2015年2月、CSチャンネル衛星劇場にて、『井上芳雄による「夜と霧」 ~苦しみの果て、それでも人生に然りと云う~』がTVで初放送される。『夜と霧』とは、精神医学者で心理学者のヴィクトール・E・フランクルが、自身の第二次世界大戦中、ナチスにより強制収容所に送られた体験を綴った体験記。原著は1947年に発表され、日本でも1956年に『夜と霧』のタイトルで発表され、ロングベストセラーとなっている。
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フランクルは、ナチス・ドイツの小規模強制収容所での過酷な経験について、心理学の立場から解明しようとした。重労働、貧しい食料、劣悪な環境、ナチス親衛隊員や収容所監視兵だけでなく、被収容者間での酷い人間関係、ガス室送り(処刑)の恐怖、いつまで続くかわからない収容所生活…。その収容所生活における被収容者の心の反応を、施設に収容される段階、収容所生活そのものの段階、収容所からの出所ないし解放の段階という三段階に分けて考察した。
本作にリーディングで向き合うのは、ミュージカル界のプリンスこと井上芳雄。井上自身も本作を“生涯の一冊”としており、思い入れのある作品だという。この放送では、初顔合わせから、会場入り、リハーサルなど、舞台裏にも密着している。演出は笹部博司が手がけ、音楽を宮川彬良が手がけている。
出演は、井上芳雄、廣川抄子(ヴァイオリン演奏)、大田智美(アコーディオン演奏)
『井上芳雄による「夜と霧」 ~苦しみの果て、それでも人生に然りと云う~』は、CSチャンネル衛星劇場『劇場への扉~素晴らしき演劇の世界~』にて、2015年2月8日(日)16:30から、2月20日(金)7:30からオンエアされる。
撮影:東浦一夫