作曲家・三枝成彰によるオペラ『Jr.バタフライ』のイタリア語版が、日本で初めて上演されることが決定した。2004年に日本語版が東京にて世界初演され、その後2006年にイタリアのプッチーニ音楽祭(第52回公演)で日本語版を字幕付きで上演。さらに、2014年(同音楽祭第60回公演)にはイタリア語版として再上演され、日本人作曲家によるイタリア語歌詞のオペラとして大きな話題を呼んだ。今回、このイタリア語版が日本初上陸し、2016年1月23日(土)に富山・富山県民会館、1月27日(水)に東京・Bunkamuraオーチャードホールで上演される。
関連記事:先日オーチャードホールにて行われた濱田めぐみ20周年記念コンサートのインタビューはこちら
本作はプッチーニのオペラ『蝶々夫人』の続編にあたり、太平洋戦争を背景に日本人の母のもとに生まれながらアメリカ人として生きて来た蝶々夫人の息子“Jr.バタフライ”が、日本人女性との真実の愛を貫く姿を描いている。台本は、作家・島田雅彦が担当。
本作の誕生の裏側について、三枝は「1998年に新作オペラの構想を話していたときに、島田さんと“『蝶々夫人』にはピンカートンと蝶々夫人の間に生まれた幼い息子が出てくるが、母が死んだあとどうなったかは語られていない”と話していた。日本とアメリカの血を受け継いだ彼が、激しく移り変わる時代の中でどういう人生を歩んだのか、以前から興味があった」と明かしている。
今回上演されるイタリア語版は、初演時の日本語台本を2014年のイタリア公演に合わせて全編イタリア語に直したもので、今回はイタリア人キャスト(日本語字幕付き)で上演される。日本人の手がけるオペラが、イタリア語で、しかもイタリア人キャストで上演されることは極めて稀であるため、貴重な公演になるだろう。
本場イタリアでも絶賛された三枝成彰 オペラ『Jr.バタフライ』は、2016年1月23日(土)に富山・富山県民会館、1月27日(水)に東京・Bunkamuraオーチャードホールにて上演される。