シナリオクラブ主催の第六回発表会が武蔵野芸能劇場にて9月28日(日)に開催される。
シナリオクラブとは、舞台台本やシナリオを読みあう、主婦や会社員、シニアの方々などが集まるカルチャークラブ。参加者は、 ジュリエットやリア王、殺し屋や、関西のおばはん…その時その時で自分とは全く違うキャラクターになりながら、心のままに演じていく。
毎回アドバイザーとして現役の俳優が参加し、演技指導というより「共演」してくれることも魅力のひとつ。今回の演目は「岸田國士の短篇集たち」。演出を手がけるのは、舞台演出家・蜷川幸雄の舞台に数多く出演している俳優の清家栄一だ。
清家は、「皆さん、すべての方が、自分の人生では主役です。自分自身ではない、他人の人生を味わい、そして演じることを楽しんでいます。そのためには、一人一人全員が、絶対に主役でなければならないのです」と語る。
このシナリオクラブの演出は、有名演出家でもなかなか難しい条件がある。それは、出演者すべてが主役であること。前回の演目は、ギリシア悲劇「王女メディア」。なんと主役のメディア役は23人だったとのこと。同じ場面に、何人ものメディアが登場しながら、見事に一つの作品として完成させたという。献身的につくした夫に裏切られ、怒りのあまり自分の愛する子供を使って夫に復讐する王女メディア。23人のメディアの、恨みと悲しみのセリフは想像を絶するものだったという。
今回の「岸田國士の短篇集たち」の見どころについて、清家は「今回は、短編集です。2部に分かれているから前回みたいなことはないですけどね(笑)大正時代を舞台にした日常の物語だけれど、シナリオクラブならではの、小粋でドラマチックな感じに仕上がっています。見に来ていただいた方に、これが素人の面白さだと伝えたいですね」
この魅力にすっかり取りつかれた人々が、東京や関東圏だけでなく、日本中からやってくるという、シナリオクラブ 第6回発表会「岸田國士の短篇集たち」は、東京・武蔵野芸能劇場にて、9月28日(日)第1部は11:30、第2部は14:30に開演する。入場無料。