ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』が、中国ツアーとして2025年8月より上海、長沙、成都、武漢、深圳、北京の6都市で上演されることが決定した。これを記念し、6月7日(土)に「ハイキュー!! FAN PARK」(千葉・幕張メッセ国際展示場)内にて公開マスコミ発表会が実施された。

中国ツアーキャスト発表!ビジュアルお披露目も
取材会に登壇したのは、新キャストとして発表された烏野高校の日向翔陽役・二宮礼夢と影山飛雄役・原昇亜、青葉城西高校の及川徹役・藤林泰也と岩泉一役・鈴木恋、そしてハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』の初代・日向翔陽役、そして劇団「ハイキュー!!」で演出を務める須賀健太も登壇。集英社「週刊少年ジャンプ」編集部の東律樹、制作会社である株式会社ネルケプランニング代表取締役社長の野上祥子も駆けつけ、プロジェクトへの熱い思いを、MC鎌苅健太の司会のもとオーディション時のエピソードなどを語った。
新生烏野、誕生! “日向”二宮礼夢と“影山”原昇亜
イベント当日の朝、中国ツアーのキャストとメインビジュアルが発表された。主人公・日向翔陽役を射止めたのは二宮礼夢(ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 聖ルドルフ・金田一郎役など)。元々原作の大ファンで「アニメはもう11回見ているんですけど」と筋金入りのファンであることを告白した二宮は、「僕が未だにこれ(烏野のユニフォーム)を着ているっていうのが不思議で・・・。新鮮な嬉しい気持ちと、理解できないという複雑な気持ちで頭の中がごちゃごちゃしちゃってます」と、憧れのユニフォームに袖を通した心境を率直に語った。
オーディションの時のことを聞かれると、「オーディションを受けていた時も記憶がほとんどないんです(笑)。舞い降りてきたというような感じで、日向がスッと入ったような感じで、あんまり覚えてないんです」と振り返る。しかし、その裏では「でもお腹はめちゃくちゃ痛かったです」と、日向と同じような緊張からくる症状と戦っていたことも明かした。
日向の相棒・影山飛雄役を演じるのは、カンパニー最年少となる16歳の原昇亜だ。「今めちゃくちゃ緊張してます」と語る原もまた、「僕も『ハイキュー!!』がめちゃくちゃ大好きで、漫画もアニメも、何回も何回も見返していて」と、作品への並々ならぬ愛を口にする。「オーディションで(部屋に)入る時に足がガクガクすぎて、力を入れないと歩けないみたいな状況でした。本当にありがとうございます。そして、これからよろしくお願いします」と初々しく挨拶した。ちなみに、オーディションの際に選ぶ側は「ドアから入ってくる一歩目の姿」に注目しているそう。
“劇団ハイキュー”から受け継がれる青城の絆
青葉城西高校の及川徹役・藤林泰也と岩泉一役・鈴木恋は、劇団『ハイキュー!!』から引き続き同役を務めることとなるが、一からオーディションを受け、改めて役を獲得したという。
藤林は、登壇時に立ち位置を間違えるというお茶目な一面を見せつつ「僕を超える及川がいなかったのかなと」と冗談を飛ばし会場を沸かせた。そして、「もう一回オーディション受けさせていただいている時、脳裏に須賀さんの怒っている顔が浮かぶので、ちゃんとしないと!と思って(笑)。また及川を演じることができて本当に光栄ですし、劇団『ハイキュー!!』で学んだことを、ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』にでも活かせたらなと思います」と決意を新たにしていた。自由な藤林をお世話(?)する岩泉役の鈴木とのコンビネーションもすでに出来上がっている。
アジアでの絶大な人気を受け、6都市ツアーが実現
中国ツアーが決定した経緯について、「週刊少年ジャンプ」編集部の東は「実は今、『ハイキュー!!』がアジアですごく人気がありまして」と説明。昨年夏に上海で行われたアニメイベントには、約1万人が集まったそうだ。
また、上海や中国の方々から、『ハイキュー!!』の舞台を生で見たいという声をたくさん届いたことで、今回の6都市39公演という大規模なツアー実現に繋がったと明かした。原作者の古舘春一も、この決定を大変喜んでいるという。
ネルケプランニング代表取締役社長の野上も「『ハイキュー!!』という作品を海外で上演できるということは、今が平和だって証拠だから。喜んでいただけるように、丁寧に作っていきたいと思います」と真摯な思いを語った。
初代・日向翔陽役の須賀健太からエール!そして上海でのサプライズが急遽決定?!
