周防正行原作の映画『シコふんじゃった。』が公開された1992年。当時、劇団☆新感線の新人だったフランキー仲村が本作に衝撃をうけ、周防監督へ直談判し上演許可を得て、自身の立ち上げた劇団「激富」(げきとん)で『シコふんじゃった。』を舞台化した。そこから23年経った2015年、本作が「激富」で再び舞台化されることが決まった。
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本作は、軟弱でごく普通の大学生が、卒業のための単位取得目的で、弱小の大相撲部に入って奮闘する物語。相撲のしきたりに翻弄されながらも、青春の熱き魂をぶつける人生の『土俵』を見つけようとする様は、コミカルでありつつも、いつしか物語に引き込まれていく強さを感じさせる名作である。
劇団「激富」とは、当時劇団☆新感線に所属中のフランキー仲村が結成したコント集団「激男富田林」を前身として1992年に旗揚げした劇団。劇団☆新感線の稽古場が隣接されていたありし日の大阪扇町のミュージアムスクエア「フォーラム」で上演した『熱き心に~熱海殺人事件より~』が劇団第1作。終演曲として小林旭の『熱き心に』を流した事が当時の関西小劇場界では話題となった。
当時を振り返って、フランキー仲村はこう語る――
若かりしフランキーはとてつもない事をやらかすのです。
『シコふんじゃった。』を舞台でやりたいのですが!!」と無謀なお願いをした所、
周防監督は快くOKを下さいました。
すごく懐の深い!!うれしかった!!
みんなに「そんなことありえへんで!!」と言われました。
むちゃくちゃ、うれしかった!!
一生懸命、当時のキャストで考え作った事を今も想い出します。
しかし、公演終了後、新感線のいのうえ(ひでのり)さんからダメだしをもらいました。
「お前は楽をしている。これは脚本が完成されていて、それをそのままやっただけ…」
そうです。『シコふんじゃった。』はよく出来ているんです!
「これから激富をやる時はオリジナル作品しかやったらダメ!!」
この経験が今のフランキーを支えていると言って過言ではありません。
そのダメだしは、今のフランキーの宝物なのです。
『楽しちゃダメ!!』
今回、『シコふんじゃった。』に挑むのは、激富の新人中尾周統をはじめ、若手団員たち。また、フランキー仲村も特別出演として、4年振りに役者としてステージに上がる。「楽しちゃダメ!!」精神で新旧“若手”が2015年版の舞台をどう作り上げていくかが見どころだ。
舞台『シコふんじゃった。~Youth of only one time~』は、2015年2月5日~8日、大阪・芸術創造館で上演される。