ケレン味とスペクタクル感満載のエンターテインメントを作ることを目的に、ヴィレッヂの若きプロデューサーが立ち上げた“浅まる企画”。その第1弾として、舞台『きたやじ オン・ザ・ロード~いざ、出立!!篇~』が開幕した。
浅まる企画『きたやじ オン・ザ・ロード』とは?
江戸時代後期から読み継がれ、これまでも映画、漫画、歌舞伎、TVドラマなどにアレンジされてきた名作、「弥次さん」「喜多さん」でもお馴染みの『東海道中膝栗毛』をベースとし、昭和の世話もの(義理・人情・恋愛話)作品をオマージュした新作書き下ろし作品。
主演の喜多八に中川大輔、バディ役の弥次郎兵衞に牧島輝。さらに、浅川梨奈、尾上寛之、和田雅成、秋山菜津子、山本亨らが名を連ね、脚本はシライケイタ、潤色・演出はウォーリー木下が担当する。
中川大輔、牧島輝の一言にモゴモゴ・・・
開幕前日に行われた取材会には、主演・喜多八役の中川大輔、喜多さんのバディ弥次郎兵衞役の牧島輝、敵役となる八乙女組2代目・瞬太郎役の和田雅成が登壇した。
作品の手応えを聞かれた中川は「めちゃめちゃあります!全世代の人が楽しめる喜劇になっています。家族の話が出てくるんですが、家族っていいな、と思える作品にもなっていると思います」と力強く語った。
中川と牧島が共作した今舞台のグッズについて話が及ぶと、牧島が開口一番「もう二度と(共作は)やりたくない・・・」と苦笑い。何やら、中川は言い出しっぺのはずが、牧島がラフ案を出せども出せども、全然返事をくれなかったとか。「年末年始を挟んでたんで・・・」とモゴモゴする中川に「年末年始はみんな一緒!」と牧島は鋭いツッコミ。
まさに、幼なじみの江戸っ子“きたやじ“が容赦なくふざけ合っているような一幕に、少し年長の和田が「あー・・・、2人、仲悪いわけじゃないですよ」とこれまた役柄同様クールにフォローし、取材陣を和ませ、カンパニーの仲の良さを感じさせた。
そして、舞台の仕上がりについて、3人一同に「ストレートに面白い作品になっている」とアピール。スピード感とお祭り騒ぎに身を任せながら、ド直球の喜劇に仕上がっているとアピールした。
きたやじに笑わされ、あっという間の2時間半!
幕が上がるとそこは江戸、旅芝居小屋の舞台上。三味線の調べと長唄、殺陣を取り入れた群舞に引き込まれ物語のなかに。喜多八(中川)と弥次郎兵衛(牧島)の出会いから、伊勢への旅が、スピード感のある映像と音楽、演者たちの歌や立ち回りで描かれていく。
ガラリと雰囲気が変わるのは、敵方の八乙女組の賭場。妖しげな光の中、「張った張った」と歌い上げる、女親分・お蝶(秋山菜津子)の妖艶さ。オジキと呼ばれる男(山本亨)の凄み。そして、待ってました!二代目・千里眼の瞬太郎(和田)のクールな台詞は、柔らかく丁寧で逆に怖い。オジキが殺陣で魅せ、瞬太郎は千里眼を使ってスルスルと敵の間をすり抜ける。人の心を読み動く演出は必見だ。
「オン・ザ・ロード」のタイトル通り、あっちこっちの往来で、出会って、語り合って、ケンカして、笑って泣いて、歌って踊って。終始、能天気なきたやじたちに「バカだなあ」と笑わされながらも、世の中そう単純でもないんだよね・・・、というコントラストで物語が進み、2時間半はあっという間!
観劇後の帰り道はきっと、「♪よいよいやっさやっさそらそらよい!」がこだまして、爽快な気分になれるはず。
(撮影/田中亜紀、レポート/竹田理紀)
舞台『きたやじ オン・ザ・ロード~いざ、出立!!篇~』はいつどこで上演される?
【東京公演】2025年3月1日(土)~3月16日(日) 日本青年館ホール
【大阪公演】2025年3月21日(金)~3月23日(日) SkyシアターMBS
【作】シライケイタ
【潤色・演出】ウォーリー木下
【出演】
中川大輔 牧島 輝/浅川梨奈 尾上寛之/和田雅成/市川しんぺー 佐藤真弓 村上大樹 百瀬朔 インディ高橋/秋山菜津子 山本亨
遠藤令 鈴木智久 花陽みく 真鍋恭輔 村田実紗
【公式サイト】https://www.asamaru-kikaku.com/
【公式X(Twitter)】@asamaru_kikaku