2025年2月から4月にかけて東京・大阪・福岡で上演予定のミュージカル『昭和元禄落語心中』の制作発表が1月31日に行われ、山崎育三郎、明日海りお、古川雄大が登壇。本作への意気込みやそれぞれのキャラクターの魅力などを語った。
ミュージカル『昭和元禄落語⼼中』とは
落語界を舞台に、芸に生きる人々の葛藤と愛憎を描いた雲田はるこの漫画「昭和元禄落語心中」を初ミュージカル化した本作。原作は第17回「文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞」、第21回「手塚治虫文化賞新生賞」を受賞している。
舞台は昭和初期。落語の世界に入った菊比古(八雲)は、同期入門の天才・助六と固い友情で結ばれる。芸者・みよ吉にも支えられ、切磋琢磨する二人の姿が描かれる。
天才肌で豪快な助六、努力家で繊細な菊比古(八雲)。固い友情で結ばれる二人の落語家を山崎育三郎と古川雄大が、彼らと懇意になる芸者・みよ吉役を明日海りおが演じる。また、与太郎役で黒羽麻璃央、師匠(七代目八雲)役で中村梅雀が出演。さらに小夏役を水谷果穂、松田役を金井勇太が務める。
山崎育三郎念願のオリジナルミュージカル!
そんな注目作の制作発表には、山崎、明日海、古川が登壇。ステージ上には高座が設られており、山崎はあいさつ終わりに落語を一席。予定になかった見事な語りに続き、明日海も日本舞踊、古川は落語「死神」の一部をアドリブで披露し会場を盛り上げた。
企画としても本作に携わっている山崎は、2018年にNHKで放送されたテレビドラマ版に同役で出演。これまでの数々の経験から「いつか自分がオリジナルミュージカルを作りたい」という強い思いを持っていた山崎は、思い入れ深い本作を「ぜひミュージカルにしたい!」と思うように。そして、舞台版の八雲とみよ吉にふさわしいと感じた明日海、古川に声をかけ、舞台化が叶ったという。
テレビドラマ版のクランクイン直前までミュージカル『モーツァルト!』に出演していた山崎は、「古典落語を9演目覚えなければいけなかったんです。天才落語家を演じなきゃいけないということで、『モーツァルト!』でも袖で覚えたりしていました」と振り返り、「色んなドラマの作品に携わせていただいた中で、最も苦しい、辛い思い出の方が多い作品でした。でも『レ・ミゼラブル』のように、“作品が自分をその役にしてくれる”感覚になれる作品でした」と語った。
明日海は「原作ファン、落語ファンの方、そしてミュージカルを初めて見られる方も楽しんでいただける作品になること間違いなしだと思っております」と自信を見せ、「素晴らしい先輩方と演出の小池先生とこうしてご一緒させていただける機会に感謝しています。とても繊細なドラマ、役柄でもありますので丁寧に描き出していって素敵なみよ吉を演じられればと思います」と意気込んだ。
古川も「昨日一幕を通しまして、あまりこんなことを言うタイプじゃないんですがとても面白いです」と語り、「原作のパワーが強いというのはもちろんあるのですが、面白いですけど。天才・小池修一郎先生、天才・小澤時史さん、そしてそれを歌うのが日本を代表するスターお二人ということで。いろんな魅力が詰まっている作品だと思いますし、日本ならではに仕上がっていると思います。世界に向けての第一歩、初演をぜひ皆さんに観劇していただきたいなと思います」とメッセージを送った。
ミュージカル『昭和元禄落語心中』は2月28日(金)から東京・東急シアターオーブ、3月29日(土)から大阪・フェスティバルホール、4月14日(月)から福岡市民ホールで上演予定だ。