新ミュージカル『スタミュ』新作はチーム柊に浸れる二部構成の単独公演が開幕【レポート】

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新ミュージカル『スタミュ』新作はチーム柊に浸れる二部構成の単独公演が開幕【レポート】

2024年10月4日(金)に東京・IMM THEATERにて、新ミュージカル『スタミュ』スピンオフ team柊 単独公演『Caribbean Groove』が開幕した。初日当日に公開ゲネプロと囲み取材が行われ、牧田一成、小椋涼介、中本大賀、藤岡勇成、新谷聖司が登壇した。

「スタミュ」は、音楽芸能分野の名門・綾薙学園を舞台にした、オリジナルミュージカルアニメ。“憧れの高校生” を追って音楽芸能分野の名門・綾薙学園に入学した星谷悠太を主人公に、ミュージカル学科で夢を追いかける男子学生たちを描いた青春ドタバタ・ミュージカルストーリーとなっている。

新ミュージカル『スタミュ』新作はチーム柊に浸れる二部構成の単独公演が開幕【レポート】

星谷悠太(三井淳平)と対を成す、辰己琉唯率いるteam柊の劇中戯曲をミュージカル化したスピンオフ企画である本公演。演出は吉谷晃太朗、脚本はハラダサヤカが務める。

一部では、辰己琉唯役の牧田、申渡栄吾役の小椋、戌峰誠士郎役の中本、虎石和泉役の藤岡、卯川晶役の新谷の5名が、劇中劇「Caribbean Groove」のキャラクターを演じるという一人二役に挑む。そして、team柊演じる海賊“ブラッディ・ロジャー”が旅路で出会う、レジスタンスのリーダー ジョルジュ役を健人、戌峰誠士郎が演じるジョバンニと浅からぬ仲のアモルテ役を柊木智貴、レジスタンスの若きメンバー ピエール役を新納直が演じる。

二部では、原作シリーズ構成・ミュージカル脚本を担当するハラダによる書き下ろしドラマパートを上演。ここでしか見られないteam柊とその指導者である丸山龍星演じる柊翼とのエピソードと日替わり曲含む4曲で構成されたteam柊によるレビューパートを披露する

新ミュージカル『スタミュ』スピンオフ team柊 単独公演『Caribbean Groove』は10月4日(金)から10月14日(月・祝)まで東京・IMM THEATERにて上演される。

目次

囲み取材レポート:team柊としてカンパニーの絆の深さを垣間見せるキャスト一同

新ミュージカル『スタミュ』新作はチーム柊に浸れる二部構成の単独公演が開幕【レポート】

囲み取材では、それぞれが役の見どころを尋ねられると、最初に辰己琉唯/クリス役の牧田が「クリスはストーリーと劇中歌の中で、過去、現在、未来の成長過程がすごくある役で、そこに大切なシーンがいっぱいあるので、そこをちょっと注目して観ていただけたら嬉しいです」とアピール。

申渡栄吾/アルベールを演じる小椋は「アルベールは基本冷静沈着で、みんなの指揮を執るような航海士という役なんですけど、その途中で、どうアルベールが崩れていくのか、そしてどう冷静沈着じゃなくなっていくのかというのを、ぜひ注目して観ていただけたらと思います」と同じく注目点をアピール。

戌峰誠士郎/ジョバンニを演じる中本は「今回は二部制の作品なんですけど、一部と二部で役がそれぞれ違いまして、その中でジョバンニと戌峰誠士郎という役はキャラクターが全く違うんです。原作者さん側からも、劇中劇の中で戌峰誠士郎というキャラクターを忘れてもらっても構いませんというお話をいただいたので、一部と二部のギャップというものを今回観ていただくお客さんに楽しんでもらえたらと思います!」と戌峰誠士郎らしい元気さを交えて言い切り、笑いを誘った。

虎石和泉/ティエラ役の藤岡は「ティエラはぱっと見ですごく激しい印象だったり、カッコイイ海賊というイメージがあるんですけど、一人一人にちゃんと絆と関係がありまして、一人一人に全然違う対応だったり、時には指揮を執らないといけない場面もあったりします」と見どころを挙げ、続けて、「今回、もしかしたら小さいお子様も観に来ていただけるということなので、そんな男の子、女の子に、こんな海賊がいたらいいな、カッコイイなと憧れてもらえるようなキャラクターになっていますので、全力で演じたいと思います」と意気込みを披露。