お祝いに駆けつけた、演劇「ハイキュー!!」初代・日向翔陽役の須賀は「おかえり!俺、出ないけど!!」と第一声を発し、会場の笑いを誘った。そして「僕は3年半で256ステージやらせていただいたんですけど、今回その初演が再演されるということで。また最初に戻って、一からみんなが新しく積み上げてくれることが何より嬉しいです」と、後輩たちへ温かい眼差しを向けた。
「僕は今、劇団『ハイキュー!!』の演出をやらせていただいていますが、僕らがやってきたハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』から“繋ぐ”からというのが大きな目標でした。その劇団『ハイキュー!!』から、今度は2人(藤林、鈴木)がオーディションで役を勝ち取って、また新しい一歩を“繋いで”くれることを本当に嬉しく思っています」と、新カンパニーへの深い思いを語った。
また、先輩として「怪我には気をつけて。また違う環境の中でお芝居をすることになると思うので、何よりも身体が資本。今から鍛えておくと絶対自分のためになるので、ぜひたくさん鍛えておいてください。あと、できないことはできないって言うこと(笑)」と、愛情のこもった具体的なアドバイスを送った。
さらに発表会では、MCの鎌苅から「須賀さんは中国公演、観に行かれますよね?」と振られると、須賀は「・・・行きます!せっかく行くなら、やっぱりハイキューの日(8月19日)に」と力強く宣言。すると、東と野上が「8月19日にわざわざ来てくれるんだったら、イベントやってもらいたい!」と声を上げ、会場のファンからは期待の拍手が沸き起こった。
突然の流れに、須賀はキョロキョロしながらも「イェーイ!やろうやろう!」とノリノリで応え、その場でサプライズイベントの開催が決定。本当に実現するのか?!続報に期待だ。
新ビジュアルに想いを乗せて
イベントでは、公開されたばかりの新ビジュアルとCMも上映された。キャスト陣からも「かっこいい!」と声が上がり、CMに過去の自身の姿が映った須賀は「ちょっと恥ずかしい」と照れ笑い。
野上は「今作のメインビジュアルでは、バレーボールは一つのボールをみんなで繋いでいくということで、みんなが同じ方向を向いています。そして後ろのハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』という丸いデザインは、もちろんボールを模していますが、世界に向かっていく、という思いも込めています」と、グローバルな展開への願いを明かした。
「日向は烏野高校に自転車で山を越えていきますけど、僕は海を超えちゃいます!!」
最後に、鈴木は「ここまで愛されててる『ハイキュー!!』に携わることができて本当に嬉しく思います。繋がれてきた『ハイキュー!!』を中国の皆さんにお届けできることを本当に楽しみにしています」、藤林は「劇団『ハイキュー!!』とは全然違うと思うので、その違いも楽しんで、『ハイキュー!!』という作品を一人でも多くの方に届けられたらなと思います」とそれぞれコメント。
原は「この役を演じさせていただくということがすごく貴重な機会だと思いますし、これから影山くんと一緒にストイックに、一生懸命がんばります!」と決意表明し、二宮は「僕はお芝居っていうのはバレーボールと同じだと思うんで、“繋ぐ”ってことが大事だと思っています。今まで関わってきてくださった全ての方々の思いも繋いで、楽しんでいきたいと思います!日向は烏野高校に自転車で山を越えていきますけど、僕は海を超えちゃいます!!(地声で)よろしくお願いしまーーーす!!!」と、元気いっぱいにアピールした。
最後に、須賀が「ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』初演から10年です。色々ありました。楽しいこと、嬉しいことだけじゃなかったシリーズだったかもしれません。でも繋いできたから、今回があると思います。全員で繋いだ先の世界への一歩だと思ってます。ぜひ彼らを応援してください。一緒に楽しみましょう!」とシリーズのファンへのメッセージと新カンパニーへのエールで、発表会を締めくくった。
ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』まずは中国へ!そして、またいつの日か日本でもあの衝撃を再び味わえる日が来たら嬉しい。少しずつ世界へと足を踏み出している日本の2.5次元舞台。演劇『ハイキュー!!』の“飛翔”が、次の機会へと繋がることを願っている。
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部1号)
<公演概要>
公演タイトル: ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」中国ツアー
期間・劇場:
上海: 2025年8月16日(土)~8月24日(日)/前灘31文化演芸中心大劇場
長沙: 2025年8月29日(金)~8月31日(日)/梅溪湖国際文化芸術中心大劇院
成都: 2025年9月5日(金)~9月7日(日)/四川大劇院
武漢: 2025年9月12日(金)~9月14日(日)/琴台大劇院
深圳: 2025年9月19日(金)~9月21日(日)/深圳保利劇院
北京: 2025年9月26日(金)~9月30日(火)/北京展覧館劇場
原作: 古舘春一「ハイキュー!!」(集英社 ジャンプ コミックス刊)
演出: ウォーリー木下
脚本: 中屋敷法仁
音楽: 和田俊輔
出演:
<烏野高校> 日向翔陽 二宮礼夢 影山飛雄 原 昇亜 月島 蛍 高尾昇吾 山口 忠 安宅波颯 田中龍之介 中嶋 健 西谷 夕 樋口明志 縁下 力 市川潤伎 澤村大地 池田和樹 菅原孝支 宮地 樹 東峰 旭 鹿子島光人
<青葉城西高校> 及川 徹 藤林泰也 岩泉 一 鈴木 恋 金田一勇太郎 米山剛志 国見 英 海田波知 矢巾 秀 樋口拓海 渡 親治 寺島レオン 花巻貴大 梶山武雅 松川一静 松島博毅
<烏野高校 OB> 嶋田 誠 中尾拳也 滝ノ上祐輔 小沼将大
<烏野高校 顧問・コーチ> 武田一鉄 藤原 薫 烏養繋心 石田 隼
企画制作: ネルケプランニング
監修: 集英社(「週刊少年ジャンプ」編集部)
製作: ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会
主催: 陸排壹座、保利演藝、璞潤
公式サイト: https://engeki-haikyu.com/202508/
公式X: @engeki_haikyu (https://x.com/engeki_haikyu)