想”をテーマにした新しいフェイクコメディシリーズで、2015年に『ブラック・ベルト』にて初来日を果たす。待望の第二回来日公演の初日前に、公開ゲネプロと記者会見が行われ、シャトナー伯のほか、出演者の平野良伯、滝川英治伯、宮下雄也伯、佐藤永典伯、オラキオ伯が登壇し、意気込みを語った。

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ムッシュ・モウソワール第二回公演『レッド・ジャケット』公開ゲネプロ_2

今回、初来日となる滝川伯は「念願叶って大変嬉しく思っております。スピード感のある作品をお届けできるようがんばっていきたいと思います」と意気込みを語った。同じく初来日の佐藤伯は、「“繋いでいく”ということを日々考えました。一人ではできないことを強く感じました」と稽古を通じて、改めて感じるところがあったようだ。

二度目の来日となるオラキオ伯は、「前作以上にシーンの積み重ねが大事になってきているので、苦労しましたね。前回から変わった点は・・・ベルトがジャケットに変わったところですかね(笑)」と笑いを交えてコメント。すると、シャトナー伯から「今回の方が苦労少なかった?」とツッコミが入り、「いやいやいや!」と慌てるオラキオ伯に、会見場は再び笑いに包まれた。

ムッシュ・モウソワール第二回公演『レッド・ジャケット』公開ゲネプロ_4

来日会見時に、稽古場で“お茶会”が開かれているという話題も出ていたが「休憩中、シャトナー伯とオラキオ伯と漫画や映画の話が楽しくて。その休憩中に生まれた話を、シャトナー伯が稽古を通じて作品に織り込んでいかれたりもしていて。繋がっているのがとてもおもしろかったですね」と宮下伯は振り返る。

ムッシュ・モウソワール第二回公演『レッド・ジャケット』公開ゲネプロ_8

それを受け、平野伯は「以前、別作品で関わった際にシャトナー伯が“夢から現実に持ち帰ることができるのは唯一、経験だけ”とおっしゃっていて。モウソワールは、特にそういう要素があると思います。劇場で観たものをそのまま持ち帰ることはできませんが、僕らと一緒に観た風景は心の中で持ち帰れることができるので、今後の何か礎にしていただけるのでは」と呼びかけた。

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最後に、シャトナー伯は「究極にシンプルなお芝居を作りました。物質として目の前にないかもしれないけど、今感じている感情は本物だということを経験して頂けたらなと思っております。家に帰っても、過去のことではなく、思い出す限りは経験しているということが、永遠に続くようなお芝居にしたい。シンプルな俳優の演技、お客様がそこにいるというシンプルな出来事によって、多様な世界を見せたいと思っております。究極にシンプルで、究極に多様な世界を、日本のお客様と一緒に感じたいです」と語っていた。

※ここから、一部あらすじ、配役などに触れています。

ムッシュ・モウソワール第二回公演『レッド・ジャケット』公開ゲネプロ_5

舞台の上には、吊るされた木枠と5つの木箱がある。そこに、次第に集まってくる妄想紳士たち。今回の前説を担当するのは、滝川伯だ。和やかに繰り広げられるおしゃべりを楽しく観ていると、いつの間にか芝居の世界に引き込まれている・・・。

ムッシュ・モウソワール第二回公演『レッド・ジャケット』公開ゲネプロ_7

なにもなかったはずの舞台の上には、どことも知れぬ街の片隅、壊れかけた建物の中の小さな部屋が出現する。紳士たちの言葉と観客の心が、ひとつの真実を生み出していく。
「囲まれています・・・ものすごく、囲まれています。例えるなら・・・!」

部屋から出ないことを望むエンジニア(平野伯)、同じく部屋にとどまることを主張する軍人(オラキオ伯)。反対に、外に出なければいけないと訴える労働者(宮下伯)と強い信念で外に出る必要性を語る革命家(滝川伯)。そして、死を乗り越え超越した宗教家(佐藤伯)。部屋に集まってきた5人の追い詰められた男たちは、それぞれにたとえ話を交えながら自身の経験や、考えを主張していく。

ムッシュ・モウソワール第二回公演『レッド・ジャケット』公開ゲネプロ_3

男たちの“たとえ話”は、非常に身近で想像しやすく、クスッと笑ってしまうものも。作中の軍事訓練では、オラキオ伯得意のアクロバットも披露されたりする。繰り返される緊張と緩和。例えるならば、寄せては返す波のような・・・そんな妄想との戯れ。

ムッシュ・モウソワール第二回公演『レッド・ジャケット』公開ゲネプロ_6

「我々の目は、自分の望むものを観る・・・」妄想紳士たちの声が耳に残る。はたして“レッド・ジャケット”が示すものとは・・・?会見の中で、滝川伯が「僕たちの衣装も赤いので、お客様も赤かったらおもしろいんじゃないか」と提案されていたが、いかがだろうか。造形の美しい劇場の中で、ぜひムッシュたちと一緒に、心が動く瞬間を経験してほしい。

ムッシュ・モウソワール『レッド・ジャケット』公開ゲネプロ_9

ムッシュ・モウソワール 第二回来日公演作品『レッド・ジャケット』は、2016年5月11日(水)から5月15日(日)まで東京・草月ホールにて上演。

(C)ムッシュ・モウソワール第二回日本公演実行委員会

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