ミュージカル『キム・ジョンウク探し~あなたの初恋探します~』村井良大インタビュー!「この作品に運命的な出会いを感じています」

当ページには広告が含まれています

会社をクビになったさえない男が始めた、初恋の人を探す会社、その名も「初恋探し株式会社」。そこへやってきたヒロインとともに、初恋の男“キム・ジョンウク”を探すのだが―。韓国発の人気創作ロマンティック・コメディ・ミュージカル『キム・ジョンウク探し~あなたの初恋探します』でさえない男とキム・ジョンウクの2人を演じる村井良大にインタビュー!

『キム・ジョンウク探し』村井良大インタビュー

関連記事:韓国発ラブコメミュージカル『キム・ジョンウク探し』村井良大主演で日本ver.初上演!

――この作品の出演を決めたのは?

最初にお話を頂いた時に、韓国創作ミュージカルで、一人二役とヒロイン、あと一人22役やるマルチマンの三人芝居だと聞きまして。すぐに「やります!ぜひやらせてください」と答えました。少人数芝居が好きだということもありますし、一人22役のマルチマンがいるという面白さにも惹かれたんです。少人数で何役も演じるのは、役者の力量が問われるけど、それをやろうとする面白さがあると思う。妥協せず「こうしたほうが面白い」と突きつめて作ったものだとわかるので、それがすごく響いたというか。

少人数で作るアナログな感じが、僕はすごく好きですね。一人で22役なんて、どう見ても同じ人がやってる!ってなるじゃないですか(笑)。それもまた面白さの一つで。それも少人数ならではの楽しみ方、それも今回の舞台づくりの面白さかなと思っているんです。

――この作品は、韓国ソウル大学路の小劇場で2006年に始まって2014年までロングランされていた人気ミュージカルですね。台本を読んでその人気の理由を感じましたか?

『キム・ジョンウク探し』村井良大インタビュー_4

まだ音楽を聞いていないので、台本だけを読んだ7割くらいの状態で言うと、ストーリーの内容や流れの作り方がすごく“韓国っぽい”な、と思いました。韓国の作品って、セリフの使い方もそうですが、非日常のなかに日常感を出すのがうまいというか。すごくリアリティを大事にしているような気がする。それが日本の作品と違うところかな。

日本で非日常をやると「いやいや、そんのないから」って突っ込まれるところが、韓国作品はそうなんだけど納得できる・・・なんでしょうね、アメリカ作品に近い感じというか。うまく説明できないんですけど、そういう“リアル”があると感じられて。あと、ちょっと強引さもありますよね。そのバランスも面白いと思います。

今回、日本版として多少変えているところはあるけれど、基本的に韓国版をそのまま生かしているんですよ。電車の駅名とかもそうだし、軍隊のエピソードもそのまま。いわゆるコリアンジョークも。あと、そうそう!韓国作品って絶対お酒を飲むシーンがありますよね。飲みに行って吐いちゃうとか(笑)。あれは韓国の日常なのかな?日常の様子が色濃く出ている気がします。しかも創作ミュージカルだから、余計に作品の中でその色が濃いのかもしれないですね。今年で初演から10周年だけど、それだけ愛されている理由が台本を読んでわかりました。

――韓国で上演された時の映像とか、映画版は見ているんですか?

僕、あえて韓国で上演された舞台や映画版の映像を見ていないんです。韓国の雰囲気を台本から感じながら、自分なりにリスペクトして作っていこうと思って。それが日本のお客様に見せる新しいコメディの形になったらいいですね。

――先ほど、韓国のエンタメでは・・・みたいな初現場ありましたが、韓国のエンタメ事情に詳しいですか?

『キム・ジョンウク探し』村井良大インタビュー_5

いえ、そこまで見てはいないです。でも、韓国エンタメのイメージって、ラブコメ作品がたくさんあって、一方で真逆のめっちゃダークなものもあったりする印象があります。どちらにしても、徹底してやるからすごい好感がもてるというか。それが突き抜けているから、面白いんだと思います。

あと、日本だったらそうはならないだろうというストーリー展開も多くて、それはすごいなと。

――まだ台本を読んだ印象だけとは思いますが、現段階でご自身が演じるさえない男ミニョクとキム・ジョンウクの二役をどのように捉えていますか?

このお話をいただいたときやポスター撮りの段階では、すごくダメダメな感じとすごく二枚目な感じの二役でした。でも、台本を読んでみるとキム・ジョンウクは二枚目でハンサムなところのが見え隠れするけど、案外普通の人というか。普通なんだけど、魅力的な人を作るイメージだなと。ミニョクもダメダメ男と書いてはあるけど、実はそうじゃないのかなという部分が見え隠れしてる。今はまだまだ二人の魅力探しをしているところです。

――一人二役を演じる難しさは?

