KAAT×劇団地点が満を持しておくるチェーホフ作『三人姉妹』

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2015年3月、KAAT神奈川芸術劇場と劇団地点の共同制作作品第5弾として、チェーホフ作『三人姉妹』が上演される。劇団地点の代表・演出家の三浦基は、これまでに継続的にチェーホフ作品に取り組んでおり、『かもめ』で利賀演出家優秀賞を、『桜の園』で文化庁芸術祭新人賞を受賞している人物。地点とKAAT神奈川芸術劇場との共同制作作品は、これまで芥川龍之介の小説をコラージュした『Kappa/或小説』、太宰治の短編小説をコラージュした『トカトントンと』『駈込ミ訴ヘ』、ドストエフスキーの長編小説を舞台化した『悪霊』がある。

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過去の作品では、第一線で活躍する建築家に舞台美術を依頼するなど、自由な発想で小説を原作とした演劇作品の新しいあり方を提示してきたが、第5弾となる本作では初めて戯曲に挑戦する。本作は、当時劇団青年団内のユニットとして活動していた地点が2003年と2004年に上演しており、まさに三浦の初期の代表作。今回は美術プランを一新し、正面を向いたまま動かない三人姉妹像を発展させ、キャストも大幅に変更される。

オーリガ、マーシャ、イリーナの三人姉妹と長男のアンドレイが暮らすプローゾロフ家では、旅団長だった父親の一年前の葬儀の記憶もようやく薄れ、末娘のイリーナの「名の日」の祝いが開かれようとしている。中隊長ヴェルシーニンの来訪によって、三姉妹にモスクワでの記憶がよみがえる。家庭を持つ次女マーシャと不幸な家庭生活を送るヴェルシーニンの実りのない恋。トゥーゼンバフ男爵のイリーナに対する片思い。それぞれに満たされぬ想いを抱きながらも平穏な姉妹の生活は、アンドレイが結婚し、妻のナターシャが家に入るようになってから一変していく…。互いに頼るもののなくなった姉妹たちが「生きよう」と語り合うラストシーンは必見だ。

出演は、安部聡子、石田大、伊東沙保、小河原康二、岸本昌也、窪田史恵、河野早紀、小林洋平、田中祐気。

KAAT×劇団地点 共同制作作品第5弾『三人姉妹』は、2015年3月9日(月)~22日(日)まで、KAAT神奈川芸術劇場中スタジオにて上演される。

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