舞台『オーファンズ』兵庫大千秋楽!柳下大、平埜生成、高橋和也が見せた”励まし”の抱擁

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2016年2月28日(日)に、新神戸オリエンタル劇場で舞台『オーファンズ』が大千秋楽を迎えた。本作は、先に行われた東京公演が口コミで大きな話題を呼び、日ごと動員を伸ばし続け、立ち見客も出るほどとなった。兵庫公演には、その評判を聞いて足を運んできたという、男女問わず幅広い年齢層の観客の姿が多数見受けられた。

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凶暴性と弱さを合わせもつ孤児の兄・トリートの複雑な心の機微を、実に深く繊細に演じきった柳下大(俳優集団D-BOYS)。ピュアさを失わない孤児の弟・フィリップが抑圧から解放されていく様をのびのびと演じ、観る者の心を惹きつけた平埜生成(劇団プレステージ)。そして、二人の心を大きく変えていくハロルドを、厳しさと温かさをもった人情味溢れる人物として描き上げた高橋和也。大千秋楽の幕が下りると、三人には会場から鳴りやまない拍手と、スタンディングオベーションが贈られた。

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カーテンコールで柳下は「宮田さんに演出を僕から直接お願いし、企画を立ち上げる所から始まったので、作品に携わった期間は長かったですけど、充実した日々を過ごすことが出来ました」と振り返った。そして「平埜生成さん、高橋和也さんと出会えたことも幸せでした。『オーファンズ』をたくさんの方に観て欲しかったので、劇場に足を運んでいただき、目撃してくださった皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。宮田さん、生成、和也さん、スタッフの皆様、劇場に足を運んでくれた皆様、本当にありがとうございました」と感謝の言葉とともに晴れやかな表情を見せた。

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感極まった平埜は、柳下と高橋に支えられるようにして「初めてというか、心から感動したと思える作品でした。観に来てくださった皆様、本当にありがとうございました」と、涙で頬を光らせた。

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高橋は、「たくさんの皆さんにずっと応援していただきまして、大千秋楽を迎えることが出来ました。この作品を決して忘れることはありません。また会える日を楽しみに、明日から新たなスタートです。皆さん応援してくださって、どうもありがとうございました」と挨拶。

柳下は、近年『真田十勇士』(宮田慶子演出)、『いつも心に太陽を』(岡村俊一演出)などに出演し、舞台俳優としての評価を着実に高めてきた。昨年は怪我に見舞われたが、役者デビュー10年目を迎え、自身が企画した本作で完全復帰。この後も、5月には明治座で上演される『御宿かわせみ』(G2演出)、10月にはDステ19th『お気に召すまま』(青木豪演出)への出演が控える。平埜は、9月に『DISGRACED』(栗山民也演出)への出演が決定、今後がますます期待される逸材だ。高橋は、5月の『御宿かわせみ』で柳下と再び共演、その後、7月に『紙屋町さくらホテル』(鵜山仁演出)に出演する。

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出会いがあれば、別れもある。フィラデルフィアのノースカマックストリート6040番地から、三人はまた、新しい一歩を踏み出す。
「男同士は時々、励まし合うために肩を抱き合うもんだ」
劇中のハロルドの台詞のように、最後、三人は固く肩を抱き合った。

小劇場で、じっくりと丁寧に作り込まれた秀作。“演劇”そのものの魅力を、シンプルに、目撃した観客の心の奥まで届けてくれた。魂まで震わせるように押し寄せる感情の波、残る温もりは、忘れられない、忘れたくない記憶となった。

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『オーファンズ』
翻訳:谷賢一
演出:宮田慶子
出演:柳下大 平埜生成 高橋和也
東京公演:2016年2月10日(水)~2月21日(日)東京芸術劇場 シアターウエスト
兵庫公演:2016年2月27日(土)~2月28日(日)新神戸オリエンタル劇場

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