日本発のミュージカル作品として好評を得たミュージカル『四月は君の嘘』。2025年の再演が発表されていたが、その全キャストが発表された。各登場人物はすべてWキャストで、フレッシュな顔ぶれとなった。
創作期間6年を経て完成したミュージカル『四月は君の嘘』
2022年、日生劇場で初演の幕を開けたミュージカル『四月は君の嘘』は、2011年から2015年にかけて「月刊少年マガジン」（講談社）にて連載された新川直司の作品。2012年度マンガ大賞ノミネート、2013年講談社漫画賞少年部門受賞、フジテレビ「ノイタミナ」枠でのＴＶアニメ化、実写映画としても大ヒットを記録した。
単なる青春ラブストーリーではなく、音楽に引き合わされた若き音楽家の卵たちが大切な人との出会いと別れを通してその才能を開花させて行く、多くの人を惹きつけてやまない傑作として名高い。
そのミュージカル版として、創作期間約6年間を経て完成した本作は、ミュージカル界の巨匠作曲家フランク・ワイルドホーンが、本来のPOPソングライターとしての才能をいかんなく発揮したキャッチ―で瑞々しい音楽で、原作の魅力である青春の刹那のきらめきと美しさを巧みに折り込んだ脚本、日本ミュージカル界の若手実力派キャスト揃い踏みによる存在感あるパフォーマンスが高く評価され、大反響の中で幕を下ろした。
また、今夏には､ロンドン・ウエストエンド､韓国・ソウルでも現地プロダクションで上演され、東宝が海外プロダクションに直接ライセンスして上演された日本のオリジナルミュージカルとして、初の快挙を成し遂げている。
脚本は、ジブリ映画『かぐや姫の物語』、『メアリと魔女の花』の共同脚本でも知られ、原作の魅力を丁寧に描き出す筆力に定評のある坂口理子。訳詞・演出は、ミュージカル『のだめカンタービレ』『この世界の片隅に』といったオリジナル作品から、同じくワイルドホーン作曲ミュージカル『笑う男The Eternal Love -永遠の愛-』も大ヒットに導いた上田一豪と、プロジェクト発足当初から共に活発な意見交換を重ね、初演を立ち上げたオリジナルスタッフ陣が再び集結する。
ミュージカル『四月は君の嘘』オーディションで選出されたフレッシュな顔ぶれ
3年の時を経て､2025年8月に待望の再演迎えるが、東京公演の会場は、音楽コンクールのシーンが多数登場する本作に相応しい昭和女子大学人見記念講堂で上演される。
キャストは、オールキャストオーディションで選出。フレッシュさと実力を兼ね備えた魅力的な新キャストが集った。
主人公、元天才ピアニスト・有馬公生役を務めるのは､2023年にはミュージカル『SPY×FAMILY』ユーリ・ブライア役として帝国劇場でその存在感を見せつけ､本年はミュージカル『ロミオ&ジュリエット』主演・ロミオ役､12月には『進撃の巨人 -the Musical-』主演エレン・イェーガー役でニューヨークでの上演も控える岡宮来夢（おかみやくるむ）と、2023年の日英合作ミュージカル『GALAXY TRAIN – A New Musical』ロンドン・ウェストエンド公演で現地キャストと共に出演､同年のミュージカル『春のめざめ』では主演を務め、本年11月にミュージカル『SONG WRITERS』の出演を控え注目を集める東島京（ひがしじまみさと）。
活躍目覚ましい次世代ミュージカルスターの筆頭・岡宮と、弱冠19歳・注目の実力派新人として大抜擢された東島京によるＷキャストは、瑞々しいストーリーと壮大なミュージカルナンバーが融合した本作に相応しい顔合わせだ。
そして、圧倒的個性を持つヴァイオリニスト・宮園かをり役には､2022年のミュージカル『リトルプリンス』王子役や､本年上演のミュージカル『CROSS ROAD〜悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ〜』のアーシャ役で好演し､本年12月からは『レ・ミゼラブル』のコゼット役が控える加藤梨里香（かとうりりか）と､ハロー！プロジェクト所属女性アイドルグループJuice=Juiceメンバーとして高い歌唱力を誇り、2020年に卒業後はソロアーティストとしてのライブ活動など活躍の幅を広げる宮本佳林（みやもとかりん）。
公生の幼馴染でソフトボール部の主砲・澤部椿役には、子役としてミュージカル『レ・ミゼラブル』『リトル・ゾンビガール』にも出演経験を持ち、現在は｢ウマ娘 プリティーダービー｣などの声優として活躍する希水しお（きすいしお）と､『ルーザーヴィル』や新国立劇場のミュージカル『東京ローズ』などで存在感を見せた山本咲希（やまもとさき）のWキャスト｡
公生と椿の友人・渡亮太役には、男性グループBOYS AND MENのメンバーで7月にはファーストソロシングル『Last Forever』をリリース､新ミュージカル『スタミュ』でも注目された吉原雅斗（よしはらまさと）と、ボーイズユニット「NORD（ノール）」のメンバーとして活動し､本年上演の『GIRLFRIEND』に続き､2025年4月には『フランケンシュタイン』にアンリ・デュプレ／怪物役での出演が決まった島太星（しまたいせい）が決定。
そして、かをりの父役には原慎一郎、かをりの母役には鈴木結加里、審査員役には武内 耕と三木麻衣子、相座武士役には内海大輔、井川絵見役には飯塚萌木が名を連ねた。
このほか、最年少16歳、平均年齢22.5歳のフレッシュなアンサンブルキャストたちも揃った。
＜アンサンブルキャスト＞
池田航汰 大森未来衣 相樂和希 桜井咲希 佐藤志有 新條月渚 須田拓未 千歳ふみ 千葉海音 鳥居留圭 中野太一 張家ヰエナ 東倫太朗 深澤悠斗 町田睦季 松村桜李 吉岡花絵 渡辺七海
どこを切ってもフレッシュさ満載、新世代を担う若手キャストたちに注目だ。
『四月は君の嘘』あらすじ
かつて指導者であった母から厳しい指導を受け、正確無比な演奏で数々のピアノコンクールで優勝した神童・有馬公生は、母の死をきっかけにピアノの音が聴こえなくなり、コンクールはおろかピアノに向き合うことからも遠ざかってしまう。母の死から数年後の4月。高校生になった公生は幼なじみの澤部椿を通じ、同い年のヴァイオリニスト・宮園かをりと出会う。ヴァイオリンコンクールでかをりの圧倒的かつ自由な演奏を聴き、公生の世界は、再びカラフルに色付き始める。
かをりは、好意を寄せる渡亮太との仲を椿に取り持ってもらい、渡と椿の幼なじみである公生とも行動を共にするようになる。やがて公生はかをりに好意を抱くようになるが、親友である渡に気を遣ってしまい想いを伝えることができない。そして椿はそんな公生のかをりへの恋心に気付き、また自身に芽生えた公生への恋心に思い悩む。
公生のことを“友人Ａ”と呼びぞんざいに扱いつつも、自分のコンクールのピアノ伴奏を命じるなど、何かにつけて公生を音楽の世界に連れ戻そうするかをりと、どんどんかをりに惹かれていく公生。しかし、公生が再び音楽の道に戻ろうとした矢先、かをりに大きな秘密があることを知る･･･。
ミュージカル『四月は君の嘘』再演 公演情報
2025年8・9月 東京：昭和女子大学人見記念講堂
チケット：2025年初夏 一般前売開始（予定）
＜全国ツアー＞
9月
愛知：Niterra日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
大阪：後日発表
10月
富山：オーバード・ホール