卯川晶/アンリ役の新谷は、見どころについて「最初、アンリは臆病で戦うことが嫌いだったり、生意気ではあるけど可愛らしい少年なんですけど、それが後半になりなるにつれてどんどん成長していくんです。最終的に『若く果敢な王が神と手を取り合い』というセリフがあるんですけど、そのぐらい成長します。果敢な王になるまでの過程が見どころです」と説明した。

前作から引き続きteam柊のキャストが続投ということで、チームの絆の深まりや本公演への自信を質問された登壇者たち。中本が「自信はもともとあるんで(笑)」と即答すると、登壇者も大笑い。改めて、藤岡が「でも、前回は5人全員で出る場面が多かった気がするけど、今回は一人一人フィーチャーされることによって、さらにスター性が増して、そこは感じられると思います」と回答。

藤岡の言葉を受けて、小椋は「前作より5人で出るシーンが減ったとはいえ、稽古のオフの時間とかに5人でいることが増えたよね」と稽古を振り返ると、中本も「稽古の休憩時間とかも、ずっと役作りの話だったり、芝居とかダンスの話だったりしていて、明らかに前回よりもお芝居を考える時間が増えたよね。だから、その分も仲が深まりましたし、自信も増しました」と小椋に同調し、チームの絆の深さを訴えた。

そして、牧田は「前回に出演できたという経験が今に繋がっていると思うので、それをまた次の2ndに繋げられるように、僕らもここで全力を出し切って、次の2ndに向けて頑張りたいと思っています」と2025年に予定されている2ndシーズンも見据えながら意気込んだ。

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囲み取材の最後には、それぞれからメッセージが送られた。新谷は「一部では海賊のお話ということで、シリアスな場面も楽しいシーンもあるんですけども、二部はそれとは打って変わって、すごく楽しいシーンが多いので、温度感の差というものを僕たちの中でも出せたら、切り替えてまた新しく楽しめるというか、そういうのを出せると思うので、それも含めて皆さんに楽しんでいただけるように頑張りたいと思います」と宣言。

藤岡は「今回、僕たちが2代目のCaribbean グループとなりますが、僕たちだけにしか作れないCaribbean グループが稽古で完成したと思いますので、劇場に入って本番を迎えるたびにまた成長していく僕たちを見届けてくれたら嬉しいなと思いますし、自信を持って僕たちもステージの上に立ちますので、どうか見届けてください」と思いを込めた。

中本は「僕はもう一言です! 意気込みは、もうやるだけです!!」と力強くコメントし笑顔を振りまくと、「観に来ていただけるお客さんが海賊ブラッディ・ロジャーの一員になったような気持ちになることができたら、僕たちの勝ちだなと思っております。二部は全力で楽しんでいただければと思います」と期待を抱いた。

小椋は「この1ヶ月ちょっとの稽古期間、みんなが心と体をすり減らして稽古に取り組んできたものを、やっと皆さんにお見せできるということがすごく楽しみです。一部と二部の質感は全然違うので、1回の公演で二つの舞台を観たぐらいの楽しさを味わっていただけたらと思います」と期待を寄せた。

牧田は「自分の中で『全力で楽しく』という言葉をすごく大切にしていて、やっぱりお客さんも楽しんで帰っていただきたいし、僕たち5人、そして他のみんなも楽しかったねって言えるような作品に作り上げましたので、劇場に足を運んでいただいて、それを感じていただけたら僕は嬉しいので、ぜひ劇場で遊びに来てください」と呼びかけた。

主演の牧田のコメントで囲み取材は終了と思いきや、突然、中本が「初座長としての気持ちは言わなくていいの?」と牧田に問いかけると、慌てた牧田は“初座長”という言葉を噛んでしまい、登壇者たちも爆笑。気を取り直して、牧田は「2.5次元というものへ出演がまだ2作品目で、右も左もわからない状況でみんなに支えられて、僕は座長という立場として支えてもらっていたので、それが今日から恩返しできるような公演にできたらと思っております。皆さん応援よろしくお願いします」と会見を締めた。

ゲネプロレポート:情熱を夢に漕ぎ出すスター・オブ・スター team柊の魅力が満載の二部構

舞台の第一部は、team柊が演じる劇中劇のミュージカル『Caribbean Groove』から幕を開ける。時は海賊黄金時代。カリブ海にたなびく深紅の海賊旗。そのシンボルマークにちなみ彼らの通り名は“ブラッディ・ロジャー”と呼ばれる最強の血染めの海賊。

