2015年3月7(土)より東京国際フォーラム ホールCにて開幕した『ウィズ~オズの魔法使い~』。初日を迎える前に行われた公開リハーサルの模様をお伝えしよう。初日を飾るヒロインは、梅田彩佳(NMB48)。劇場に足を踏み入れると、そこはすでにカンザスの田舎町。温かな家庭を思わせるリビングのセットが置かれている。これから始まる冒険の予感に、胸が膨らんだ。
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幕が上がり、カンザス名物の大竜巻に巻き込まれ飛ばされると、宮本亜門が集めた最強クリエーターたちの手によって生み出された「オズ」の世界が待っている。まず、注目したいのは音楽。40年間第一線で活躍し続ける森雪之丞の訳詞と、日本のR&Bの第一人者であるNao’ymtの編曲により現代的にアレンジされた音楽は、聞けば思わず身体が動き出してしまいそうな力を持っている。視覚的にも、美術監修の増田セバスチャンの世界に、岩谷俊和のカラフルでポップな衣装と真鍋大度が作り出す映像が溶け込み、見事な魔法の世界が成立していた。
そして、注目すべきは梅田が作り上げた新しいドロシーの姿。梅田ののびやかな歌声は、劇場を圧倒的な“愛”と“優しさ”を持って包み込む。囲み取材でも宮本に「おっとりしていてとても優しい」と評された、梅田らしさ溢れるドロシーになっていた。オズの国で出会う佐賀龍彦演じる“のうみそのないかかし”、JONTE演じる“心のないブリキ男”、エハラマサヒロ演じる“勇気のないライオン”という仲間たちとの冒険は、2年前のオーディションの最終選考で惜しくも役を逃し、再び巡ってきたチャンスをつかみ、苦しみながらも乗り越えてきたここまでの道のりと重なるようで、より一層喜びを響かせているようだ。
公開リハーサルは梅田バージョンだったが、もうひとりのヒロイン、田野優花(AKB48)バージョンの一部も披露された。梅田とは正反対の性格だという田野。緊張する様子もなく、舞台の上でも元気いっぱいの笑顔で力強い歌声を響かせる。そのはつらつとした印象は、梅田とはまったく違うドロシー像を想像させる。二つのまったく違う個性が、競い合い磨き合う、これぞWキャストの醍醐味といったところ。
人はみな、どこか自信が持てず抱えている悩みがあるもの。それを解決できるのは、他の誰でもない自分自身。誰かと出会い、感じ、一歩前に踏み出す自分のその足が、きっと行きたい場所に連れて行ってくれる。物語に秘められた強いメッセージをぜひ劇場で感じてほしい。
『ウィズ~オズの魔法使い~』は、下記日程にて上演される。
2015年3月7日(土)~3月22日(日) 東京国際フォーラム ホールC
2015年4月4日(土)~4月5日(日) 大阪・梅田芸術劇場メインホール
2015年4月18日(土)~4月19日(日) 愛知県芸術劇場大ホール
2015年4月25日(土)~4月26日(日) 福岡・キャナルシティ劇場