『キム・ジョンウク探し』村井良大インタビュー_3

以前一度だけ、一人二役を演じたことがあるんですが、一人二役って大抵は真逆の役をやりますよね。だから、意外と演じるほうも違うアプローチでやればいいからやりやすかったりする。でも今回はまだどういうふうに固めていこうか考えているところです。22役演じるマルチマンの駒田さんはどこを基盤にしてキャラを作っていくのかな?駒田さんとお話しながら、今回のキャラクターの作り方が固まってくるのかもしれません。

――マルチマンが駒田一さんというのも楽しみですよね!

絶対面白いですよね。駒田さんとはまだスチール撮影の時しかお会いしていないのですが、菊田一夫演劇賞も受賞されたし、その勢いでね。
実は僕も将来マルチマンがやれるようになりたいです。20年後にもやれるなら、30周年とかに。ぜひやりたいですね。

『キム・ジョンウク探し』村井良大インタビュー_6

――もう一人のキャストは、アン・リタ役の彩吹真央さんですね。

彩吹さんは、以前『道化の瞳』で拝見しました。目の見えないお母さん役を演じられていて、本当に素敵な女優さんだなと思っていました。この前観にいった舞台(『九条丸家の殺人事件』)にも出演されていて。コメディ作品だったんですけど、それを観て「ああこの方コメディ好きなんだろうな」って実感しました(笑)。

宝塚の第一線で活躍されていた人なのに、それを捨て去るような感じにすごい好感を持ったというか。一緒にこれから作品を作っていくなかで、いい感じに作用していけたらいいなと思いますね。

――村井さんもコメディはお好きみたいですね?

はい。コメディって簡単に人を幸せにしてくれますよね。息苦くて辛い作品は、個人的にはあまり得意じゃないんです。ただただ笑って、「あっという間だったね、この後何食べ行く?」って感じがいい。それくらいだとさらに演劇が身近になるんじゃないかと思うんです。

笑って、楽しくて、いい舞台だったねって思うような。人生を変えるような作品ももちろんあるけど、コメディだって心に残るものがあると思う。そういうものをこれからもやりたいなと思いますね。

――演出に菅野こうめいさん、振付に広崎うらんさんというのも楽しみです。

『キム・ジョンウク探し』村井良大インタビュー_7

まだお話したことはないんですが、菅野こうめいさんは、寡黙で口数が少ない分、うわべを絶対使わない人のイメージ。なので、すごく信頼できる方だと思っています。うーちゃん(うらんさん)にはこれまでに何度も振付をしてもらってるので楽しみだけですね。ちゃんとお芝居を捉えて振付される方なので。だから作っていく過程で大変なことがあるとは思うんですけど、楽しくなりそうです。

――村井さんが思う、本作の見どころは?

途中から、ミニョクと、アンリタ、この二人の関係がだんだん分からなくなっているというか、「おっと、どうなるこれ!」って展開になっていくんです。

これがね、悲しくもあり、笑いでもあり・・・いいんですよ。ちょっともやもやと進んでいく感じ、「どうするのよ!」みたいな感じが(笑)。最初は笑って見られる作品だなと思ってたら、「ここでそういう展開になる?」っていう。これはね意外とタイトルに騙されるところもあると思うな。日本の作品ではありえない流れなんだけど、それがいらやしくないし、その意外な展開を楽しんでいただきたいなと。

――楽しみにしています!では、最後にメッセージをお願いします。

『キム・ジョンウク探し~あなたの初恋探します~』は、韓国では10周年を迎えた作品です。創作ミュージカルが10年も続くってなかなかないだろうし、もう歴史的な作品だと思うんです。

実は僕も俳優を始めてから今年で10周年。しかも僕の好きなラブコメなので、これは運命的な出会いだと思っています。僕の中でも非常にやりがいを感じているし、これに全精力を注いでいきたい。ぜひ観に来ていただければと思います。

『キム・ジョンウク探し』村井良大インタビュー_2

◆『キム・ジョンウク探し(邦題:あなたの初恋探します)』公演情報
6月12日(日)~6月26日(日) 東京・よみうり大手町ホール
6月29日(水)・6月30日(木) 大阪・サンケイホールブリーゼ

◆プロフィール
村井良大(むらいりょうた)
1988年6月29日生まれ、東京都出身。2006年デビュー。最近の出演作に、舞台『里見八犬伝』、舞台『弱虫ペダル』シリーズ、『殺意の衝動』、ミュージカル『RENT』、『SHOWル・リアン』、ドラマ『乾杯戦士アフターV』、『俺旅。』、映画『醒めながら見る夢』、『ハンガー・ゼット』、『ドクムシ』など。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次