その物語は、5人のリーダー、クリス、アルベール、ジョバンニ、ティエラ、アンリに率いられたブラッディ・ロジャーのド派手な海賊アクションからスタートする。大海原を航海しながら、海賊として日々を謳歌するクリスたち。しかし、そんな彼らそれぞれには、誰にも知られていない秘密があった……。

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舞台中央には、海賊船の船首をイメージしたアンサンブルのマンパワーで回転する巨大な回転セットが鎮座し、舞台転換にダイナミックさと、ミュージカルシーンやアクションシーンに躍動感ある動きをもたらしている。

さらに印象的なのは、紗幕を映像投影用のスクリーンとしてだけではなく、透過した裏側でのシルエットによる演技を回想シーンとして用いたり、登場人物がカーテンのように用いたりと、吉谷の演出がより各シーンを心に深く刻み込むものとしている。

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船長となることを夢見ながら、幼い面も持ち合わせるクリスを演じる牧田は、やがて大きな責任を背負っていく成長の過程を丁寧に、そして柔和な笑顔も交えて演じ上げる。航海士として冷静沈着だが、クリスに過保護なまで干渉するアルベールを演じる小椋は、そんな温和な姿と、航海で立ち寄ったある国の現実を知ってしまい、苦悩と葛藤の狭間で揺れ動く姿を熱演。

荒々しい海賊らしさ存分に見せつけ、チャラ男な虎石らしさも感じさせるティエラを演じる藤岡は、裏に秘めた仲間思いの面も垣間見せるワイルドな役柄を華々しく演じる。海賊ではあるものの、ティエラにからかわれて落ち込む幼さなさもあるアンリを演じる新谷は、クリスと同じく劇中で見せる成長著しい姿と、可愛らしさとのギャップを鮮やかに快演。幼さが残るアンリを励ましながら面倒を見つつ、陽気なジョバンニを演じる中本は、そんな明るい表情の奥底に潜む影との二面性を巧妙に演じきる。

新ミュージカル『スタミュ』新作はチーム柊に浸れる二部構成の単独公演が開幕【レポート】

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さらに、レジスタンスのリーダー・ジョルジュ役の健人による重厚感のある演技と、新納が見せるピエールの圧政に翻弄される悲しき姿がストーリーに深みを与え、アモルテ役の柊木がジョバンニに影をもたらすミステリアスな役回りで存在感を見せる。

そこに、スタミュならではのソロ曲、ペア曲、メインキャスト5人全員での楽曲などバリエーション豊かなミュージカルナンバーとダンスが彩りを添え、カリビアンなグルーブにノった5人の海賊たちがそれぞれの心情を歌い上げながら彼らの過去が絡み合い、海賊アクションを織り込みながら物語がジェットコースターのように展開していく。

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そして二部は、原作シリーズ構成・ミュージカル脚本担当のハラダによるここでしか見られないteam柊とその指導者である柊翼とのエピソードを、「スター・オブ・スター!」を筆頭とした数々の楽曲と共に繰り広げ、レビューパートでは日替わり曲も含めた豪華な楽曲たちで劇場を沸かせる。

一部とはガラリと変わる二部は、team柊の稽古初日からのストーリーを各メンバーの個性を際立たせたサブエピソードもしっかりと盛り込みながら、ゲスト出演となる柊役の丸山の目線で描くteam柊ファン必見のものとなっており、約35分の上演時間にギュッと見どころを濃縮している。

華やかでカラフルなステージを、数々のミュージカルナンバーとダンスを交えながら、team柊の絆の深まりを見せつける第二部は、スターダムへ駆け上がっていく5つのパーフェクトな個性が眩しく輝く、圧倒的なステージを魅せつけてくれるものとなっている。

(取材・文・撮影/櫻井宏充)

新ミュージカル『スタミュ』スピンオフ team柊 単独公演『Caribbean Groove』公式サイト

【公式サイト】https://star-mumu.com/
【公式X(Twitter)】@star_mumu

(C) 新ミュージカル「スタミュ」製作委員会

 
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この記事を書いた人

演劇、海外ドラマ、映画、音楽などをマルチに扱うエンタメライター。エンタステージ立ち上げからライターとして参加し、小劇場から大劇場のストレートプレイにミュージカル、2.5次元、海外戯曲など幅広いジャンルにおいて演劇作品の魅力を日々お伝えしています!

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